- 週末終盤に始まった暗号資産の下落は、3日アメリカ時間午前の取引で加速し、ビットコインは4％以上下落して10万5500ドルとなった。イーサリアムやソラナなど主要アルトコインは6％から10％下落した。
- デジタル資産全体で10億ドル以上のレバレッジをかけた取引ポジションが清算され、市場のボラティリティが浮き彫りとなった。
- こうした下落局面にもかかわらず、トム・リー氏を含む一部アナリストは、年末までにビットコインが20万ドル、イーサリアムが7000ドルに到達する可能性について楽観的な見方を維持している。どちらも、今後8週間で約2倍の価格上昇が必要となる。
暗号資産（仮想通貨）市場は3日に再び急落し、10月10日の暴落からの反発はほぼ消失した。
ビットコイン（BTC）は一晩で11万ドル台から下落して10万8000ドル（約1620万円、1ドル150円換算）を割り込み、アメリカの取引時間序盤には10万5500ドルまで急落した。過去24時間では4％、過去1週間では8％の下落となる。
アルトコインの下落はさらに大きい。イーサリアム（ETH）は3600ドルを下回り、過去24時間で7％、過去1週間で14％下落した。ソラナ（SOL）、ビルドアンドビルド（BNB）、ドージコイン（DOGE）、カルダノ（ADA）といった主要アルトコインも8％から10％下落した。
CoinGlassのデータによれば、価格下落はデリバティブ市場にも波及し、3日には全デジタル資産で10億ドル（約1500億円）以上のレバレッジをかけた取引ポジションが清算された。
ビットコインはここ数週間11万ドル前後で取引されていたが、どちらの方向にも勢いが乏しい。一部のアナリストは、今年これまでに行った強気の予測を維持している。
ファンドストラット・キャピタル（FundStrat Capital）の共同創業者兼最高投資責任者（CIO）であり、イーサリアム中心のトレジャリー（財務）会社ビットマイン・イマージョン（Bitmine Immersion）の会長を務めるトム・リー（Tom Lee）氏は、3日午前のCNBCとのインタビューで、ビットコインが年末までに20万ドルに達する可能性はまだあると考えていると述べた。リー氏はイーサリアムについても、年内に7000ドルに達する可能性があると述べた。
企業としては最大のイーサリアムを保有するリー氏のビットマインの株価は、暗号資産の売り圧力により7.5％下落した。
リー氏は、「現在、暗号資産の価格を主導しているのはファンダメンタルズだ」とし、「それゆえ最終的には保ち合いとなり、その後は年末に向けて上昇する」と述べた。
AIブーム継続の波に乗り、3日には数十億ドル規模の新規取引が多数発表され、株式市場は寄り付きで大幅高となった。しかし、午前中半ばまでに上昇分を失った。ナスダックは0.4％と若干の上昇となり、ダウ平均株価は0.5％下落した。
主要暗号資産関連企業の株価も下落し、サークル（Circle）は7％、ジェミナイ（Gemini）は6％の下落となった。
コインベース（Coinbase）は4％、マラソン・デジタル（Marathon Digital）も同じく4％下落した。ストラテジー（Strategy）は3％下落し、今週に第3四半期決算を発表予定のロビンフッド（Robinhood）も同様に下落した。
｜翻訳・編集：林理南
｜画像：Midjourney/modified by CoinDesk
｜原文：Bitcoin Slides Below $106K as Cryptos Tumble, Nearing October Crash Lows
