リップルが急騰──メッセージアプリのグループチャットが発端か

暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)は1月31日に急騰した。メッセージアプリのテレグラム(Telegram)上に作成された「Buy & Hold XRP」と呼ばれるグループの投稿が、価格上昇に勢いを与えたとみられている。

アメリカの株式市場では、人気投稿サイト「reddit(レディット)」における情報が特定の株式銘柄の取引を活発化させ、価格が高騰。議会や規制当局が市場の監視を強める事態に発展している。ソーシャルネットワークでの活動がリップルの価格にも大きな影響を与えた。

CoinDesk 20のデータによると、リップルは31日、56%上昇して一時0.50944ドルをつけ、12月22日以来の最値となった。1日の上昇率としては、2017年12月21日以来最大となった。

同グループは作成後24時間も経たないうちに参加人数の上限20万人に達し、似たような名前の別のグループに移行した。

「暗号資産価格の吊り上げと売り逃げ(ポンプ&ダンプ)を狙う、古くからあるグループの手法は、(ゲームストップ株騒動を引き起こした米掲示板レディットのコミュニティー)WallStreetBets(WSB)が模倣し、一般に広まっている。今、ポンプ&ダンプを狙うグループは、ターゲットをドージコイン(DOGE)からリップルに定めている」と香港の暗号資産投資会社ケネティック・キャピタル(Kenetic Capital)のジェハン・チュー(Jehan Chu)CEOは語る。

ドージコイン、リップル

古典的なポンプ&ダンプは、愛好者の多いリップルにとっては目新しいものではない。しかし、WSBに集まるアマチュア・デイトレーダーの動きに刺激された可能性がある。

米ビデオゲーム販売大手ゲームストップ(GameStop)株をめぐる騒動では、デイトレーダーがWSBの投稿に促されて同社株を買い進め、同株式を空売り(ショート)していたヘッジファンドに大きな損失を与えた。

ゲームストップの株価は先週400%近く急騰、規制当局は監視を強めている。また柴犬をモチーフにしたドージコインは、WSBがツイッターで話題にしたことで、リップルが高騰した前日に800%、値を上げた。

「Buy & Hold XRP」のメンバーが、その名前の通り、リップルを長期保有するかどうかは今後の推移を見守る必要がある。

現在、リップルは0.48ドル付近で取引されている(日本時間2月1日11時時点)。リップルは2020年12月下旬に米証券取引委員会(SEC)がリップル社を提訴した後、0.55ドルから0.20ドルまで下落していた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Posted Biggest Single-Day Gain in 3 Years in a Coordinated Buying Attack