FXとはなにか?利益や損失が出る仕組みをわかりやすく解説

これからFXを始めようと考えている人、FXを始めたもののいまいちよくわからない人に向けて、FXとはそもそもどういう仕組みなのか、どのように利益が出るのか・リスクや注意すべきことを解説。
FXを始めるにおいて知っておくべく用語や口座開設の方法についても説明しているので、実際の取引を始める前に、ぜひとも基本的な知識を理解してほしい。
FXとは何か?その仕組みを簡単に解説
FXとはForeign Exchangeの略称であり、日本語で外国為替証拠金取引を指している。 資金を証拠金=担保としてFX会社に預け、それを元に2ヵ国の通貨を交換して取引をおこなう。
このように証拠金を元に取引をするため、いきなりドルを売って円を買うこともできる。
また、レバレッジという元本以上の金額で運用できる仕組みを利用することで、他の投資商品よりも少ない資金で大きな取引量のトレードが可能である。 こういった背景から、市場では資金効率の良い手法の一つとして認知されている。
逆にこの性質を利用して取引量を抑えられることで、発生し得る損失を限定してリスクヘッジできるため、そういった戦略的自由度の高さも魅力の一つといえるだろう。
24時間取引が可能
FXは土日を除き、日本時間の月曜日の朝7時から土曜日の朝6時まで、ほぼ24時間祝日関係なく取引が可能だ。
外国為替市場は日本時間の朝方にオセアニア地域から市場がスタートし、シドニー市場、東京市場、ヨーロッパのロンドン市場、そして最後にNY市場と移行していく。 それぞれの市場で為替のプレイヤーが取引を行なっており、ロンドン時間に日本円を売り買いすることもあれば、オセアニア時間にドルを売り買いしていることもある。
そのため、為替市場は一日のうち、ほとんどの時間取引が可能となっている。
また、通貨は採用している国(ドルであれば米国など)が日中である時間帯は値動きも活発になることから、時間帯によって臨機応変に取引通貨を切り替えられることも大きな利点の一つである。 ちなみに○○市場というのはその時間帯に取引量が多い場所を表している。そのため、各市場の取引時間は明確に決まっているわけではない。
基本的な取引手数料が無料
FXにおいては取引時に売りと買いのレートに差を設けており、(この差をスプレッドと呼ばれている)このレートの差が実質的な手数料となる。
このスプレッド以外で手数料に当たるものを徴収するFX会社はほとんど存在しない。このスプレッドも注文画面で常に可視化されているため、シンプルなコスト計算が可能である。
ただし、一定期間以上取引をしない場合は口座維持手数料がかかるFX会社もある。
FXではどのように利益や損失が出るのか
FXで資産を運用するには利益や損失がでる仕組みをしっかり押さえておこう。
どのようにして利益や損失がでるのか今一つ理解しきれてないという方は、ここで解説する為替差損益やスワップポイントについてしっかり押さえてほしい。
- 為替差損益
- スワップポイント
為替差損益
為替差損益(かわせさそんえき)とは、異なる通貨同士の価格変動によって生まれる利益、あるいは損失のこと。
たとえば1ドルを100円で買った場合、社会情勢や経済政策などの影響でレートが円高方向の90円に下落した場合は10円の為替差損(かわせさそん)が発生、逆に円安の110円に上昇した場合は為替差益(為替差益)に転じる。
FXは実際に通貨を保有しているわけではないため、トレーダーの注文に基づいてFX会社が「通貨を持っている」と仮定して取引し、為替差損益で生じた分だけを実資金に反映させる「差金決済」という仕組みを採用している。
そのため、初めから通貨を売ったと仮定する通称「空売り」という注文も可能だ。
スワップポイント
FX特有のスワップポイントとは、二ヵ国間の通貨にそれぞれ定められた金利の差額を調整するための仕組み。
たとえば、低金利の円を売って高金利のトルコリラいや南アフリカランドといった新興国通貨を購入すると、保有している通貨量に応じてスワップポイントという名目の金利が毎日付与される。
一方、逆のケースではFX会社から差額分が徴収されることになるため、長期保有する場合は事前にどの程度の金利差が発生するかを確認しておこう。
- トルコリラ
- メキシコペソ
- 南アフリカランド
FXで大きな特徴のレバレッジとは?
