イーサリアムは100万円を突破できるか 

(公開日:

イーサリアムが急騰している。2020年末の価格は740ドル程度だが、2021年8月末には約3,430ドルにまで上昇した。わずか8カ月で8万円が38万円に化けた計算だ(1ドル=110円換算)。

同じ上昇がもう一度起これば100万円を優に超える。将来の正確な予測はできないが、イーサリアム価格が100万円を超える可能性は決して低くない。本記事では、なぜイーサリアムに100万円の突破が期待できるのか明らかにしたい。

イーサリアムの価格推移

イーサリアムは2021年に入り大きく値を上げている。約700ドルから取引を始め、年初すぐに1,000ドル台へ到達。5月には史上最高値4,300ドル半ばまで上昇し、わずか5カ月で6倍以上に高騰した。

その後1,800ドルまで急落したが値を戻し、本記事執筆時点(2021年9月9日)では約3,500ドルで取引されている。

イーサリアム/米ドル
引用元:TradingView

イーサリアムとは

イーサリアムは暗号資産(仮想通貨)の一つ。正確には分散型アプリケーション(dApps)開発プラットフォームをイーサリアムといい、同プラットフォームで用いられる仮想の通貨を「イーサ」と呼ぶ。2013年にヴィタリック・ブリテン氏が考案し、2014年に販売された。

時価総額は2021年9月9日時点で45兆977億円。 暗号資産の中ではビットコイン(BTC)に次いで二番目に大きく、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産の総称)の中では最大だ。

イーサリアムの特徴

イーサリアムの優位性はおもに以下3点から説明できる。

  • スマートコントラクト機能
  • dApps(ダップス。分散型アプリケーション)開発機能
  • イーサリアム連合会によるバックアップ

それぞれ解説したい。

スマートコントラクト機能


ブロックチェーン上で契約を自動的に行う仕組みを指す。契約内容と実行条件をあらかじめプログラミングしておくことで取引の簡素化を図り、コストを削減できるメリットがある。

イーサリアムはスマートコントラクト機能を搭載している。取引履歴はブロックチェーンに記述されるため透明性の確保が可能だ。

dApps(分散型アプリ)の開発機能


上述した通り、イーサリアムそのものはアプリケーション開発プラットフォームを指す。スマートコントラクト機能を応用し、dApps(Decentralized Applications)と呼ばれる分散型アプリケーションの開発が可能だ。

dAppsは以下のような特徴を持つ。

  • ブロックチェーン技術を用いたオープンソース
  • 中央管理者が存在せず、ネットワーク参加者の合意ですべてが決定される
  • ネットワークの健全性に貢献した参加者にトークンを支払う

dAppsは当初、その多くがイーサリアムで開発されてきた。現在でもイーサリアムはdApps開発の主流で多くの開発者を引き付けている。

イーサリアム企業連合(EEA)によるバックアップ


イーサリアムの企業活動への最適化を目指し、共同で取り組む団体が「イーサリアム連合会(EEA:Enterprise Ethereum Alliance)」だ。JPモルガンやマイクロソフトなどの有力企業により、2017年2月に非営利団体としてニューヨークに設立された。日本からも野村総合研究所やNTTデータなどが参加している。

EEAはイーサリアムのロードマップと互換性を保ちながら、イーサリアムを企業取引に用いる際の課題研究や標準的な仕様づくりを行う。巨大資本が開発を進めている点がイーサリアムの強みだ。

イーサリアムの100万円突破が期待される理由

イーサリアムはすでに大きな上昇を果たしたが、100万円までにはまだ開きがある。なぜイーサリアム価格の100万円突破に期待できるのか、ここでは以下4点から解説を行う。

  • 「イーサリアム2.0」に向けたアップデート
  • イーサリアムを活用したICO
  • DeFi市場の成長
  • イーサリアムETFの承認

「イーサリアム2.0」に向けたアップデート


イーサリアムは大型アップデートを控えている。代表的なものが「コンセンサスアルゴリズム 」の方式変更だ。ネットワーク参加者が互いに取引の正確性について合意し、ブロックチェーン上から不正取引の排除を行う仕組みを指す。

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは現行の「PoW(Proof of Work)」から、よりネットワーク維持コストが低い「PoS(Proof of Stake)」への移行が進められている。2020年12月にはメインネットと異なる「ビーコンチェーン」において導入された。公式によると、2022年にはメインネットにおいてもPoSが導入される予定。

さらに取引の処理能力を向上させるアップデート「シャードチェーン 」も2021年中に実装される見込み。これらのアップデートはイーサリアムの価値向上に役立つだろう。

イーサリアムを活用したICO


イーサリアムは暗号資産の開発にも用いられる。イーサリアムで発行されるトークン規格「ERC20」が標準確立されており、一から行うより低コストで暗号資産の開発が可能なためだ。事実、「ICO(Initial Coin Offering。暗号資産を用いた資金調達)」の多くがイーサリアムを利用した暗号資産で行われている。

暗号資産市場の成熟につれICO件数は増える見込み。イーサリアムの需要も高まり、価格の押し上げが期待される。

DeFi市場の成長


イーサリアムはまた「DeFi(ディーファイ。decentralized finance)」と呼ばれる分散型金融アプリケーションの開発にも多く使われている。dAppsを応用し、銀行のような中央管理者を介さずに利用できる金融サービスを指す。仲介者を排することで時間的・経済的コストの削減が期待できる。

