- トランプ・メディア（Trump Media）は、クリプト・ドット・コム（Crypto.com）の米国デリバティブ部門との提携を通じて、米連邦規制に準拠した予測市場をトゥルース・ソーシャル（Truth Social）に追加する予定である。
- この新機能「トゥルース・プレディクト（Truth Predict）」は、ユーザーが暗号資産（仮想通貨）を使用して選挙、金利の変更、スポーツなどのイベントの結果に賭けることを可能にする。
- この動きにより、トランプ・メディアは予測市場とソーシャルメディアを組み合わせることで、ポリマーケット（Polymarket）やカルシ（Kalshi）と競合することになる。
ドナルド・トランプ米大統領のソーシャルプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」の親会社であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ（Trump Media & Technology Group）は、クリプト・ドット・コムの米国登録デリバティブ部門との提携を通じて、アプリに直接予測市場を展開する計画であると、両社が10月28日に発表した。
トランプ・メディア株は、プレマーケットの取引で4.4%高で取引されている。クリプト・ドット・コムのネイティブトークン、クロノス（CRO）は、過去24時間で4.9%高となっている。
トゥルース・プレディクトと名付けられたこの新しい機能では、ユーザーが米国の選挙、米連邦準備制度理事会（FRB）による金利決定、スポーツの試合、コモディティの価格など、現実世界のイベントの結果に賭けることができるようになる。このサービスは、米商品先物取引委員会（CFTC）に登録されたクリプト・ドット・コムのデリバティブ取引所が運営する、米連邦規制に準拠した取引所を通じて提供される。
完全にローンチされれば、トゥルース・ソーシャルは予測市場をネイティブに統合する最初のソーシャルメディアプラットフォームになるだろう。
この動きによってトランプ・メディアは、ソーシャルメディアの枠を超えて金融商品分野に進出。ユーザーは自分の意見を賭けに変え、市場ベースの確率がリアルタイムで変化するのを確認できるようになる。
トランプ・メディアのCEOデビン・ヌネス（Devin Nunes）氏は声明で、同社はユーザーに「言論の自由を、行動につながる予見に変える」ツールを提供したいと述べた。
トランプ・メディアは、30億ドル以上の金融資産を報告し、先日には上場以来初めて、キャッシュフローが黒字となる四半期を達成した。
トゥルース・プレディクトのベータテストは近く立ち上げられる予定であるが、同社はまた、アプリ内のトークンの報酬をクリプト・ドット・コムのCROトークンに変換して予測契約に使用できるようにすると述べた。「Truth gems」と呼ばれるこの報酬は、トゥルース・ソーシャルとそのストリーミングサービスTruth+とのやり取りを通じて獲得できる。
クリプト・ドット・コムのCEOクリス・マルザレック（Kris Marszalek）氏は、この提携がソーシャルエンゲージメントと金融予測を融合させることで、予測市場取引をより幅広い層に提供することを目的としていると述べた。
トゥルース・プレディクトは米国で最初に展開され、規制当局の承認後に国際的な拡大が計画されている。トランプ・メディアをはまた、Yorkville Acquisition Corp.とのSPAC合併を通じた、CROに焦点を当てた財務商品など、より広範なデジタル資産への野心を示唆した。
トランプ・メディアは今回の動きによって、今年に資金面で大きな支援を確保したポリマーケットやカルシのような、確立された予測市場プラットフォームと直接競合する形となる。
｜翻訳・編集：山口晶子
｜画像：Brian Jason / Shutterstock.com
｜原文：Trump Media Taps Crypto.com to Launch Prediction Markets on Truth Social
