FXとは何か?初心者にもわかりやすく解説

円や米ドル、ポンドやユーロといった各国の通貨は世界中で取引されており、株式と同様、需要と供給によって常に相場が変動している。そこで、異なる通貨を売買して値動きによる差益を得るのがFXだ。FXとは、Foreign Exchangeの略で、日本語では外国為替証拠金取引を指す。

FX取引は、より専門的には「証拠金にレバレッジを掛けて、為替取引を行う」と言えるが、どういうことか以下で説明する。

FX(外国為替証拠金取引)とは?

FXを理解するにあたって「為替取引」と「レバレッジ」がキーワードとなる。

「為替取引」とは?

「為替取引」とは、通貨の交換により利益を狙う取引のことだ。

為替取引は、「ドル/円」、「ユーロ/ドル」、「ポンド/円」のように、世界の通貨を「ペア」にして、その値動きを予測し取引する。例えば、ある時点で1ドル=100円の相場だとする。この時に、1米ドルを購入し、その後、相場が1ドル=110円に上がったタイミングで1米ドルを110円に交換する取引を行うと、10円の利益を得ることができる。

上記の例で、1米ドルでなく1万通貨分(つまり1万米ドル)を買っていれば、その後ドル円の価格が10円上昇し、1ドル=110円になった時点での利益は「10円の上昇×1万通貨分=10万円」となる。

逆に、相場が1円下落して1ドル=99円になれば、「1円の下落×1万通貨分=1万円」の損失が発生することになるので、注意が必要だ。

このように、為替取引では異なるタイミングで通貨を売買し、その利ざやとなる「為替差益」を得ることができる。

FXの「レバレッジ」とは?──FXと為替取引の違いを説明

この為替取引の際に、FXではさらに、自身の投資資金である「証拠金」に対して「レバレッジ」をかけて取引できるのが特徴だ。これはFXにおける最大のメリットで、「レバレッジ」によって、実際に手元で投入した資金が少額であっても、大きな額の取引を行うことができる仕組みとなっている。

たとえば通常の為替取引において、ドル円の相場が1ドル=100円の時点で1万米ドルを購入したかったとする。この場合、手元に投資資金として「100円×1万通貨=100万円」が必要となる。これでは、一般的な投資家には手が出しにくい。

そこで、本来であれば100万円が必要になるところ、「レバレッジ」という仕組みを活用すれば元手が少額であっても、希望通り100万円分の取引が許されるのである。

具体的には、投資資金が10万円しかない場合でも、10倍のレバレッジを設定することで、100万円分の取引ができる(100万円÷10万円=10倍)。

国内のFX会社が提供できるレバレッジは、金融庁の定めにより25倍までと決められている。上記の例で最大レバレッジ25倍を利用した場合、100万円分の取引をするとしたら、100万円÷25倍=4万円となるので、自己資金は4万円で取引が可能となる。

このようにFXでは、レバレッジをかけることによって、投資資金の少ない者でも手軽に取引を始めることができる。そもそも「レバレッジ」とは直訳すると「てこ」という意味だ。てこの原理で、小さな力を加えただけなのに大きな作用が生まれるのと同様、手元の小さな資金で大きな金額の取引が可能になる仕組みとなっている。

なおFX取引において取引単位を「ロット(Lot)」で表す場合がある。1ロットは概ね1万通貨のことを指し、例えば米ドルの1ロットは1万米ドルとなる。ただし、FX会社や通貨ペアによって1ロットの数量が異なる場合がある。事前の確認が望ましいだろう。

FX会社は各社で最低取引数量を決めており、その数量未満の取引はできない。以前は1万通貨を最低取引数量とする会社が多かったが、近年1,000通貨の取引ができる会社が増えている。中には1通貨からの取引を提供しているFX会社もある。初心者は、まずは小口の取引から始めてみるのがおすすめだ。

