損失隠ぺい疑惑のビットフィネックス、取引所トークンの発行を計画か:株主

香港に拠点を置く仮想通貨取引所のビットフィネックス(Bitfinex)が取引所トークン(Exchange Token)の発行を行う可能性がある。この計画に詳しい同取引所の一株主が明らかにした。

ビットフィネックスの株主で、中国ではOTC取引(相対取引)トレーダーで知られるDong Zhao氏はCoinDeskの取材で、計画の詳細は不明だが、同取引所がその計画を行なっていることは確かだと述べた。同氏は先に中国のSNS「微博(ウェイボー=Weibo)で公表した。

CoinDeskはビットフィネックスに対して取材を試みたが、同社からのコメントは得られなかった。

ビットフィネックスは現在、巨額の損失を関連会社でステーブルコインを扱うテザー(Tether)が管理する資産を利用して隠ぺいしたとして、米ニューヨーク州司法当局に訴追されている。

当局の調べでは、ビットフィネックスは8億5000万ドル(約950億円)に及ぶ顧客および自社資産を損失。その後、テザーにはステーブルコインを発行させ、9億ドルの貸し出しを取引所に対して行い、損失の穴埋めをに利用した疑いがある。ビットフィネックスは、8億5000万ドルは複数の関係当局により「押収」されたと主張している。

Zhao氏はブロックチェーンの投資会社DGroupの創業者でもあるが、今回の取引所トークン発行の計画をビットフィネックスに提案したのも同氏自身だと述べている。2019年4月28日、Zhao氏は同氏の微博アカウントで、取引所は凍結された額と同量のテザーを確保するため、8億5000万ドル相当のトークンを発行すべきとする考えを明らかにしていた。

翻訳・抜粋:CoinDesk Japan
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Bitfinex image via Shutterstock
原文:Bitfinex Is Planning to Issue an Exchange Token, Shareholder Says