パウエルFRB議長が27日に講演──アナリストが予想する“インフレ講演”と市場へのインパクト

米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は8月27日、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で基調講演を行う予定だ。市場では、パウエル議長のスピーチが結果的にドルを下落させ、ビットコインの買い意欲を増すことになるだろうとする見方が聞かれる。

アナリストの市場予測をまとめた。

アナリストの見通し

・FRBは2012年以来、2%のインフラ目標をおおむね達成できておらず、FRB議長は講演の中で、さらなるインフラの容認を示唆することが見込まれる。

・「パウエル議長は過去に、インフレは大きなリスクとは考えておらず、自らの目標を達成するために過度なインフレを経験する準備はできていると述べている」(バイトツリー・アセット・マネジメントの最高投資責任者、チャーリー・モリス氏)

・価格圧力を管理するより穏やかなアプローチが、アメリカでの長期的インフレをさらに力強く持ち上げる可能性がある。

・「今回のシンポジウムによる暗号資産(仮想通貨)への主な影響は、通貨政策の変更と、米ドルの価値のさらなる下落であり、それはビットコインの値上がりにつながる可能性がある」(スタック共同創業者のマシュー・ディブ氏)

・ビットコインは金と同様にインフレに対するヘッジ資産と考えられているため、暗号資産分野の多くの人は、インフレがビットコイン値上がりを促進する要素となると見込んでいる。

中央銀行トップ、FRB理事、エコノミスト、金融機関や学者などが参加する同シンポジウムは、今年はオンラインで開催される。

インフレ見込みを図る指標

・市場のインフレ見込みを測る、10年間のブレークイーブン・インフレ率は、3月の市場の暴落時に記録した0.5%という低水準から、コロナ禍前の水準となる、1.6%超えまで上昇した。

・ビットコインはここ5カ月間、おおむね値上がりしたが、ドルのインデックスは10%近く下がった。

・ビットコインはユーロや日本円などの他の通貨に対するものと比べて、米ドルに対してより大きな年初以来の値上がりを記録した。

・データは、ビットコインの最近の値上がりが、ドルの価値の下落にある程度支えられていることを示している。

・ビットコインの値上がりは現在、一時停止しているようだが、ビットコインはインフレの復活と、長期的なさらなるドルの価値の下落の恩恵を受けるのに良い位置にいるようだ。

・CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックスによれば、当記事執筆時点では、ビットコインは1万1550ドル付近で取引されており、前日比では1.8%値下がりした。

・ここ3週間で複数回見られた1万2000ドル超えの抵抗は、9000ドル割れの7月の安値水準からの値上がりにブレーキをかけた。

・暗号資産トラッカーとインデックス先物を提供するスタック社のアナリストによれば、1万1000ドルの直近の支持線を下回ると、さらなる引き戻しの可能性があるという。

翻訳:山口晶子
編集:佐藤茂
写真:ジェローム・パウエルFRB議長(Wikimedia Commons)
原文:Jerome Powell’s Coming Inflation Speech May Weigh on Dollar and Boost Bitcoin: Analysts