ドージコイン(DOGE)の価格推移と将来性は? 最新トピックも解説

2022年に入り、国内取引所が相次いで「ドージコイン(DOGE)」の取り扱いを開始した 。2021年までドージコインを取引するには海外取引所を利用する必要があったが、今後は国内取引所で取引できるようになる。
本記事ではドージコインの価格推移と将来性について解説したい。
ドージコインとは
ドージコインの概要
日本暗号資産取引業協会の「暗号資産概要説明書 」によると、ドージコインは2013年12月6日に発行された。時価総額は約87.06億ドル、日本円でおよそ1兆1,852億円だ。ブロック生成ごとに1万ドージコインが発行され、総発行数量は1,321.26億ドージコインに及ぶ(数値はいずれも2022年6月28日時点)。
ドージコインは当初「ジョークコイン」として開発されたものの、現在では主要な銘柄の1つとなっている。
ドージコインのメリット
ドージコインは決済処理が比較的早い。ビットコインはブロックの生成におよそ10分かかるところ、ドージコインは約1分で可能だ。
ドージコインのデメリット
ドージコインは発行数量に上限が定められていない。需要に対し供給が増えすぎる可能性があり、将来的に価格を下落させやすい。
ドージコインの価格推移
ドージコインの価格は2017年6月~2022年10月において以下のように推移した。2021年に大きく上昇し、その後は現在まで下落傾向にある。
【ドージコインのチャート(2017年6月3日~2022年10月13日)】

上のチャートでは2021年までの価格推移が確認しづらい。期間を分け解説する。
ビットコインバブルと低迷期(2017年6月~2019年末)
2017年6月ごろ、ドージコインはおよそ0.003ドルで推移していた。同年の後半、ビットコインバブルと呼ばれる上昇相場が到来し、さまざまな銘柄で価格が上昇した。ドージコインも年末にかけ、約0.009ドルまで値を上げた。
【ドージコインのチャート(2017年6月3日~12月31日)】

2018年に入っても値上がりは続き、およそ0.017ドルまで取引された。しかし1月に巨額の流出(ネム流出事件) が発生し、仮想通貨市場は全体的に急落する。ドージコインも大きく値を下げた。以降ドージコインは低迷期を迎え、2019年はおよそ0.002ドルで取引を終えた。
【ドージコインのチャート(2018年1月1日~2019年12月31日)】

対コロナ金融緩和で上昇(2020年)
2019年末、WHO中国事務所に武漢市で原因不明の肺炎が発生したと通知され、 新型コロナウイルスが初めて確認された。新型コロナウイルスは世界的に蔓延し、世界経済を大きく混乱させる。
主要各国は経済の停滞を防ぐため金融緩和に舵を切った。仮想通貨市場にも資金が流入し、ドージコインの価格を押し上げたとみられる。ドージコインは2020年に約0.002ドルからおよそ0.0046ドルまで上昇した。
【ドージコインのチャート(2020年1月1日~12月31日)】

マスク氏のツイートで急騰(2021年)
2021年、ドージコインは大相場を迎える。1月に海外の掲示板サイトでドージコインを共同購入する計画が浮上 し、2月頃から値を上げ始めた。
さらに4月には、電気自動車「テスラ」創業者のイーロン・マスク氏がドージコインについてSNSで発信 したことが材料視され、価格はさらに上昇する。ドージコインは、5月に前年末比のおよそ150倍 にもなる約0.69ドルまで高騰した。
【ドージコインのチャート(2021年1月1日~12月31日)】

その後は値を下げたものの、年末におけるドージコイン価格は前年末の約37倍 となるおよそ0.17ドルで踏みとどまった。
緩和終了で下落傾向(2022年~)
2022年に入ると、仮想通貨市場全体が下落相場を迎えることになる。コロナショック以降アメリカで行われていた金融緩和が2021年11月に縮小が決定 され、2022年3月には利上げも始まった 。株式といったリスク資産が下落し、ドージコインにも下落圧力が働いたと考えられる。
ドージコインは年始に約0.18ドルで取引されていたものの、5月に0.1ドルを割り込み、6月には0.05ドル台まで下落した。その後は概ね0.06~0.08ドルで推移している。
【ドージコインのチャート(2022年1月1日~10月13日)】

円換算では下落率がやや低い
なお、2022年は年初から円安傾向にある。そのため、日本円に換算するとやや下落率は低下する。
【ドージコインの下落率(2022年1月3日~10月13日】
- ドル建て:▲64.94%
- 円換算:▲55.25%
【ドージコインとドル円のチャート(2022年1月3日~10月13日)】

ドージコインの将来性は?今後の見通し
発行枚数に上限がなく需給が緩みやすい
ドージコインは発行枚数に上限が定められていない。一般に価格は供給が増えるほど下落するため、長期的にはマイナス要因だ。
“ジョーク”からの脱却を開始
2021年8月、休止していたドージコイン財団が活動を再開し、有用性を追求する旨を記した「ドージコイン・マニフェスト 」を公開した。さらに同年12月、開発計画に相当する「ドージコイン・トレイルマップ 」も明かしている。開発が市場の評価に結び付けば、価格の上昇に期待できる。
「ステーキング」の導入を目指す
ドージコインは現在、コンセンサスアルゴリズムに「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」を採用している。しかし「ドージコイン・トレイルマップ 」において、独自の「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」への移行を提案する計画があることを明かした。
「PoS」は一般に、「PoW」より電力消費が抑えられやすく、また規模の小さい個人も参加しやすいメリットがある 。移行に成功すればドージコインの価格を押し上げるかもしれない。
利上げは懸念点
アメリカが2022年3月に先んじて利上げし、他の多くの国も金利を引き上げた。世界的に進行したインフレへの対応策であり、インフレの終息が見えない限り利上げの終了も見通しづらい。
一般に金利の上昇は仮想通貨の価格を下落させやすい。想定より利上げが続く場合、ドージコイン価格を下落させる可能性がある。
ドージコインを買える国内の取引所一覧
日本暗号資産取引業協会によると、ドージコインは以下5つの取引所で取り扱いがある(2022年10月13日時点)。
まとめ
ドージコインは2022年から国内取引所でも取引できるようになった。当初はジョークコインとして開発されたが、現在では主要銘柄の地位を占める。またドージコイン財団の復活に伴い、今後は実用性の向上にも期待できるだろう。
(画像:Shutterstock)