- リップル(Ripple)は、フィンテック企業や一般企業向けのリアルタイムのカストディと決済を強化するために、暗号資産(仮想通貨)のウォレットおよびカストディを手がけるパリセード(Palisade)を買収した。
- この買収は、リップルの企業向けカストディサービスに高速でスケーラブルなウォレット技術を追加する。
- プライムブローカーのヒドゥン・ロード(Hidden Road)、ステーブルコインのインフラ企業レール(Rail)、法人向け財務管理プラットフォームGトレジャリー(GTreasury)を買収したリップルにとって、今年4回目の買収である。
XRPレジャー(XRP Ledger)ネットワークと密接に関連するブロックチェーン技術企業のリップルは11月3日、企業向けカストディと決済サービスを拡大するために、暗号通資産ウォレットを手がけるパリセードを買収したと述べた。
パリセードのウォレット・アズ・ア・サービスのプラットフォームは、デジタル資産、ステーブルコイン、およびトークン化された現実資産を扱う銀行と企業向けに設計された「リップル・カストディ(Ripple Custody)」に統合される予定である。
リップルは、パリセードが、ユーザーが迅速に作成および展開できる安全なウォレットを必要とする、オン/オフランプや企業の決済フローのような高速、高頻度のユースケースのためのツールをもたらすと述べた。
パリセードの技術はまた、複数のブロックチェーンをサポートし、分散型金融(DeFi)プロトコルとやり取りすることもできる。
リップルのより広範な戦略は、伝統的な金融インフラに代わる暗号資産(仮想通貨)ネイティブの代替手段を開発することである。
これには、国境を超えた決済、流動性、ステーブルコインの発行、そしてますます重要となる、資産を安全に管理するために必要なツールが含まれる。
リップルは現在、世界中で75を超える規制ライセンスを保有し、BBVA、DBS、およびソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)の暗号資産部門などの銀行をサポートしている。
パリセードを買収することで、リップルは、新しいユーザーのための即時のウォレット作成を必要とするフィンテック企業やグローバルな財務業務を管理する企業など、スピードを重視する顧客に対応するための技術基盤を獲得したと、リップルのモニカ・ロング(Monica Long)社長はCoinDeskのインタビューで語った。
「パリセードは、リップル・ペイメンツ(Ripple Payments)で構築してきたものを補完する最適な一連の機能を提供している。リップル・ペイメンツは今年、ステーブルコイン決済の普及に伴い著しい成長を遂げている」と、ロング氏は述べた。
この買収に先立ち、リップルは2023年にはスイスのカストディ企業メタコ(Metaco)を買収し、今年に入ってからは、プライムブローカーのヒドゥン・ロードを12億5000万ドル(約1900億円、1ドル=154円換算)で買収(現在はRipple Prime)、ステーブルコインの決済企業レールを2億ドルで買収、財務テクノロジーを手がけるGトレジャリーも買収している。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:リップルのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEO(Jesse Hamilton/CoinDesk)
|原文:Ripple Acquires Crypto Wallet Firm Palisade to Expand Institutional Payments Business


