強気市場はまだ初期段階か──「メイヤー倍数」が示すビットコイン価格の行方

価格が過去6週間で80%上昇して1万8000ドルを超えたことで、ビットコインのメイヤー倍数(Mayer Multiple:200日移動平均に対するビットコイン価格の比率)は、16カ月ぶりの高水準となる1.67まで上昇した。しかし、過去に強気市場の最終局面を示してきた2.4には及ばない。

メイヤー倍数は、2016年7月のビットコインの2度目の半減期の頃にも同様の数値となった。当時、ビットコインは650ドルで取引されていた。

2017年12月1日に2.4を超えると、ビットコイン価格はわずか2週間で2倍の約2万ドルまで上昇。その後、12月22日には1万2000ドルまで下落した。

同様の動きは、2013年の4月と11月にも見られた。また2019年6月末にも、メイヤー倍数が2.4を超え、ビットコインは1万3880ドルまで上昇した。

ビットコイン価格とメイヤー倍数の推移
出典 : TradingView

メイヤー倍数は現在1.67、ビットコインは強気市場の初期段階にあると見られる。同指標を見る限り、3月の3867ドルの安値からの上昇を続ける余地はまだ大きいようだ。

個人投資家の参入はピークのサイン

インド・ムンバイに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)取引所「ワジールX(WazirX)」のニスチャル・シェティー(Nischal Shetty)CEOによると、ビットコインはマイナー報酬が半減する4年に1度の半減期の後、こうした価格変動を繰り返している。ビットコインが3回目の半減期を迎えた2020年5月11日、価格は8600ドル付近を推移していた。

直近の1万ドルからの急騰は、2017年11月〜12月に見られた6000ドルから2万ドルへの急騰に似ているように思えるが、今回は様子が違う。今年の価格上昇は1つに機関投資家が牽引していると言われ、3年前の上昇は個人投資家による投機的な熱狂とパニック買いに支えられていた。

流行の話題についての一般的な関心を測るために使われるグーグル・トレンド(Google Trends)では、「ビットコイン価格(bitcoin price)」という検索キーワードの数値は現在13、2017年12月はじめの93と比べると小さい。

これは、FOMO(fear of missing out:機会を逃すことへの恐怖)が市場を支配していないことを意味していると言えるだろう。個人投資家は多くの場合、価格上昇の最後に市場に参入する傾向にある。つまり、個人投資家の市場参入の増加は、価格上昇がピークに近づいているサインと広く考えられている。

グーグルトレンドは、市場はまだ「有頂天の状態」には達しておらず、現在の価格上昇はまだ続くというメイヤー倍数の意味を裏付けているようだ。

ワジールXのシェティーCEOは、価格が2万ドルを超えれば、個人投資家が飛び付いてくると予想している。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:TradingView
原文:Bitcoin Indicator Suggests Bull Market Is Still in Early Phase