レバレッジとは証拠金として預けている金額の何倍もの金額をトレードすることができる仕組み。 外貨預金のような現物売買の場合、10万円の日本円を保有しているとすると、10万円分の外貨を購入することしかできない。
しかし、FXの場合は最大25倍(国内FX会社の場合)までレバレッジをかけることができる。
レバレッジのメリットと注意点
レバレッジは証拠金以上の取引ができるため、資金効率が良いという点がメリットしてあげられる。
たとえば証拠金10万円を保有している場合、最大25倍のレバレッジをかけることで250万円分のポジションを持つことができる。
- 1ドル:100円のタイミングで1,000ドル(10万円)を購入
- 1ドル:101円に上昇→1000円の利益
- 1ドル:99円に下落→1000円の損失
このようにリスクとリターンを最小限に抑えた取引となる。
- 1ドル:100円のタイミングで25,000ドル(250万円)を購入
- 1ドル:101円に上昇→25,000円の利益
- 1ドル:99円に下落→25,000円の損失
レバレッジをかければ得られる利益が大きくなるが、同じだけリスクも拡大する点は注意が必要だ。
レバレッジから見た証拠金の計算方法
リスクコントロールのために、レバレッジに対してどの程度の証拠金が必要になるかを把握しておこう。
- 取引通貨量÷レバレッジ×為替レート=必要証拠金
たとえば1ドル100円と仮定し、レバレッジを5倍にして1,000ドル(10万円)購入する場合に必要な証拠金は 1,000ドル÷5×100=20,000円となる。
FXを始める際に知っておきたい用語
FXの取引が難しそうと感じる理由の一つに専門用語が多いことがあげられるが、実際のところ利用頻度の高いものは限られている。
これからFXを始める方は、ここで解説する最低限必要な5つを押さえておけばスムーズに取り組むことができるだろう。
スプレッド
- 買値と売値の価格差
- 実質的な手数料といえる
たとえば1円のスプレッドが設定されている場合、買い注文(売り注文)を入れてすぐのタイミングはスプレッドが1円のマイナスからスタートすることになるため、1円以上上昇しなければ利益を出すことができない。
スプレッドはFX会社によって設定幅が異なるため、とくに短期で何度も取引を繰り返す場合は可能な限り狭いところを選ぶとよいだろう。
lot
- FXでの通貨の取引量を表す
- 1lot=1,000通貨、1lot=1万通貨というふうにFX会社ごとに1lotの単位は異なる。
業界全体で頻繁に利用される用語であり、取引ツールの仕様によっては通貨量ではなくこちらの表記になっていることもあるため、覚えておくとよいだろう。
BID-ASK
- BID(ビッド)=売値
- ASK(アスク)=買値
チャートや注文画面に価格とあわせて表示されることが多くなっている。この差額が先ほど解説したスプレッドとなるので、スプレッドと合わせて覚えておこう。
ロング ショート
- ロング=買い注文
- ショート=売り注文
FX以外の投資商品で先物取引や投資信託などでも広く用いられているため、今後投資商品のジャンルを広げる際は参考にしてほしい。
失敗を防ぐ・リスクを回避するために大事なこと
FXで資産を安全に運用していくためのリスクヘッジや失敗を未然に防ぐ対策が重要となる。
- メンタルコントロール
- ルールの遵守
- 他人の情報を信じすぎない
- 損切りの徹底
共通項は「自分自身の性格を理解して自分自身を律する心を持つこと」が大切であるといえる。
メンタルコントロール
FFXの取引を通じてパフォーマンスを一定に保つためにはメンタルコントロールが大切なポイントである。
とくに注意したいのは、何度も利益が出たことによって「もっと資産を増やしたい」という欲が強くなってしまい、無駄なトレードが増加し、損失が大きくなってしまうことだろう。
また、ポジションや取引量が無意識のうちに増えてしまうことや、損失を補うために生活費や借金に手をだしてしまうケースも注意したい。
資金の変動に振り回されないように、自身を俯瞰して見ることができる冷静なメンタルを維持することが大切である。
ルールの遵守
資金を減らしてしまう原因として、分析をせずに根拠のないトレードをしてしまうことがあげられる。資金を守るためには自身でルールを策定し、それに沿って堅実にトレードをする必要がある。
たとえば、経済指標発表の2時間前はトレード禁止、チャートに一定のサインや値動きがない場合は様子を見るなども効果的であり、自身のスタイルにマッチしたルールを作ればより効果は上がるだろう。
他人の情報を信じすぎない
TwitterやYouTube、掲示板などでは相場の予想やトレード記録が公開されていることもあり、さまざまな情報収集の方法が存在する。
もちろん情報を集めることは大切だ。しかし、それらが100%勝てる保証はどこにもなく、トレードで負けたとしても責任を取ってもらえることは基本的にない。