DeFiは比較的新しいサービスで、2017年に暗号資産取引所から始まった。現在ではレンディングや保険などさまざまな分野で活用されている。今後もDeFi市場の成長が続く場合、その開発に用いられるイーサリアムの需要も向上しよう。

イーサリアムETFの承認

2021年4月 、カナダでイーサリアムETF(上場投資信託)の上場が承認された。米国でも申請されているが、いまだ承認に至っていない(2021年9月9日現在)。

米国の証券取引所の規模は圧倒的だ。米国株式の時価総額は50兆ドルを超え 、世界全体の約4割を占める(カナダのトロント取引所は約3.3兆ドル)。仮にイーサリアムETFの上場が米国で承認された場合、これまでにない大きな資金流入がイーサリアム価格を押し上げるだろう。

多くの仮想通貨の取り扱いがある取引所

初心者でも利用しやすい国内の取引所で多くの仮想通貨を取り扱っている取引所を3つ紹介する。3つの取引所の比較表を下記にまとめた。

取引所/販売所取扱銘柄数手数料
Coincheck17種類取引所:無料
販売所:0.1〜5.0%
GMOコイン14種類取引所:
Maker:-0.01%
Taker:0.05%
販売所:無料
bitFlyer13種類取引所:0.01~0.15%
販売所:無料
※Makerは受取の手数料、Takerは支払の手数料

Coincheck(コインチェック)

取扱銘柄数17種類
取扱通貨ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
イーサリアムクラシック(ETC)
リスク(LSK)
ファクトム(FCT)
リップル(XRP)
ネム(XEM)
ライトコイン(LTC)
ビットコインキャッシュ(BCH)
モナコイン(MONA)
ステラルーメン(XLM)
クアンタム(QTUM)
ベーシックアテンショントークン(BAT)
アイオーエスティー(IOST)
エンジンコイン(ENJ)
オーエムジー(OMG)
パレットトークン(PLT)
取引所手数料無料
販売所手数料0.1〜5.0%

Coincheckは国内の取引所でも最も多い17種類の仮想通貨を取り扱っているのが特徴だ。マネックス証券で有名なマネックスグループの傘下でもある。一覧表で挙げた通貨に関してはほとんど取り扱っているが、ポルカドット(DOT)を含めた3つの通貨の取り扱いがないので、Coincheckの口座とCoincheckで取り扱っていない通貨の取り扱いがある取引所の口座を複数開設すると投資の選択肢を広げられる。

GMOコイン

取扱銘柄数14種類
取扱通貨ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
ビットコインキャッシュ(BCH)
ライトコイン(LTC)
リップル(XRP)
ネム(XEM)
ステラルーメン(XLM)
ベーシックアテンショントークン(BAT)
オーエムジー(OMG)
テゾス(XTZ)
クアンタム(QTUM)
エンジンコイン(ENJ)
ポルカドット(DOT)
コスモス(ATOM)
取引所手数料Maker:-0.01%
Taker:0.05%
販売所手数料無料

GMOコインは取扱通貨数ではCoincheckに劣る14種類であるが、取り扱いがないポルカドット(DOT)を含む3つの通貨を取り扱っていることが特徴だ。2つの口座を開設すれば、取引できる仮想通貨の種類は20種類となり、一覧表に掲載された通貨のすべてを取引できる。Coincheckと共に開設する口座の中で最も相性のいい組み合わせの一つといえるだろう。

bitFlyer(ビットフライヤー)

取扱銘柄数13種類
取扱通貨ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
イーサリアムクラシック(ETC)
ライトコイン(LTC)
ビットコインキャッシュ(BCH)
モナコイン(MONA)
リスク(LSK)
リップル(XRP)
ベーシックアテンショントークン(BAT)
ステラルーメン(XLM)
ネム(XEM)
テゾス(XTZ)
ポルカドット(DOT)
取引所手数料0.01~0.15%
販売所手数料無料

bitFlyerはCoincheckが取り扱っていないポルカドット(DOT)、テゾス(XTZ)を取り扱っているため、Coincheckとの組み合わせならGMOコインの次に相性がいい。bitFlyerの強みは流動性であり、利用者が多く流動性が高いことから取引が成立しやすい。頻繁に仮想通貨を取引するならbitFlyerの口座も開設しよう。

参考文献

Ethereum.org イーサリアムとは?
https://ethereum.org/ja/what-is-ethereum/

ビットフライヤー イーサリアム(Ethereum)とは?
https://bitflyer.com/ja-jp/ethereum

GMOコイン イーサリアム(ETH)の特徴
https://coin.z.com/jp/corp/information/eth/

コインチェック スマートコントラクトとは?仕組みやイーサリアム(ETH)との関係を解説!
https://coincheck.com/ja/article/215

ビットフライヤー dApps
https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/dapps

Enterprise Ethereum Alliance
https://entethalliance.org/

Ethereum.org ビーコンチェーン
https://ethereum.org/ja/eth2/beacon-chain/

Ethereum.org  Eth2とメインネットのドッキング
https://ethereum.org/ja/eth2/merge/

Ethereum.org シャードチェーン
https://ethereum.org/ja/eth2/shard-chains/

コインチェック イーサリアムとICOの関係とは?セットで語られる理由を徹底解説
https://coincheck.com/ja/article/422

NTT データ DeFi(分散型金融)とともに描く新しい金融サービス
https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2021/0831/

トロント証券取引所
https://www.tsx.com/listings/listing-with-us

(画像:Shutterstock)

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