FXが人気な理由──メリット4つと注意すべきポイント

FXには、少ない資金で取引を始めることができる点以外に、4つのメリットがある。

・24時間取引可能
・下降相場でも利益を得られる
・基本的に、取引手数料が無料
・スワップポイントを得られる

ここでは上記のメリットと、注意すべきポイントを解説する。

メリット① 24時間ネットがあればどこでも取引できる

FXは、土日と正月(1月1日)以外、24時間取引を行うことができる。これは、為替レートが平日なら24時間動いており、またFX会社もほぼ24時間サービスを提供しているからだ。

これが株式取引だと、基本的にその国の取引所が開いているタイミング(平日の日中)でなければ取引ができない。しかし、FXなら、例えば「ドル円」「ユーロ円」「トルコリラ円」など、どの通貨ペアであっても平日24時間取引が可能だ。

また、昨今はFX取引に特化したスマホアプリの開発が進んでいるため、ネットさえ繋がれば自宅でも旅行先でもどこでも平日24時間、取引することができる。日中は仕事で相場が見られない方や子育てに忙しい方も、FXならば空いた時間を活用して取り組める。そのため比較的自由度の高い副業として選択する会社員も少なくない。

FXの主な市場は4つあり、オーストラリア(オセアニア)、東京(アジア)、ロンドン(ヨーロッパ)、ニューヨーク(アメリカ)である。

まずは日本時間月曜の明け方にオーストラリアの市場が開き、時間差で東京市場が開く。東京市場が閉まるころにロンドン市場、ロンドン市場が閉まるころにニューヨーク市場が開き、そしてまたニューヨーク市場が閉まるころにはオーストラリア市場が開く。こうして取引市場は数珠つなぎのように連なり、土曜日を迎えるまで値動きは止まらない。

取引するなら、流動性が高く活発な値動きの時間帯を狙いたい。最も値動きのある時間帯は、ロンドン市場からニューヨーク市場の、日本時間16時から25時頃まで。逆に流動性が低くあまり値動きがない時間帯はオーストラリア市場の、日本時間午前4時から10時頃までだ。特に明け方は「スプレッド」という取引コストがかさみやすいので、注意しよう。「スプレッド」については後述する。

メリット② 「売り」から取引することで、下落時でも利益を得られる

また価格が下落する下降相場でも利益を生むことができる。株式投資でいうところの「空売り」に似ている。この場合、価格が下落する前に「売り」を仕掛け、下落したら買い戻す。

まずは「売り」から入る取引がどのような場合に有効か説明しよう。例えば、1ドル=108円の局面で「今後ドル円は100円まで円高になる」と考えたとする。このような「通貨の価値が下がるだろう」と予想した場合に「売り」から取引を開始することが有効だ。予想通り、1ドル=108円の局面で売りを行い、1ドル=100円のタイミングで買いを行うことができれば、結果的に「100円で買い、108円で売り」となるため、為替差益8円の利益を得ることになる。

この理屈で、1ドル=100円の時点で1万ドル分の売りを仕掛け、価格が1円下落して1ドル=99円になれば、1万円の利益となる。逆に1円上昇して1ドル=101円になれば1万円の損失となる。

なお、前述の通り、株式の信用取引でも「売り」から取引を開始する「空売り」という手法が可能だが、「空売り」の際は株式を借り入れる必要があるため、「貸株料」という利息なようなものを支払うことになる。

一方、FXは「デリバティブ取引」という金融派生商品の取引であるため、通貨を借り入れたり利息のようなものを支払う必要がない。そのため、株式の空売りにあたって行われる信用取引よりも経費が少ない傾向にある。

メリット③ 手数料は基本0円。ただしスプレッドに留意

多くのFX会社において、FXの取引手数料は0円である。ただし、FX会社が提示するドル円などの為替レートには「売りレート」と「買いレート」とがあり、この2つのレートの間には「スプレッド」という差が生じて、これがFXトレーダーの負担する取引コストとなる。

例えば「スプレッド」が2銭(0.02円)の場合、ドル円の「買いレート」が110円だとすると、「売りレート」は109.98円になる。この「スプレッド」の存在により、「売りレート」は「買いレート」よりも、必ず低い数値になる。つまり、注文成立から決済までに、為替レートが一切動かなかったとしても、トレーダーは必ず「スプレッド」分の損失を被ることとなる。そのため、「スプレッド」がFXにおける実質的な手数料と言えるだろう。

