FXの取引できる時間帯は?値動きが活発になる時間帯と取引の注意点

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この記事の監修者
中島翔 CWC株式会社 代表取締役
中島翔
CWC株式会社 代表取締役

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。証券アナリスト資格保有 。
Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12

FXの取引できる時間帯は

時期によって変動はあるものの、月曜日の午前6時頃から土曜日の午前7時までは24時間取引が可能だ。

為替市場の1日は月曜日のオセアニアタイムからスタートする。最初はニュージーランドのウェリントン市場からオープンし、すぐにオーストラリアのシドニー市場に移りつつ、日本時間の9時から東京タイムが開始する。

東京タイムの特徴

東京タイムは9時頃からからスタートし、16時頃にクローズする。(明確に定められているわけではなく大体の時間を指している)

東京タイムの間は日本円の取引が多くなる時間帯であり、豪ドルやオフショア人民元などのアジア通貨がメインで売買されるようになる。

同じ時間帯の中国やオーストラリアよりも東京市場の取引が多い。

また、9時30分から9時55分の仲値までと12時頃までは値動きが大きく変化しやすい。その後、15時頃までは比較的落ち着いた相場になることが多い。

日銀政策会合などがあった場合は東京タイムの午後も値幅が出ることも多いが、ほかにイレギュラーがなければトレンドが出ないため、比較的大きな値動きにならないことが多い。

そして日本時間の16時頃からロンドンタイムに移行してくる。

16時頃からロンドンタイムに移行

ロンドンタイムは欧州の通貨であるユーロがメインとなり、イギリスポンドも取引高が増加する。この時間帯からユーロ/ドルやポンド/ドルの値動きが大きくなりやすい。

ただし、ユーロ/ドルは取引量が世界一であるため、流動性が低い通貨ペアと比較するとそれほど大きな値動きにはなりにくい。

21時頃からニューヨークタイムに移行する

日本時間の21時頃から取引量がもっとも多くなるニューヨークタイムに移行する。

特別どの通貨が動きやすいというのはなく、米ドルを中心にどの通貨も動きやすいのが特徴だ。

ニューヨークタイムは米ドルがどちらの方向に動くかがポイントになるので、米ドルの方向性を予測して、米ドルに対して一番強い通貨か弱い通貨をチャートから選択して取引をおこなうと、利益を出しやすい。

取引できない時間帯

FXの取引できる時間帯は金曜日のニューヨークタイムが終了する土曜日の午前6時または7時頃までとなっている。

そして、土曜日と日曜日は取引所が休みとなっており、月曜日の朝7時頃から取引を再開するFX会社が多い。中には朝5時頃から取引可能なFX会社もある。

相場が活発に動く時間帯

相場が動きやすい時間帯を「東京タイム」「ロンドンタイム」「ニューヨークタイム」に分けて見ていこう。

東京タイム

東京タイムの9時30分から9時55分までの時間帯は、日本企業が外貨決済の資金調達のために銀行に注文を出し、トレーダーがその注文を捌く時間帯だ。そのため、取引量が急増する時間帯になる。

ロンドンタイム

ロンドンタイムの16時30分頃からヨーロッパの投資家が動き始めるため取引量が増加する。

またロンドンタイム終盤であり、ニューヨークタイムのスタートでもある日本時間の21時過ぎは、ロンドンのフローとニューヨークのフローが重なる時間帯のため取引量が大きく増加する。

ニューヨークタイム

基本的にニューヨークタイムは終日取引量が多く、どの通貨が動いてもおかしくない時間帯だ。

メインの通貨ペアであるユーロ/ドルやドル/円なども活発に売買されており、米ドルを中心にトレンドが出やすい時間帯となっている。

時間帯ごとの取引のポイント

FXを取引するうえで時間帯別の取引ポイントをいくつか解説する。取引をする際にぜひとも覚えておいてほしい。

仲値

東京タイムの9時30分から9時55分の仲値は前述した通り、取引量が増加する時間帯である。

特徴としてはチャートではなく実需のオーダーをさばいている時間帯のため、チャート関係なく一方向に動くことがある。

たとえば、大きな金額で米ドルを購入したい商社がいた場合、銀行のトレーダーは商社に提供するための米ドルを相場が急な変動が生じないようにゆっくりと9時55分に向けて買っていく。

そういった流れが見られる場合、他のトレーダーも米ドル買いをするためチャートに関係なく上昇することがある。

これが米ドル以外の通貨の場合は流動性が低下することから、さらに値幅が出ることがある。

注意点として、大きく値幅が出る通貨は騙しというものがチャート上で多く発生することがあり、チャート上でサポートラインやレジスタンスラインを突破したかのように見える。

しかし結局は騙しの一つだったという場合が多い。とくに仲値までの時間はこの騙しが発生しやすいことも覚えておこう。

オセアニアタイム

オセアニアタイムのオープンである日本時間の朝6時頃は取引量が活発ではないことからスプレッドが広い状態が続いている。

またオセアニア市場で値動きが大きくなっても、その動きが継続することが少ないため、無闇にスプレッドが広い中でのトレードは控えるようにしよう。

また、週明け月曜日の朝のタイミングでは窓空けスタートをすることも多々あり、この窓空けを利用したトレード戦略もあるので、気になる人はチェックしてみてほしい。

窓空けとは

チャート上で出現するローソク足とローソク足の間に空間が発生すること。
通常FXはほぼ24時間取引可能なため窓開けは発生しにくいが、土日はマーケットが動いていないため、金曜日のニューヨーククローズから月曜日のオセアニアオープンの間で発生する。

東京タイムからロンドンタイム

東京タイムからロンドンタイムに変わっていく日本時間の15時~16時頃からはこれまでの値動きから一転することが多々ある。
東京タイムでは円安方向で推移していたにもかかわらず、急にロンドンタイムから円高方向に推移することがあり、急な反転には注意しないといけない時間帯だろう。

リスク管理の面からも、15時に近い場合は無理にエントリーをせずに、ロンドンタイムのトレンドを確認してからエントリーするなど工夫が必要となる。

ロンドンタイムとニューヨークタイム

ロンドンタイムとニューヨークタイムが重なる時間帯は取引量がもっとも多くなる時間帯で、トレンドも急に出やすいのが特徴だ。

これはロンドンの投資家のフローとニューヨークの投資家たちのフローが重なる時間帯のため、取引量が増加することが理由としてあげられる。

しかし取引量が増加してトレンドが出ていたとしても、ニューヨークタイムで公表される経済指標の影響を受けて逆方向に推移し始めることもある。

取引量の増加にともなうトレンド発生は抑えつつも、経済指標でどのようなデータが公表されるかをしっかりとチェックするようにしよう。

時間帯における外国為替市場の値動きの特徴は色々あります。このような時間帯における変動の特徴を捉えておくということはとても大切でしょう。

しかし、相場の癖は100%そのような動きを保証するというものではありません。

常にその時々のマーケットで重要なニュースや材料の方が値動きの要因になりやすいため、時間帯における通貨の値動きの特徴を理解しながらも、ニュースや材料がどのように影響を及ぼすのかということを予想して取引することが大切です。

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