押し目買いとは?エントリーのタイミングや失敗しやすいポイントを解説

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FXにはさまざまな取引手法が存在するが、その中でも押し目買いは相場の上昇相場で利益を狙う基本として押さえておきたい方法だ。

ただし、エントリーする目安や注意点がわからないままに取引をしていまうと、逆に損失を生んでしまうことも少なくない。

この記事では、これからFXを始める人や基本知識を押さえたいトレーダーに向けて、押し目買いのタイミングを見極める方法や失敗しやすい例を解説していく。

押し目買いとは

押し目買いとは上昇トレンドが発生している中の一時的な下落タイミングを狙う手法であり、トレンドに沿ったエントリーをおこなうことから「順張り」に分類される。

ちなみにチャートの逆行を狙うため、逆張りと混同してしまいそうだが、逆張りは相場全体のトレンドに逆らう方法になる。

また、強い上昇に乗ることができれば大きな値幅が期待できる上に、きちんとトレンドを把握していれば損失リスクも抑えられるだろう。

押し目買いのタイミングの見極め方

ここからは、押し目買いのタイミングを見極めるために役立つ方法を見ていこう

  • テクニック指数を利用してトレンドを理解する
  • ボリンジャーバンドでエントリーするタイミングの見極め方
  • 移動平均線を使ったエントリーの見極め方

テクニカル指標を利用する

テクニカル指標とは、FXチャートに表示させて為替の値動きを予測するツールだ。

実際のところ分析する上では必要不可欠となるため、名前は聞いたことがあるという人も多いのではないだろうか。

ただ分析するだけではなく、数十種類の中から効果的な指標を選定することが重要だ。

押し目買いのタイミングを計るのに適している「ボリンジャーバンド」と「移動平均線」について見ていこう。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは移動平均線(ミッドバンド)を中心として、上下に1〜2本のσ(シグマ)ラインを表示させた指標である。

トレンド相場においてはバンドの幅が拡大(エクスパンション)し、価格が揉み合い始めると全体が縮小(スクイーズ)する特徴を持つ。

一見すると不規則な形にも見えてしまうが、ボリンジャーバンドは統計学に基づいて作成されており、各σラインにチャートが収まる確率は以下の通りだ。

  • 内側のσライン(±1σ)…約68%
  • 外側のσライン(±2σ)…約95.4%

この特性を活かすことで、バンドにチャートがタッチしたタイミングを狙った押し目買いができるだろう。

また、より大きな値幅を獲得するにはスクイーズからの強烈なエクスパンションを見計らって、じっくりと観察しながらエントリーすることをおすすめする。

移動平均線

移動平均線は一定期間の終値と平均値を繋ぎ合わせた一本のラインであり、FXのメジャーなテクニカル指標といえるだろう。

押し目買いにおいては上昇トレンド発生時にチャートが移動平均線付近まで下落したタイミングを狙うのがおすすめだ。

また、単純にラインが上下どちらに向いているかでトレンドが判断できるだけでなく、5日や15日といった短期と200日などの長期移動平均線を組み合わせて、短期が下から上に抜けたら買い、逆なら売りという売買シグナルにも活用できる。

シンプルかつ有用性の高いツールであるため、押し目買いに限定せずあらゆる局面での利用方法を習得してほしい。

押し目買いが失敗しやすい例

押し目買いが失敗しやすい例は数多く存在するが、中でも次の3つをピックアップして解説していく。

押し目買いが失敗しやすい例
  • 短期の時間足しか見ていない
  • 焦ってエントリーする
  • 明確な利確ポイントを設定していない

短期の時間足しか見ていない

FXのローソク足には1分や5分といった短期足もあれば、週〜月などの長期足も存在するが、結論として短期足しか見ていない場合は、押し目買いに失敗する可能性が高いだろう。

なぜなら、FXチャートは長期足が細かい短期足の値動きを内包した多重構造(フラクタル)を形成しているからだ。

たとえば、15分足では上昇トレンドを形成していても4時間〜日足まで相場を引いて見ると大きな下落トレンドを描いていることがある。

そういったケースで買い注文を入れてしまえば、長期足の下落トレンドに巻き込まれた際に大きな損失を抱えてしまう可能性も十分にあり得る。

そのため、押し目買いをおこなう際は必ず長期と短期の両方をチェックするようにして、小さな値動きだけでなく大きなトレンドを把握する必要がある。

焦ってエントリーする

先ほど触れたテクニカル指標やトレンドラインを用いた手法は、押し目買いにおいて効果的であるが、それだけを過信すると、エントリーを失敗してしまう可能も十分に考えられる。

たとえば、ボリンジャーバンドの-2σにタッチした瞬間、あるいは直前に焦って注文したとする。

その場合、ポジションを持った後にσラインを突き抜けて下落トレンドが発生する可能性も十分に考えられるのである。

したがって、たとえ予想通りのシグナルが発生しても、一旦落ち着いて値動きを観察し、きちんと上昇トレンドを継続するかどうかを見極めるようにしてほしい。

明確な利確ポイントを設定していない

効果的なエントリーができた場合、明確な利確ポイントもきちんと設定するようにしてほしい。

利益重視でポジションを保有し続けていると、上昇トレンドが終了した際にせっかくの利益が損失に転換してしまう可能性があるからだ。

そのため、分析する段階から一時的な下落とあわせて「どの程度まで上昇するか」というポイントも想定し、利確できる体制を整えておくのがおすすめである。

ただし、あまりに消極的過ぎては本来獲得できたはずの利益を喪失してしまうリスクもあるため、上昇トレンドの寿命が判断できるように相場経験を積んでいってほしい。

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(画像:Shutterstock)

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