スプレッドはFX会社ごとに異なる。スプレッドが安いFX会社を選ぶのが1つのポイントだ。多くのFX会社はスプレッドをHPで公開しているので、事前に比較し、できるだけスプレッドが安いFX会社を選択するのが望ましい。

ただし、スプレッドは相場の状況によって拡大することもあるので、注意が必要だ。多くのFX会社はスプレッドを“原則”固定としているが、完全に固定しているわけではない場合が多い。スプレッドが拡大したタイミングで決済をしてしまうと、実質的に大きな手数料を支払うこととなるからだ。

例えば、普段は「スプレッド0.2銭」であるのに、相場の状況により突如「スプレッド20銭」に拡大したとする。このタイミングで決済をしてしまうと、1万通貨の取引の場合、スプレッドによる損失は2000円になってしまう。

メリット④ スワップポイントが得られる

FXでは、為替の動き以外からも、スワップポイント(金利差調整分)と呼ばれる利益を出すことができる。

「スワップポイント」とは、通貨ペアで相対的に金利が高い国の通貨を買い、金利が低い国の通貨を売り、「建玉」を保有し続けることで、毎日得ることができる利益だ。「建玉」とは、新規注文が成立後に、反対売買による決済を行っていない状態の注文のことを指す。

例えば、「ドル円」の通貨ペアの場合を考える。2020年10月現在、「米国」のほうが「日本国」よりも政策金利は高い。そのため、「ドル円」の買い建玉を保有して、「円を売ってドルを買う」ことを維持することで、スワップポイントをもらうことができる。

なお、逆に「ドル円」の売り建玉を保有して、「円を買ってドルを売る」ことを維持してしまうと、スワップポイントの支払いが生じ、損失となってしまうので注意が必要だ。

スワップポイントは固定ではなく日々変動している。同じ通貨でもFX会社によってスワップポイントの水準は異なり、また同じFX会社でもスワップポイントは固定されておらず、日々変動する。

FX会社はスワップポイントの実績を公開している場合がある。将来の数値を約束するものではないが、一度確認してみると良いだろう。

FXの注意点──リスクや税金

FXには注意したい独自の取引ルールがあり、「ロスカット」や「追加証拠金」について解説する。またFX取引のリスクの1つである「スリッページ」や、得られた利益にかかる「税金」に関しても主に確定申告について解説する。

ロスカット

ロスカットとは、保有ポジションの損失が膨らんだ際に、それ以上損失が広がらないようFX会社がポジションを強制的に決済してしまう処置だ。

ロスカットは「証拠金維持率」で判断されるのが一般的だ。「自己資金÷保有ポジションに必要な証拠金×100」で計算される数値で、自己資金からは保有ポジションの評価損失が差し引かれる。自己資金と証拠金の額が同じ状態で100%となり、評価損が増えると減少していく。

ロスカットされる証拠金維持率の基準はFX会社によって異なる。証拠金維持率が100%を下回った時点でロスカットされる場合や、50%や20%まではロスカットされないFX会社もある。ロスカットされる証拠金維持率が小さいほどロスカットが遅く、いざロスカットされた時のダメージが大きい。

例として、自己資金10万円で1万米ドルの買いポジションを建てるとする。1米ドル=100円なら、証拠金は4万円必要だ(レバレッジ25倍)。自己資金10万円に対し、必要証拠金は4万円なので、6万円の余裕がある。証拠金維持率は250%だ。

ポジションは1万米ドルの買いなので、1米ドルあたり6円の値下がり、つまり1米ドル=94円で自己資金が証拠金を割り込み始める。1米ドル=94円のとき、証拠金維持率が100%になる。

米ドル/円  レート評価損失自己資金 (評価額)証拠金維持率
1米ドル= 100円010万円250%
1米ドル=95円▲5万円5万円125%
1米ドル=94円▲6万円4万円100%
1米ドル=93円▲7万円3万円75%
1米ドル=92円▲8万円2万円50%
1米ドル=91円▲9万円1万円25%
1米ドル=90円▲1万円00%

