- サム・バンクマン-フリード氏は、FTXが決して破産していないと主張し、同社の破綻は管財人である弁護士の責任だと非難している。
- 彼が投稿した文書によると、FTXの資産は現在1000億ドルを超える可能性があるとしているが、財務報告書の内容とは食い違っている。
- バンクマン-フリード氏はイメージ刷新を目指し、大統領恩赦を求めるなど努力しているが、実現の可能性は現時点では低い。
サム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏は再び無実を主張している。
破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの元CEOは今週、Xに長文の文書を投稿し、同取引所は「決して破綻していない」と主張し、同社の破綻の原因はバランスシートではなく破産管財人である弁護士にあると主張した。
[SBF says:]
— SBF (@SBF_FTX) October 31, 2025
This is where the money went. https://t.co/HVRwEw5Z1k https://t.co/5DrA13L5YE pic.twitter.com/O6q77DvmTn
この文書には、ソラナ(Solana)からアンソロピック(Anthropic)に至るまで、FTXがかつて保有していた資産の「時価評価」による利益を仮定した表が満載されており、弁護士がいなかったら同社の現在の価値は1000億ドル(約15兆円、1ドル=150円換算)を超えていたであろうと示唆している。
しかし、FTXは決して破綻していなかった、顧客に全額返済できたはずだ、といったこの文書の中心的な主張の多くは、財務報告書と食い違っている。
この投稿は、バンクマン-フリード氏が自身の有罪判決を覆し、政治的な同情を得ようと展開している広範なキャンペーンにおける最新の攻勢だ。ニューヨーク・タイムズが報じたように、彼の両親と法律関係者は、大統領恩赦を求めて密かにロビー活動を行っており、トランプ大統領と繋がりのある弁護士のコリー・ラングホファー(Kory Langhofer)氏を起用し、さらにはタッカー・カールソン(Tucker Carlson)氏との刑務所での面会まで手配している。
分散型予測市場カルシ(Kalshi)の参加者は、彼がトランプ大統領の恩赦を受ける可能性をわずか10%程度と見積もっており、この投稿はFTXの歴史を書き換えることと同じように、自身のイメージ回復を通じて恩赦の確率を上げようとする意図が強いことを示唆している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nikhilesh De/Modified by CoinDesk
|原文:Sam Bankman-Fried Posts Lengthy ‘FTX Was Never Insolvent’ Document


