ビットコインの上昇は持続可能、アナリストが語るその理由

ある程度の短期的な下落は予想されるものの、米CoinDeskが取材した複数のアナリストは、ビットコインの現在の上昇相場が2017年と比べると、長期的で持続性のあるものになるだろうと語った。

以前までの強気市場との違いの一つは、現在の市場が新たに参入を果たした北米を拠点とする機関投資家に支えられていることだろう。

「上昇のタイミングを見ると、一般的なアメリカ市場の取引開始時刻と一致している」と暗号資産(仮想通貨)分析企業、トレードブロック(TradeBlock)のジョン・トダロ(John Todaro)氏は話す。機関投資家を中心にサービスを提供しているLMAXデジタル(LMAX Digital)の取引高も増えていると同氏は言う。

CoinDeskの「Bitcoin Price Index」によると、ビットコインの価格は11月30日、1万9850.11ドルの史上最高値を記録した。

弱気を示す“くじら”の行動

取引が減少する感謝祭の休日の間、コインベース(Coinbase)のブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOがツイッターで述べた規制上の懸念によって、ビットコインは1万6500ドル付近まで下落した。30日朝、休暇帰りの機関投資家は、値を下げたビットコインを買い、価格は再び上昇した。

確かに、ビットコインに関するすべてのデータが、短期的に強気を示しているわけではない。データ分析のクリプトクアント(CryptoQuant)によると、ビットコインの取引所への流入は、感謝祭での急落以降、流出数を上回っている。

ビットコインの取引所へのフロー
出典:CryptoQuant

このデータは短期的な弱気トレンドを示している。つまり、ビットコインは1万6000ドルのレベルまで再び下落する可能性があると、クリプトクアントのキ・ヨン・ジュ(Ki Yong Ju)CEOは話す。データは、“くじら”と呼ばれる大口保有者が取引所で活発に取引を行っている可能性があり、さらなる売り圧力を加えていることを示している。

それでも、“くじら”の行動は、ビットコイン市場が3年前とは異なっていることを示すサインにもなっている。2017年12月、当時の史上最高値を更新した後、ビットコイン価格はわずか2カ月で、5947.40ドルまで下落。当時は、ビットコインの上昇は活発な個人投資家の増加によるものという考え方が一般的だった。

誰が買っているのか

ごく最近まで、暗号資産における「機関投資家」とは、暗号資産投資企業や、ビットコインマイニング企業、初期投資家のことだった。市場参加者の構成は今年、徐々に変化し、伝統的な金融業界で機関投資家と呼ばれる新たなグループを含むようになったと、デジタル資産プライムブローカー、ベクワント(Bequant)のデニス・ビノコウロフ(Denis Vinokourov)氏は述べる。

ビットコインの派生投資商品であるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(Greyscale Bitcoin Trust)」や、21シェアーズ(21Shares)、コインシェアーズ(CoinShares)への資金流入は、伝統的金融市場における機関投資家が資金をビットコインに投下している証だと、ビノコウロフ氏は指摘する。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Pixabay(CoinDeskが加工)
原文:Bitcoin’s All-Time High Price Rally Is Sustainable. Analysts Explain Why