ロスカット基準が証拠金維持率100%なら1米ドル=94円でロスカットされる。損失は6万円で、自己資金は4万円残る。ロスカット基準が証拠金維持率50%なら1米ドル=92円でロスカットされる。損失は8万円で、自己資金は2万円残る。

いずれも損失であることに違いはないが、ロスカットが早い方が損失は小さくなる。初心者は証拠金維持率100%でロスカットされるFX会社の方がおすすめだ。

証拠金維持率100%でロスカットされるFX会社で取引する場合、自己資金の全額でポジションを建てないよう注意が必要だ。自己資金の全額でポジションを建てると、その時点で証拠金維持率が100%になってしまう。わずかな損失でもロスカットが発動してしまうので、ある程度余裕を持ってポジション建てた方がよいだろう。

追加証拠金、追証(おいしょう)

自己資金が証拠金維持率100%を下回るほど減少した場合、「追加証拠金(追証)」が求められる。追加証拠金とは、証拠金維持率が100%を上回るように差し入れる追加の資金だ。

例えば、1米ドル=100円で1万米ドルの買いポジションを建てる場合、必要な証拠金は4万円だ。自己資金が4万円を下回るたびに追証を差し入れる。1米ドル=93円では証拠金維持率が75%まで減少するが、1万円追加すれば証拠金維持率は100%を回復する。

 評価損失自己資金 (評価額)証拠金維持率
①1米ドル=93円まで下落する▲7万円3万円75%
②追証を1万円差し入れる▲7万円3万円+1万円 =4万円100%
1米ドル=100円で1万米ドルの買いポジション
必要証拠金:4万円(レバレッジ25倍) 自己資金:10万円
追証で証拠金維持率が回復する仕組み

追証は、証拠金維持率100%でロスカットされるFX会社の場合は原則関係がない。ロスカットの基準が証拠金維持率の100%未満に設定されている場合、注意が必要だ。

追証を差し入れる以外に、保有ポジションを決済する方法でも証拠金維持率は回復する。全部決済する以外に、一部の決済も可能だ。追証は思惑が外れた結果起こる。追証を差し入れて延命する以外に、ポジションを決済してしまう選択肢も持っておくべきだろう。

スリッページ

FX取引では、注文した価格と違う価格で取引が成立する場合があり、これを「スリッページ」という。注文入力時のシステム上のタイムラグが主な原因で、有利にも不利にもなり得る。

FX各社は取引システムを整備し、約定スピードの向上を図っているが、小数点以下の単位で取引される為替レートの変動は目まぐるしく、スリッページを完全に排除するのは難しい。

なお、FX会社によってはスリッページの許容幅を設定することができる。許容幅を超えるスリッページが起きた場合、取引が成立しないようにする処置だ。許容スリッページ設定が用意されている場合は利用してもよいだろう。ただし、あまりにシビアに設定すると約定する確率も下がる点には注意したい。

確定申告

FX取引で得た利益は「雑所得(先物取引に係る雑所得等)」として課税される。給与所得者の場合、以下のような場合で確定申告が必要になるので注意が必要だ。

FXの利益を確定申告する必要がある場合
①FXの利益が20万円を超えている
②なんらかの理由で確定申告する

給与所得者は基本的に確定申告が不要だが、FXの利益が20万円を超えている場合は確定申告が必要だ。

注意したいのは、「20万円以下までは申告不要だが、非課税ではない」という点だ。住宅ローン控除の手続きなど、なんらかの理由で確定申告を行う場合、FXで得た利益はたとえ20万円以下でも併せて申告する義務がある。

FXの利益は「申告分離課税」で、他の所得とは別に固定の税率で計算される。税率は一律で20.315%で、他の所得のように「累進課税」とはなっていない。

FX取引の税率20.315%の内、5%は住民税で、後日に納付する。納付方法は給与からの天引きか、納付書などを用い自分で納付するかどちらかを選択する。納付方法は申告書「第二表」で指定できる。

給与からの天引きで納付する場合、念のため会社には事前に伝えておいた方がよいだろう。給与に対し住民税の額が上昇するため、給与以外の収入を悟られる可能性が高い。就業規則に副業を禁止する規程があれば、不要なトラブルを招きかねない。