FXを始めとする投資はあくまでも自己責任で取り組むものであり、有効な情報かどうかを自身の目と思考で見極める習慣を身につけるようにして欲しい。
損切りの徹底
FX始めたばかりの人が陥りやすい失敗の一つとして損切りを渋ってしまうことがあげられる。この壁を乗り越えなければ資産を運用していくことは難しいだろう。
実際、経験者ほどこまめに損切りしており、予想に反して含み損が増えた際もしっかりと損切りを行い、損失を限定しているのである。
そのため、「大きく勝つために小さく負ける」ことを自身に言い聞かせてトレードをするのがパフォーマンス向上のポイントといえるだろう。
エントリーの分散化
現在の価格が最大のチャンスと考えて、資金力のギリギリで取引量をすることは避けるようにしてほしい。
エントリー後に逆行した場合、一点集中のポジションでは早い段階で損切りラインに到達するだけでなく、損切りを見送って資金を失ってしまうことがあるからである。
そのため、エントリーの際は様子を見ながら少しずつ取引量を調整していくことをおすすめする。
FXを始める流れ
実際にFXを始める流れについて見ていこう。
口座開設
基本的に銀行窓口での手続きは不要であり、各FX会社の公式サイトにアクセスして必要情報を入力していく。
- 住所や生年月日など
- 職業や勤務先情報
- 出金先口座情報
- これまでの投資経験(審査に影響するものではありません)
- 現状の大まかな貯蓄額
- 取引約款や諸規定の重要事項の同意
以上のような項目を入力するだけで、およそ10分程度で手続きは完結する。
本人確認
必要事項を入力した後は、以下の書類を準備して本人確認を済ませよう。
顔写真あり | 顔写真なし(以下2種類) |
---|---|
運転免許証 | 健康保険証 |
パスポート | 住民票の写し |
在留カード | 印鑑登録証明書 |
住基カード | – |
これらに加えて、マイナンバーカード、通知カード、住民票の写し(マイナンバー記載)のいずれかでマイナンバーも提出や、FX会社によっては顔写真つき本人確認書類とあわせて自身の顔を撮影して送付するパターンもある。詳細は各FX会社の申込ページで確認しておこう。
身分証の住所、氏名などが相違している場合は書類が不承認となってしまうため、情報が一致しているかどうかを事前に確認しておくとよいだろう。
入金
口座開設後、FX口座に資金を入金すれば取引をスタートできる。 方法は主に以下の2通りであり、手数料が発生しないことの多いインターネットバンキングがおすすめである。
入金方法 | 手数料 | 口座反映時間 | 対応銀行機関 |
---|---|---|---|
インターネットバンキング (クイック入金、ダイレクト入金など) | 無料 | 原則即時 | FX会社によって利用できない銀行もあり |
ATM、銀行窓口振込 | 振込手数料あり | 数時間程度 (15時以降は翌営業日になる可能性あり) | 銀行機関の制限なし |
これらはあくまで代表的な例となるため、詳細はFX会社の案内をよく確認してほしい。
FXの取引方法
FXでは相場状況に応じてさまざまな取引方法に切り替えることができるが、初心者はその種類の豊富さと仕組みの難解さから効果的に利用できないケースも多くなっている。
したがって、ここで解説するFXの代表的な取引方法を参考にすれば有利にトレードを進めることができるだろう。
成行注文
FXにおいてもっとも基本的な取引方法であり、表示されているレートで売買を成立させることが可能である。
価格が上下に大きく変動する通称「乱高下」の局面や、相場動向を見ながらスピーディーに取引したいときにおすすめの取引方法。価格の指定などはできない。
- リアルタイムの市場のレートで購入することができる
- 注文したタイミングで相場が急変しても注文が必ず通る
- 意図しない価格で成立することがある
指値注文
指値注文はあらかじめ価格を指定し、その価格に達したら取引が成立するトレード方法だ。
- 指定した価格で売買をすることが可能
- 相場が注文した水準に達しないと注文が成立しない
たとえば、ドル円のレートが100円と仮定して「99円になったら買い」あるいは「101円になったら売り」というふうに注文をいれる。相場の反転を狙う際に有効に利用できるだろう。
逆指値注文
逆指値注文は基本的には指値注文の逆と捉えてもらえるとわかりやすいだろう。
具体的にはドル円のレートが100円の際「99円になったら売り」または「101円になったら買い」というふうに注文をいれる。強い流れに追随する(トレンドフォロー)ための取引として効果を発揮する方法である。
- 損失確定のために決めた水準で注文可能
- 注文を出した水準で成立しない可能性がある
応用の注文
上記の基本的な注文方法以外にも応用の注文方法が存在する。 これらの注文方法を状況に応じて使い分けることで、より効率的にリスク管理を行いやすくなるだろう。
- IFD
:新規注文と決済注文を同時に入れる注文方法 - OCO
:利益確定の注文と損失確定の注文を同時に入れておき、片方が成立したらもう一方は自動キャンセルされる注文方法 - IFO
