- アナリストのジェフ・ケンドリック氏によると、ビットコインは10月6日の高値から約36%下落しており、急落となっているが、依然として想定の範囲内に収まっているという。
- ビットコインのデジタル資産トレジャリー企業経由の企業による追加購入の可能性は低い。企業価値評価の観点からもはや拡大が正当化されないためだ。
- ケンドリック氏はビットコインの年末見通しを大幅に引き下げ、50万ドルに達する時期をこれまでの2028年から2030年に先送りした。
スタンダード・チャータード(Standard Chartered)のデジタル資産担当グローバル責任者であるジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は、十分に見て結論を下した。
同氏は9日、「暗号資産の冬ではなく、ただの冷たい風(Not a crypto winter, just a cold breeze)」と題したメモの中で、「ビットコイン(BTC)の最近の値動きは、控えめに言っても厳しいものだった」と述べた。
ケンドリック氏が見方を転換させた要因のうち主なものは、ビットコインに特化したデジタル資産トレジャリー(財務)企業(DAT)の株価崩壊だ。同氏は、自身の強気シナリオの根拠の一つは、こうした企業による継続的な買いの波にあったと述べた。だが、こうした企業の株価は急落し、ほとんどではないにせよ多くの企業がバランスシート上のビットコインの評価額を下回る水準で取引されている。これにより、新規のビットコイン購入のための追加の資金調達を行う能力が著しく制限されている。
ケンドリック氏は、「我々は全面的な売りよりも保ち合い局面を想定するが、DATによる買いは相場のさらなる支えにはならないだろう」と述べた。
ケンドリック氏はさらに、今後のビットコインの強気シナリオを支える唯一の要因はETF(上場投資信託)による買いだと指摘した。そのため、ケンドリック氏はビットコインの2025年の年末時点の価格見通しを20万ドルから10万ドル(約1550万円、1ドル155円換算)に引き下げた。2026年については30万ドルから15万ドル、2027年については40万ドルから22万5000ドル、2028年については50万ドルから30万ドルにそれぞれ引き下げた。同氏は、50万ドルの目標達成は2030年まで待たなければならないだろうと述べた。
機関によるアクセスや投資委員会の意思決定には時間がかかる場合があるが、最終的には次の大きな需要の波をもたらす可能性があるとケンドリック氏は結論付けた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Standard Chartered Throws in the Towel on Bullish Bitcoin Forecast