FX取引の手法──投資期間別に3つのスタイル

FX取引の手法はさまざまだが、投資期間別に「スキャルピング」「デイトレード」「スウィング」の3つに大きく分かれる。それぞれに厳密な定義はないが、大まかに解説する。

FX取引手法① スキャルピング

「スキャルピング」は最も短期的な取引を行うスタイルだ。数秒から数分でポジションを決済する。小さな利益を日に何度も稼ぐことが主な戦略だ。小さな値幅で取引するので、比較的高いレバレッジを効かせやすいスタイルでもあるだろう。

スキャルピングは1回あたりの利益幅が小さい。したがってスプレッドやスリッページはほとんど許容できない。スキャルピングする場合、FX会社はよりシビアに選択すべきだろう。

FX取引手法② デイトレード

「デイトレード」は1日で取引を終了させるスタイルだ。新規ポジションを1日の内に決済させてしまう。「スキャルピング」ほどではないが、比較的短期の取引といえよう。

なお、スワップポイントは日をまたがないと反映されないため、デイトレードではスワップポイントを受け取ることができない。

FX取引手法③ スウィング

「スウィング」はポジションを数日~数週間で決済する取引スタイルだ。日をまたぐポジションを保有するためスワップポイントを受け取ることができるが、夜間など市場を見ていない間に大きな値動きが起こる可能性がある。

スキャルピングやデイトレードより取引回数は減る。1回の取引あたりの値幅も大きく取れるので、さまざまな戦略を取れるだろう。

各取引スタイルは一長一短があり、どれが優れているとは一概には言えない。スウィング以上に長いスパンで取引する方もいるだろう。取引スタイルに捉われず、シチュエーションごとに使い分けられるのが望ましい。

FX取引の注文方法──基本的な9の注文方法と2つの自動売買

FX取引ではさまざまな注文方法が用意されている。FX会社ごとに利用できる注文方法は異なるが、本章では基本的な9つを紹介する。また自動で売買を行う「システムトレード」についても触れる。

①成行(なりゆき)注文

「成行注文」は、取引のレートを指定せずに注文を出す方法だ。注文を出したタイミングのレートで取引が成立する。

レートを指定しないので、注文は基本的に成立する。取引価格より注文の成立を優先させたい場合に取る注文方法だ。

②指値(さしね)注文

「指値注文」は取引のレートを指定する注文方法だ。指定するレートを「指値」という。

指値注文では、指値か指値より有利なレートで取引を成立させる。例えば“米ドル=105円で買い”の指値注文を入れた場合、105円以下のレートで取引が成立する。105円でも成立するし、104.99円でも成立する。105円を超えるレートでは成立しない。

取引が成立するレートを指定できるので、利益や損失をコントロールしやすいメリットがある。注文が成立しない(または注文数量の一部だけ成立する)可能性とスリッページには注意したい。

③ドテン注文

「ドテン注文」は、保有ポジションの決済と同時に、反対の新規注文を入れる注文方法だ。

例えば現在買いポジションを保有している際に「今後は下落しそうだ」という意図があるとする。ここでドテン注文を入れると、買いポジションの決済と同時に売りポジションを新たに建てられる。

それぞれ個別に注文を出してもよいが、ドテン注文のように複数の注文がセットになった注文だと手間を1つ減らせる。スキャルピングなど、取引回数が多いスタイルの方におすすめの注文方法だ。

④ストリーミング注文(2WAY注文)

「ストリーミング注文」は「成行注文」と「指値注文」両方の要素を持つ注文方法だ。FX会社はすぐに取引が成立するレートをリアルタイムで掲示し続け、ユーザーは気に入ったレートが表示されたタイミングで注文を出す。このとき、表示されたレートを「指値注文」として出している。

注文自体は「指値注文」なので、注文数量のすべてが成立しない可能性はある。また許容スリッページ設定によっては注文が成立しない場合もある。ストリーミング注文は「成行注文」のリアルタイム性と「指値注文」の価格コントロールを兼ね備えた注文方法だ。

