「世界初」トークン化証券取引所カレンシー・ドット・コムが正式始動

ベラルーシに拠点を置くトークン化証券取引所、カレンシー・ドット・コム(Currency.com)は、1月から取引プラットフォームのベータテストを行っていたが、2019年5月3日(現地時間)に一般にリリースすることを発表した。

同社のプラットフォームは、トークン化された金融商品を直接取引・投資することを可能とし、決済は、法定通貨を経由せずに、直接ビットコイン(BTC)、もしくはイーサリアム(ETH)で行われる。同社は、このようなプラットフォームは世界初だと主張している。

同社は、iOSおよびAndroid向けのアプリも打ち出しており、ユーザーは外出先でも取引所にアクセスできる。また、今回のローンチで、証拠金維持率が50%を下回ると強制決済され、損切りされる機能が追加された。

同社のCEOイワン・ゴーワン(Ivan Gowan)氏は以下のように述べている。

「トークン化証券の登場により、投資家にとって仮想通貨の用途が完全に変わるでしょう。仮想通貨と証券・株の価格を結びつけることで、ビットコインおよびイーサリアムの保有者に従来の金融市場にアクセスするための明確な手段が提供されます」

同社は、金融活動作業部会(FATF)のブラックリストに載っているハイリスク国家およびアメリカを除いた世界中の投資家に1000のトークン化証券を提供しているという。同社のプラットフォームの基礎となる技術を提供しているのは、英国金融行動監視機構(FCA)およびキプロス証券取引委員会(CySEC)の規制に準拠する同社の姉妹企業、キャピタル・ドット・コム(Capital.com)

同社のトークン化商品は、「世界中の株、インデックス、コモディティなどの一般的な金融商品」の原市場価格に連動していると同社は説明した。

「例えば、ユーザーはナスダック市場におけるアップル株のパフォーマンスに対応したトークンを購入し、通常の株と同様の経済的なコストおよび恩恵を受けることができる」とも。

テッククランチ(TechCrunch)によると、カレンシー・ドット・コムは3日、トークン化されたベラルーシ国債も発行した。同社は今後、さらに国債や社債を追加していく予定。

同社は以前、自社をベラルーシの法律に完全に準拠しているブロックチェーン企業だと述べた。アンチマネーロンダリング(AML)および顧客確認(KYC)規則だけでなく、EU一般データ保護規則にも準拠しているという。

今回の発表によると、カレンシー・ドット・コムではすでに毎月2000万ドル以上の取引が行われており、1月15日に発表されたベータ版には5000人のユーザーが登録している。

仮想通貨での決済を採用したトークン化証券取引所は、カレンシー・ドット・コムが世界初かもしれない。しかし、ジブラルタル証券取引所もトークン化証券を上場させる予定だと4月上旬に発表している。また、シンガポール証券取引所も昨年の夏に同様のプラットフォームを立ち上げる予定だと発表した。スイス証券取引所(SIX)も開発に取り掛かっているとという。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Currency photo by Keegan Houser on Unsplash
原文:Tokenized Securities Exchange Currency.com Launches to the Public