「ステーブルコイン決済インフラの実験完了」──万博を起点にHashPortが描くウォレット構想

HashPort(ハッシュポート)は10月28日、大阪で「【大阪・関西万博 閉幕記念】アフター万博に大阪から生まれるFinTechの取り組み〜EXPO2025デジタルウォレット感謝祭〜」を開催した。

同社が手がけた大阪・関西万博の公式アプリ「EXPO2025デジタルウォレット」は、CoinDesk JAPANも伝えているとおり、万博閉幕を受けて10月31日に「HashPort Wallet」としてリニューアルされる。

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イベントでは吉田世博代表取締役CEOが登壇(=写真)し、万博期間中に行った実証実験の成果を報告するとともに、「HashPort Wallet」が目指す今後の事業構想について説明した。

吉田氏はまず、万博期間中の成果として、会場内で流通した「EXPOトークン」に関する実証実験の結果を報告。

EXPOトークンは、電子マネー「ミャクペ!」や共通ポイント「VポイントPayギフト」へのチャージに利用されたほか、米ドルにペッグされたステーブルコイン「USDC」との交換も実現した。

同氏はこれらの複数の実績を挙げ、これらをもって「ステーブルコイン流通を担うための決済インフラとしての実験は一通り完了できた」と述べた。

この実証実験で得られた知見は、後継となる「HashPort Wallet」に引き継がれる。

吉田氏は同イベントで、対応するブロックチェーンの種類を現在の1種類から8種類に増やす計画を明かした。

また、ステーブルコインに関しても、10月31日からUSDCに加えて他の銘柄にも対応する予定であることを明らかにした。なお、8月に発表されたリブランディングのリリースでは、対応を検討する銘柄として日本円連動ステーブルコイン「JPYC」が挙げられていた。

折しも、前日27日には国内で日本円連動ステーブルコイン「JPYC」の発行が開始された。28日21時時点での発行額は4300万JPYCを超えており、市場の高い関心を表している。

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しかし、JPYCの利用にはユーザー自身が秘密鍵を管理するノンカストディアル型のウォレットが前提となり、これがWeb3に馴染みのない層にとっては一つのハードルとなっている。

こうした状況下で、万博を通じて多くの国内ユーザーに利用された実績を持つHashPort WalletがJPYCへの対応を進めることは、一般層がステーブルコインを利用する上での障壁を引き下げることにつながる可能性がある。

吉田氏は「100万ダウンロードされたウォレットをしっかり利活用していきたい。万博を起点として、日本のWeb3社会実装における一つのスタンダードになっていきたい」と語った。

|文:栃山直樹
|画像:記者撮影
※情報に一部間違いがあり、訂正しました。10月29日17時2分。

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