⑤逆指値注文

一般的な指値注文の場合は、指定するレートより不利な価格では取引を成立させない。不利な注文とは、買い注文なら指値より高いレート、売り注文なら指値より安いレートだ。これをあえて成立させるのが「逆指値注文」だ。

逆指値注文は「モメンタム取引」で活用できる。モメンタムとは「勢い」のことで、「価格は一定期間同じ方向に進む」という考えが前提になっている。例えば「現在は105円だが、108円を超えたらさらに上昇するだろう」という意図がある場合、“108円を超えたら買い”という注文が逆指値では可能だ。

また「ストップロス(損切り)」の注文も、逆指値を入れておけば事前に設定できる。105円で買いポジションを建て「100円を下回る場合は損切りしたい」という意図がある場合、“100円で決済(売り)”の注文ができる。

⑥トレール注文

「トレール注文」は「逆指値注文」を派生させた注文方法だ。逆指値注文に「トレール幅」を設定し、現在のレートに合わせて指値を変動させる。トレンドに合わせて利益を追うことが可能だ。

例えば現在買いポジションを持っており、「上昇トレンドが終了したら売りたい」という意図があるとする。「上昇トレンドの終了=高値からの50銭下落」とすれば、「トレール幅」を50銭と指定し、逆指値で売りを入れる。50銭以上下落することなくレートが上昇を続ければ、逆指値も自動的に引き上がる。トレンドの終了を確認しなくても高値近辺での決済が可能だ。

⑦OCO(オーシーオー)注文

「OCO注文」は「One Cancels the Other」の略で、内容の異なる2つの注文を同時に出し、片方が成立したら残りを自動的にキャンセルする注文方法だ。

「OCO注文」なら保有ポジションの「利益確定」と「損切り」の決済を同時に出せる。例えば105円の買いポジションを保有している場合、“110円で利益確定の売り(指値注文)”と“100円で損切りの売り(逆指値注文)”と出しておき、片方が成立すれば残りは自動的にキャンセルされる。

⑧IFD(イフダン)注文

「IFD注文」は「If Done」の略で、新規注文とそのポジションの決済の注文を同時に出しておく注文だ。新規注文が成立して初めて決済分の注文が出される。例えば「105円で買えたら110円で売りたい」という意図がある場合に便利だ。

「IFD注文」なら決済分の注文を新規注文と同時に出せるので、相場を監視しておく必要がない。

⑨IFO(イフダン、オーシーオー)注文

「IFD注文」と「OCO注文」を組み合わせたのが「IFO注文」だ。新規注文が成立した後の決済注文を同時に出すまでは「IFD注文」と同じだが、その決済注文を「OCO注文」にできる。

例えば「105円で買えたら110円で利益確定したい。ただし、100円を下回るようなら損切りしたい」という意図がある場合に「IFO注文」は有効だ。

2つの自動売買 「リピート系」と「システムトレード」

自分の任意に取引を行う取引を「裁量取引」というが、事前に設定した条件で自動的に売買を繰り返す「自動取引」を提供しているFX会社もある。

自動取引には大きく2つある。これまで紹介した基本的な注文方法を繰り返す「リピート系」と、より複雑な条件で売買を繰り返す「システムトレード」だ。

システムトレードは、自分で売買条件を設定する「構築系」と、すでにいくつか用意された売買条件プログラムを選択する「選択系」に分かれる。自分で構築する場合はプログラミングの知識が求められるが、選択系なら知識がなくても簡単に始められる。

FXを始めるには?

FXを始めるには、FX会社に口座を開設する必要がある。なお、FX口座は複数のFX会社に開設しても全く問題なく、基本的に無料で行える。

FX各社によって情報提供や取引ツール、スプレッドや最低取引数量など様々な差別化がなされており、どれか1つのFX会社を選ぶのではなく、複数のFX会社に口座を開設して、実際にサービスを利用してみるのが手っ取り早いだろう。

そのようにして、FX初心者はFXの勉強と同時並行で、複数の口座を使いながら自分にあったFX会社を見つけていくのがおすすめだ。


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