:新規の指値注文とOCO注文を同時に出す注文方法 - トレーリング
:損切りのラインを自動的に引き上げていく注文方法
FXで取引できる通貨
FXで取引できる通貨はFX会社によって取り扱いが異なるが、国内のFX会社でも多くの通貨を取り扱っている。最初は主要な通貨ペアから取引を始めることをおすすめする。
日本人に馴染みがあるのはドル/円(USD/JPY)や豪ドル/円(AUD/JPY)などだが、世界で一番取引されていて流動性があるのはユーロ/ドル(EURUSD)であるため、このあたりが取引しやすい通貨ペアといえるだろう。
初心者におすすめの通貨ペア
- ドル/円(USDJPY)
- ユーロ/ドル(EURUSD)
通貨の価値は各国のさまざまな要因で変動している。
資源価格に連動する通貨
通貨はその国のファンダメンタルズ(経済活動状況による基礎的要件)が反映され価値が変動する。
とくに資源を保有している国々は、各国の輸出量が多い資源の価格がその国の通貨の変動に直接的に影響する。
豪ドル(AUD)
オーストラリアの豪ドルは資源国通貨でも代表的な通貨の一つである。
オーストラリアは鉄鉱石や石炭、ポーキサイトなどさまざまな資源を保有しており、資源価格が上昇すると、豪ドルも上昇しやすくなる。
ニュージーランドドル(NZD)
ニュージーランドの通貨であるニュージーランドドル(NZD)はオーストラリアと同様に資源価格に連動すると言われている通貨の一つである。
オーストラリアと異なる点は、鉄鉱石や石炭・原油などの資源は保有しておらず、乳製品の資源を保有しているため、乳製品の価格に連動する通貨として知られている。
カナダドル(CAD)
カナダの通貨であるカナダドル(CAD)は原油に連動しやすい通貨として知られている。これはカナダで原油の埋蔵量が多いためである。
原油価格が急騰する場合はカナダドルが上昇しやすい。 カナダでは他にも天然ガス、石炭、ウランも生産されており、原油だけではなく、資源価格全体に影響を受けやすい通貨の一つとなっている。
カナダの貿易量はアメリカが多いことからアメリカ経済との結びつきが強いため、資源とアメリカの動向の二つがカナダドルが価格変動要因となっている。
メキシコペソ(MXN)
メキシコの通貨であるメキシコペソ(MXN)は原油に連動しやすい資源国通貨として知られている。
メキシコでは原油の生産量がトップ10に入っており、国家が成長するために原油は大切な国を支える資源の一つとなっている。
また、メキシコでは銀の埋蔵量も豊富にあり、昔は世界の生産量の半分を占めている時代もあったと言われている。銅、亜鉛、金の生産もしており、世界でも屈指の資源国だ。
ノルウェークローネ(NOK)
ノルウェーの通貨であるノルウェークローネ(NOK)は原油価格に連動しやすい通貨となっている。
ノルウェーでは石油の他にも天然ガスを生産しており両者でGDPの約10%超を占めており、輸出金額の40%以上を占めている重要な国の資源となっている。
ノルウェークローネは流動性が上記の通貨よりも低いため、通貨が急変動することがあるため注意すべきポイントと言えるだろう。
中国経済に連動する通貨
中国経済に連動しやすい通貨としてオーストラリアドルがあげられる。
オーストラリアドル(AUD)
資源に連動しやすい通貨で紹介したオーストラリアドルは中国経済に連動しやすい通貨となっている。
この理由はオーストラリア最大の輸出国が中国であり、中国に対して資源を輸出していることから、中国経済が後退期に入ると資源の需要も減退することになる。
そして貿易量全体が減少してしまうことから、オーストラリアドルも下落しやすいという動きが見られる。
新興国・高金利通貨
最後にトルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨の特徴を解説する。
トルコリラ(TRY)
トルコリラは日本人にも親しみのある高金利、新興国通貨として知られている。
政策金利が比較的に高いことから中長期的なスワップポイントで保有する日本人投資家が多い通貨となっているが、トルコリラは長期的な下落基調を辿っている。
またトルコでは政情不安や地政学リスクが勃発しやすい国であるため、急な変動に注意すべき通貨といえる。
その地域が抱える政治的、軍事的な緊張の高まりで紛争のようなイベントが起こりうる可能性があるリスク
南アフリカランド(ZAR)
南アフリカランドも高金利通貨として昔からFXトレーダーには親しまれてきた通貨の一つだ。南アフリカランドは流動性が低く、トルコリラと同様に政情不安があることから大きな変動が起きやすいため注意が必要である。
また、プラチナの採掘が多く資源国通貨という側面も持っている。そのため高金利通貨で資源価格に連動しやすい通貨という特徴を持っているのが南アフリカランドとなっている。
FXに関するQ&A
最後にFXを始めるにあたり、よくある質問をいくつかピックアップしたのでこちらも参考にしてほしい。
資金はいくらくらいから始められる?
