ラテンアメリカの暗号資産取引所Ripio、アルゼンチン・ペソ建てステーブルコイン「wARS」を発行
  • ラテンアメリカの暗号資産取引所リピオは、アルゼンチン・ペソにペッグされた「wARS」と呼ばれる新しいステーブルコインをローンチした。
  • ペソに裏付けられたトークンにより、ユーザーは銀行を介したり米ドルに変換したりすることなく、世界中で資金を送受信できるようになり、ラテンアメリカ全域における現地通貨での国境を越えた決済を促進する可能性がある。
  • 今回のローンチは、リピオが以前発表したトークン化されたソブリン債に続くもので、現実資産をブロックチェーン上に組み込もうとする広範な取り組みの一環。

2500万人超のユーザーを抱えるラテンアメリカの暗号資産(仮想通貨)取引所のリピオ(Ripio)は、アルゼンチン・ペソにペッグされた新たなステーブルコインをローンチした。

現地メディアのLa Nacionによると、wARSと呼ばれるこのトークンは現在、イーサリアム(Ethereum)、コインベース(Coinbase)のベース(Base)、ワールド・チェーン(World Chain)で利用可能になっている。

ペソに裏付けられたトークンにより、ユーザーは銀行を介したり米ドルに変換したりすることなく、いつでも世界中で資金を送受信できる。このローンチは、アルゼンチンのハビエル・ミレイ(Javier Milei)政権が、国内のインフレ率を昨年4月の292%から現在の31.8%まで抑制した中で行われた。

リピオは、他のラテンアメリカ通貨に対応した同様のステーブルコインをローンチする計画だと述べた。これにより、将来的には、同地域全体で現地通貨による国境を越えた決済が可能になる可能性がある。現在、こうした決済には通常、米ドルか高額な手数料のかかる仲介業者が必要だ。

ステーブルコインは、インフレと厳しい通貨規制の影響で人々がより安定した価値の保存手段を求めるアルゼンチンとブラジルですでに普及している。

wARSのローンチは、リピオが以前発表したソブリン債のトークン化バージョンに続くもので、法定通貨や証券といった現実資産(RWA)をブロックチェーン上に組み込もうとする広範な動きをさらに推進するものだ。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Angelica Reyes/Unsplash/Modified by CoinDesk
|原文:Latin American Crypto Exchange Ripio Launches Argentine Peso Stablecoin ‘wARS’

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