- 米中貿易協議の進展を受け、ビットコインは11万3000ドルを突破し、約2週間ぶりの高値となった。
- 両国の主要交渉担当者らは重要課題について暫定合意に達し、新たな関税導入への懸念が和らいだ。
- トレーダーが地政学的緊張の緩和を好感し、暗号資産市場の時価総額は1.8%上昇。
米中貿易交渉の進展の兆しが見られ、追加関税の悪循環への懸念が和らいだことをトレーダーが歓迎し、ビットコイン(BTC)は26日日曜日のアジア取引時間終盤に11万3000ドルを突破し、約2週間近くぶりの高値となった。
両国の主要交渉担当者らは、輸出規制、フェンタニル、船舶への課徴金など、複数の論争点について「暫定合意」に達したと述べ、スコット・ベッセント(Scott Bessent)米財務長官はCBSに対し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が中国製品に100%の追加関税を課すと脅していた件は「事実上、撤回された」と語った。
これらの発言は、マレーシアでの2日間の協議の後、より包括的な合意を最終決定するためのトランプ大統領と習近平国家主席による会談が予定されている中で行われた。
世界市場全体でリスク選好センチメントが高まっている。米国とアジアの株式先物は上昇し、金はトレーダーがリスク資産に資金を戻したことで、最近の高値からわずかに下落した。
暗号資産(仮想通貨)は上昇基調となり、イーサリアム(ETH)は2.6%上昇して 4060ドル付近で取引され、ビルドアンドビルド(BNB)とソラナ(SOL)はそれぞれ約4.5%上昇。エックス・アール・ピー(XRP)は2.3%上昇して2.64ドルとなり、ETF(上場投資信託)への楽観的な見方による先週の上昇を継続した。トロン(TRX)は主要トークンの中で唯一下落し、2.9%安となった。
CoinGeckoのデータによると、暗号資産市場全体の時価総額は1.8%上昇して3兆7200億ドル(約569兆1600億円、1ドル153円)に達し、今月の連鎖的な清算による下落の一部を回復した。
貿易摩擦を巡る発言が軟化したことで、数週間にわたるマクロ経済要因による変動の後、トレーダーがひと息つく余裕が生まれたとアナリストらは述べている。
米連邦準備制度理事会(FRB)の次回政策会合まで1週間を切る中、持続的なブレイクアウトは、中央銀行がどれだけハト派的な姿勢を示すかにかかっているだろう。今のところ、地政学的緊張の緩和によって暗号資産市場はひと息つくことができ、ビットコインにとって2015年以来最悪の10月となる事態は回避している。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Bitcoin Tops $113K, SOL, ADA, ETH Jump as US–China Trade Progress Lifts Risk Appetite


