貿易金融ブロックチェーンのwe.trade、COOが辞任へ。欧州で参加銀行増やしたロベルト・マンコーン氏

ブロックチェーン技術を活用して煩雑な貿易取引の手続きを簡素化するプラットフォーム、we.trade。共同創業者でCOO(最高執行責任者)を務めてきたロベルト・マンコーン(Roberto Mancone)氏が辞職する。

we.tradeを法人として組織できたことと、同プラットフォームへの参加銀行を7行から14行に増やせたことに誇りを持っていると、マンコーン氏はCoinDeskに述べた。また、マンコーン氏は、ブロックチェーン技術を次のステージへ移行させたいという同氏個人の目標を、辞職の理由とした。

「この技術がもたらす究極的な恩恵を得るには至っていない。現時点では、ユーザーがその価値を認めるのではなく、ソリューション提供者が認めるソリューションを築いているにすぎない」とマンコーン氏は言う。

同氏は、IBMの技術を基盤とするwe.tradeのプラットフォーム開発と運用開始に尽力した。今では、we.tradeの他に貿易金融において分散台帳技術を活用するいくつかのプラットフォームが現れている。

「厳しい規制環境の中で革新的な試みに参画してきた銀行の勇気ある行動を称賛する」とマンコーン氏は述べた。また、同氏は以前に、同じ業界に属する関係企業が参加すると、事業を以前よりも効率的に行うことができるようになるが、ビジネスモデルを根底から変えることには至らないとも訴えてきた。

マンコーン氏の辞任を受け、Ciaran McGowan氏がゼネラルマネジャーの役職で就任する。McGowan氏は貿易金融や金融全般における経験はないが、小売りや製薬業界などでの輸送・配達業務の管理職を歴任してきた人物だという。

翻訳・抜粋:CoinDesk Japan
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Roberto Mancone image from CoinDesk archives
原文:We.Trade Co-Founder Mancone Is Leaving the Enterprise Blockchain Firm