FXの必要資金はFX会社によって設定されている最低取引数量が異なる。
単純な最低金額だけでいえば4円程度からでも始めることが可能だ。(1通貨単位で取引できるFX会社の場合)
大きくリスクを取らずに取引をするためには、5万~10万円程度を準備しておけば有効な資産運用ができるだろう。
FXの税金はかかる?
FXで年間20万円以上、被扶養者は年間38万円以上の利益が出た場合には、雑所得に区分されて20.315%の税金が課される。
- 所得税15%
- 住民税5%
- 復興特別所得税0.315%
これは国内FXの基準であり、海外FXの場合は累進課税方式で所得に応じて税率が上がっていく。
利益が出た場合は確定申告の必要性はあるのか
基本的にはFX会社による確定申告の代行サービスは提供されていないため、利益が出た場合は確定申告が必要となる。
一方、利益が出ていなくても損失を申告すれば、翌年から3年間に限り繰越控除が可能であり、パソコンなどの経費を申告すれば後々発生する利益から控除することができる。
FXの危険性やリスクは?
FXは利益率の高さと同時に、運用次第で損失が拡大してしまう可能性も考慮しなければならない。適切な手法を実施しなかったために投入資金の大半を失ってしまうこともある。
初心者が損失を被りやすい例として「レバレッジを最大の25倍でトレードする」ということや、「証拠金を全額利用してリスクを顧みずに取引する」といった例があげられる。 これらは取引の際にまず押さえておくべき危険性でもあり、取引量を抑えるなど注意しながらトレードをするクセをつけてほしい。
借金を背負うことはある?
利益を意識してさらに投入資金を増やし、損切りを渋って拡大した含み損を補填するために「自発的に」借金をしてしまうケースは存在する。
また、最低限必要な生活資金までも資金投入してしまう事例も存在していることから、生活に支障がでない余剰資金での運用を徹底することが大切である。
ただし、大前提として適切な損切りや取引ルールを遵守していれば借金を背負うことは基本的にないといえるだろう。
FXと株式投資の違い
FXと株式投資は需給のバランスによってレートが変動する点は共通しているが、FXは各国の通貨同士の為替の変動を利用して取引を行う。そのため、その国の金融政策や資源価格、経済状況など、多岐に渡る材料が影響を及ぼす。
また、FXを行う投資家は世界の機関投資家やトレーダー、実際に貿易の決済のために外貨を必要する企業など色々なプレイヤーが参入しており、取引額も兆単位という大きな金額が日々取引されている。
一方、株式投資は企業の株価の変動を利用して取引を行う。
株価の変動要因は、その企業の潜在的な成長見込みや決算などの数字から判断され株価は変動するが、その国全体の経済動向や企業に関連した国々の政治や経済状況に影響を受ける場合もある。
株式市場ではたくさんの銘柄があるが、それぞれ別々で取引されているため、外国為替市場ほど取引高は多くない。そのためFXと比較してもマーケット参加者は限定的となっている。
FXと仮想通貨の違い
仮想通貨はデジタル通貨と呼ばれインターネット上で作成された通貨を保存するためのものである。 FXのように実際に紙幣やコインがあるわけではなく、ブロックチェーンという技術を利用してデータの真正性をお互いに管理している。
仮想通貨は過去の所有者まで追跡できるという特徴がある。 法定通貨の場合は紙幣を受け渡しした場合、当然誰から誰に渡ったのか過去まではわからないが、仮想通貨はデータとして過去のやり取りなどのログがすべて残る。
これが情報を過去まで遡ることができる理由だ。
また、FXはFX会社と取引を行う「取引所取引」に対し、仮想通貨は「相対取引」というユーザー間同士が注文を出して取引を行う場合と、「販売所取引」という取引相手が仮想通貨取引所となり相対取引を行う取引方法の2種類がある。
最後にFXと仮想通貨の違いは「ボラティリティ(価格の値幅)」である。 仮想通貨はFXと比較しても大きな値動きをともなう投資商品であるため、初心者にはリスク管理を行うことは難しいという点は理解しておいてほしい。