米スクエア、ビットコインの売上が10億ドルを突破:3Q決算

米決済大手スクエア(Square)が展開するビットコイン(bitcoin)関連事業にとって、2020年第3四半期は理想的な四半期になった。同社は11月5日の取引終了後に投資家向けレターを発表し、こう述べた。

「Cash Appによるビットコイン販売の売上高は16億3000万ドル(約1690億円)、利益は3200万ドル(約33億円)。それぞれ前年同期比で約11倍、約15倍となった」

スクエアは第2四半期、同事業の売上高を8億7500万ドル、利益を1700万ドルと計上しており、第3四半期の決算は前期と比べると倍増した。また、2019年通年のビットコイン販売の売上高は5億1600万ドルだった。

ビットコイン関連サービスをリード

上場企業の中では、ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏率いるスクエアはビットコイン関連サービスをリードしてきたと言えるだろう。同社は2017年後半、Cash Appを使ったビットコイン販売を試験的に開始している。ライバル企業のペイパル(PayPal)は2020年10月、暗号資産関連サービスの計画を発表した。

スクエアは第3四半期にビットコイン関連事業を拡大。単に顧客にサービスを提供するだけではなく、同社のバランスシートにビットコインを組み入れた。

スクエアは株主宛ての書簡で、10月に発表した5000万ドル(約52億円)のビットコイン購入は財務上の資産として購入したことを認めた。購入時、ビットコイン価格は1万1000ドル以下にとどまっていたが、当記事執筆時点までに1万5000ドルを突破した。

どーしー氏は、「ビットコインはインターネットのネイティブ通貨となり、世界中の人々と経済の繁栄を後押しすると信じている」と第3四半期決算報告で述べた。

稼ぎ頭のCash App

Cash Appを通したビットコイン販売の売上高を振り返ると、第1四半期は3億600万ドルで、第2四半期が8億7500万ドル。第3四半期は16億3000万ドルと、好調に伸びてきている。一方、利益は同社全体から見ると依然小さい。

Cash Appを通じたビットコイン販売の利益率は2%弱に過ぎず、高い利益率で運営されている事業全体から見るときわめて低い。スクエアの第3四半期の総売上高が30億3000万ドルに対して、利益は7億9400万ドル。利益率は約26%。

Cash Appの利益は第3四半期で3億8500万ドルで、スクエアの利益の半分近くを稼いでいる。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:Square Reports $1B in Quarterly Bitcoin Revenue for First Time: Q3 Earnings