- シークアンス・コミュニケーションズは970BTCを売却して転換社債の半分を償還し、負債総額を9450万ドル(約145億5000万円、1ドル154円換算)に削減した。
- 同社は、純粋なビットコイントレジャリー企業として初めて、実際に保有ビットコインの一部を売却した企業と見られる。
- 保有ビットコインの評価額を大きく下回る時価総額で取引されている企業が増加する中で、同社もそうした企業のリストに名を連ねている。
ビットコイン(BTC)の下落が底打ちし始めているのか、それともさらなる暴落の前兆なのか、あるいはその両方なのか定かではないが、パリに拠点を置くシークアンス・コミュニケーションズ(Sequans Communications)は、今年相次いで設立されたビットコイントレジャリー企業の中で初めて、保有ビットコインの一部を売却した。
同社は4日、第3四半期決算報告と併せて、970BTCを売却することで2025年7月に発行した転換社債の50%を償還し、負債総額を1億8900万ドル(約291億1000万円)から9450万ドル(約145億5000万円)に削減したと発表した。
同社のビットコイン保有量は現在、約2億4000万ドル(約369億6000万円)相当の2264BTCとなり、負債/純資産価値(NAV)比率は55%から39%に低下した。
CEOのジョルジュ・カラム(Georges Karam)氏は、今回の決定は戦術的かつ市場主導のものだと説明し、同社の長期的なビットコイン戦略は変わらないことを強調。レバレッジの縮小と債務契約の削減により、同社は米国預託証券(ADR)買い戻しプログラム、優先株発行の可能性、ビットコインを活用した利回り創出戦略など、資本市場における選択肢を拡大していく予定だ。
バブル崩壊の余波
同社のADRは4日にさらに9%下落し、年初来では82%の下落となっている。このマイクロキャップ半導体企業は7月にビットコイン財務戦略に転換し、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏のストラテジー(Strategy)の成功を模倣しようとする他の企業の流れに加わった。
ビットコイン価格が最近大幅に下落したとはいえ、史上最高値からわずか20%低い水準にとどまっているにもかかわらず、ほぼ全ての企業の株価が暴落している。
保有ビットコインの評価額を大きく下回る時価総額で取引されている企業が増加する中で、同社もそうした企業のリストに名を連ねている。これにより、ビットコインの追加購入のための資金調達が困難、あるいは不可能になるだけでなく、経営陣が負債返済や株主への資金還元のためにビットコインを売却せざるを得なくなる可能性もある。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:シークアンス・コミュニケーションズの株価(TradingView)
|原文:Bitcoin Treasury Firm Bubble Comes Full Circle as Sequans Unloads BTC to Cut Debt


