ビットコインについて家族や友人と語るときに語られること

ビットコインについて家族や友人と語るときに語られること

今年の年末年始の休暇期間、ビットコインについて考えたり、話し合ったりする機会は去年よりも多いのではないだろうか。

ビットコインを買うべきか?」と友人や家族から質問されることはあるだろう。今年、ビットコインの価格は市場最高値を更新し、国内外の多くのメディアが報じた。

家族や友人は、ビットコインはなぜここまで値を上げたのかを知りたがるだろう。そして、「サトシ・ナカモト」についての話をもう一度、聞きたくなるかもしれない。

ビットコインのことなど考えてもいなかった家族や友人からの質問に答えるために、業界の4人の専門家の話を紹介しよう。

メルテム・デミラーズ(Melem Demirors):コインシェアーズ(CoinShares)の最高戦略責任者はユニークなことが大好きな業界の問題児。あなたのご両親は彼女のことを、下院の公聴会で「シットコイン」(価値の乏しい暗号資産を表す口語)と発言した人物として認識しているだろう。

オウリエル・オハヨン(Ouriel Ohayon):ノン・カストディアル・ウォレットのスタートアップ企業「ゼンゴー(ZenGo)」のCEO。ビットコイン強気派をイライラさせるリサーチレポートを作成することで知られている。

■キャスリーン・ブライトマン(Kathleen Breitman):コミュニティが統括するスマートコントラクト・フレンドリーなブロックチェーン「テゾス(Tezos)」の共同創業者の1人。

■マシュー・グラハム(Matthew Graham):中国に拠点を置く投資会社、Sino Global CapitalのCEO。


──サトシ・ナカモトはビットコインのCEOなの?

デミラーズ:ビットコインのリーダーはいない。ルールもない。つまり、CEOは存在しない。

オハヨン:CEOになるには、会社が必要だ。ビットコインは会社ではなく、プロトコル。誕生から10年が経ち、もしビットコインが企業だったとしても、CEOなしで存在できるほど、十分に分散化している。

サトシ・ナカモト:ビットコインの生みの親とされる匿名の人物。2008年10月にビットコインに関する論文をインターネットに投稿された。その3カ月後の2009年1月にビットコインが誕生する。サトシ・ナカモトの正体についてはさまざまな説があるが、いまだに謎だ。

──ビットコインは違法なもの?

デミラーズ:違法ではない。政府は変えようとしているが、ソフトウエアや数学は違法ではない。(中略)面白い話がある。インターネットを安全に利用するための暗号技術はかつて禁止され、武器と見なされた。だが、長くは続かなかった。理由は明らかだ。

オハヨン:身のまわりのあらゆるものと同じように、ビットコインは合法な目的にも違法な目的にも使用できる。ナイフはトマトを切るために使える道具だが、誰かを傷つけるための武器にもなる。

ビットコインネットワーク上のすべての取引は公開されている。ビットコインを違法な目的のために使うことは非常に悪いアイデアだ。つまり実際、ビットコインは地球上で最も違法なことからは遠い通貨だ。

──ビットコインで決済できるなら、なぜ「モノポリー」のお金で決済できないの?

デミラーズ:できるだろう。でもそれは、みんながモノポリーのお金をモノやサービスと交換してくれる時だけ。お金は共同体が生み出すただのフィクション。ドルでさえもそうだ。

オハヨン:紙と数学の違い。ビットコインは、発行上限が決まっており、好きなだけ作り出すことはできない。モノポリーのお金はどれだけ流通しているか、誰のものかを記録することはできない。ビットコインはまったく正反対、数学的に希少であることが証明され、そのため、誰のものかが明らかで、支払いに使える。

ブライトマン:モノポリーのお金でどこまでできるか、試してみては?

ビットコインの発行上限:ビットコインはその価値を維持するために、発行量の上限が2100万枚と定められている。発行スピードは、4年ごとに半減し(半減期)、2140年頃に上限に達すると予想されている。

──なぜこんなに多くの暗号資産(仮想通貨)が存在するの?お金をインターネットにアップロードするなんて危険なことではないの?

オハヨン:その質問は「なぜこんなにたくさんのウェブサイトがあるの?」という質問と同じではないだろうか。すべての暗号資産は、異なる有用性と特徴をデジタルエコノミーにもたらすために存在する。

デミラーズ:紙幣や硬貨が入った財布を使うことも少なくなってきたのではないだろうか。

オハヨン:お金は何年も前から電子的なものになっている。銀行、ペイパル(PayPal)、クレジットカードなどはすでにデジタルになっている。

だが今、ブロックチェーンを使うと、お金は電子的なものになるだけではなく、デジタル・ネイティブなものとなる。そのメリットは、より安全なプロトコルと所有権の証明であり、あなたのお金はあなたのものであることを明確にできる。

グラハム:貸金庫も安全かもしれないが、今はハードウェアウォレットがある。

ブロックチェーン:分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに、暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法。

一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながら正しい記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みであることから、ブロックチェーンと呼ばれる。別名「分散型台帳」。

──3年前にビットコインに賭けて貯金を失った。また投資しろと?

デミラーズ:ビットコインは賭けではない。ビットコインに賭けないで欲しい。あくまでも理性的であるべきだ。

オハヨン:投機目的だとすれば、2017年は間違いなく、ビットコインに投機するのに最適の時ではなかった。私は投資をする時は常に、失っても大丈夫な金額しか投資しない。

ブライトマン:私は絶対にお勧めしない。

──ビットコインを買うと、テロリストに資金提供することになるのでは?

デミラーズ:そんなことはない。ビットコインをノン・カストディアル・ウォレット(秘密鍵をユーザー自身が管理するウォレット)で保有すれば、あなたしかそのビットコインを使うことはできない。

オハヨン:ビットコインはあなたのものであり、誰かに資金提供することにはならない。通常は、規制を受けた取引所やウォレットなどから購入することになる。

秘密鍵:ビットコインは「公開鍵暗号方式」という技術を使っている。暗号化と復号化に別々の鍵、すなわち「公開鍵」と「秘密鍵」を使う。公開鍵は秘密鍵から作られるが、その逆は不可能。

公開鍵は誰でも自由に使うことができ、ビットコインを送信する際には、送り先の「アドレス」を公開鍵から生成する。アドレスに送られたビットコインを受け取るにはユーザー本人しか知らない「秘密鍵」が必要になる。簡単に言えば「公開鍵」は口座番号、「秘密鍵」は暗証番号のようなものだ。

──なぜビットコインを保有しているの?

グラハム:ドルを保有することと同じではないだろうか。考え方の一つだよ。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:CoinDesk archives
原文:How to Answer Your Family’s Bitcoin Questions This Thanksgiving

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