- トランプ大統領は米国時間23日、バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ氏に恩赦を与えた。
- ジャオ氏は2023年11月に銀行秘密法違反を認め、CEO辞任と5000万ドルの支払い、4カ月の服役に合意した。
- バイナンスも米司法省などに43億ドルの罰金を支払った。
トランプ大統領は、暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)の創業者で前CEOのチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏に恩赦を与えた。ジャオ氏は数カ月前、恩赦を求めていることを認めていた。
ジャオ氏は2023年11月、銀行秘密法(Bank Secrecy Act)違反を認め、司法取引の一環としてCEOを辞任し、5000万ドルの罰金を支払った。バイナンスも罪を認め、裁判所が指定した監視人を置くとともに、米司法省、米商品先物取引委員会(CFTC)、米財務省に43億ドルもの罰金を支払った。ジャオ氏は2024年、4カ月の刑期を終えて、出所していた。
ジャオ氏は、恩赦に「深く感謝している」とXに投稿した。
Deeply grateful for today’s pardon and to President Trump for upholding America’s commitment to fairness, innovation, and justice.
— CZ 🔶 BNB (@cz_binance) October 23, 2025
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トランプ大統領は23日の記者会見で、恩赦の理由について「多くの人からの勧めがあった」と述べた。
恩赦によって、ジャオ氏は米国でのビジネスを再開できるようになる。バイナンスも、今年初めにBitMEXが受けたような恩赦を得れば、米国内での事業展開はさらに加速する可能性がある。
バイナンスは以前、アブダビのMGX社から20億ドルの投資を受けた。この投資にはトランプ一家が関連するWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・フィナンシャル)が発行するステーブルコイン「USD1」が用いられた。
ビルドアンドビルド(BNB、もともとはバイナンスのネイティブトークンとして発行され、今はBNB Chainのネイティブトークン)は恩赦のニュースの直後に約3%上昇した。
米民主党のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員は声明で「まず、チャンポン・ジャオ氏はマネーロンダリングの罪を認めた。次に、ドナルド・トランプ氏の暗号資産ベンチャーの1つを後押しし、恩赦を求めてロビー活動を行った。そして今日、トランプ氏はその見返りとして恩赦を与えた。もし議会が審議中の市場構造法案でこの種の腐敗を止めないなら、この無法状態の責任は議会にある」と述べた。
バイナンスの広報担当者は声明で次のように述べている。
「本日、CZの恩赦という素晴らしいニュースがあった。トランプ大統領のリーダーシップと、米国を世界の暗号資産の中心地とするというコミットメントに感謝する。CZのビジョンはバイナンスを世界最大の暗号資産取引所にしただけでなく、暗号資産ムーブメントを広く形作った。バイナンスは今後も、安全で透明性が高く、ユーザー第一のプラットフォーム構築に注力する。手数料を削減し、全ての人の金融システムへのアクセスを拡大していく」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Binance’s CZ Wins Pardon From U.S. President Donald Trump


