【FX】豪ドル(AUD)の解説──主要通貨ペアや値動き要因も

豪ドル(AUD) 基本情報

特徴世界での取引量は第5位の通貨。オーストラリアは石炭や鉄鉱石などの資源の輸出が多く、
資源国通貨としての側面が強い。2008年の政策金利が7%以上あり高金利であったが、
2020年には政策金利1%を切っており高金利通貨という魅力は薄れてしまっている。
使用国オーストラリア
通貨記号A$
供給量2兆4,123億豪ドル※2020年10月
政策金利0.10% ※2020年11月
10年国債金利0.99% ※2020年12月17日
物価上昇率+0.7%(2020年予想)
GDP成長率▲4.2%(2020年予想)
中央銀行RBA(Reserve Bank of Australia)
中央銀行総裁フィリップ・ロウ
公式サイトURLhttps://www.rba.gov.au/
公式Twitterhttps://twitter.com/rbainfo

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定期的なイベント

豪ドルの価格に影響を与える発表は下記の3つだ。

  • 雇用統計
  • キャッシュレート
  • GDP

雇用統計:毎月中旬頃に発表

雇用統計はオーストラリア統計局から毎月の中旬頃に発表される。2020年11月の雇用統計は2020年12月17日に発表された。

オーストラリアの雇用統計において注目するべき点は失業率だ。失業率の上昇は経済の悪化が懸念されるため売り材料として判断される。

失業率の上昇が予想よりも高ければ金利の上昇などを懸念し、売りが先行しやすくなるが、予想よりも低い場合は好感され買い材料になりやすい。

また、雇用統計の発表前後は値動きが激しくなることが予想されるので、安全に取引したい場合は取引を控えるべきだろう。

キャッシュレート月初に発表

オーストラリアのキャッシュレート(政策金利)は毎年1月をのぞいて月初めに中央銀行のRBAから発表される。2020年11月の政策金利は3日に発表され、0.10%まで引き下げられた。

RBAのフィリップ・ロウ総裁はインフレ目標を持続的に達成するまで、2020年から今後3年間、政策金利を引き上げないと発言している。そのため、再び高金利通貨としてスワップポイントによる長期投資を期待するのは難しいだろう。

また、インフレ目標を達成するために金融緩和を取らない場合はゼロ金利になる可能性もある。

一般的に政策金利は引き下げられれば値下がりしやすくなり、引き上げられれば値上がりしやすくなる。金利が引き上げられればスワップポイントが付与されやすくなり、長期的な金利収入を得やすくなるからだ。

GDP四半期ごとに発表

GDPはオーストラリア統計局から発表され、毎月ではなく四半期(3ヶ月)ごとの発表となる。12月2日に2020年の第3四半期のGDPが発表された。

GDPを発表したことでFXに影響を与えるのは速報値であることが多い。特に、前期比、前年比が注目されやすく、前期比、前年比がマイナスである場合は豪ドルの売り材料となりやすい。

一方で、プラスとなった場合は豪ドルの買い材料になる可能性がある。

また、2020年は新型コロナウイルスの影響によるGDPの減少は避けられないので、前年比よりも前期比がプラスになることによる経済回復に対して期待が集まりやすいといえるだろう。

豪ドルの通貨ペア

豪ドルの通貨ペアは主に7種類ある。

  • 豪ドル/日本円(AUD/JPY)
  • 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
  • ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)
  • 英ンド/豪ドル(GBP/AUD)
  • 豪ドル/NZドル(AUD/NZD)
  • 豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)
  • 豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)

豪ドル/日本円(AUD/JPY)

豪ドルは世界で5番目に取引量が多い通貨で、日本円は世界で3番目に取引量が多い通貨だ。2019年のシェア率は豪ドルが3.4%、日本円が8.4%となっている。

豪ドルは先進国の中でも高金利通貨であった。他の高金利通貨であるトルコリラ、メキシコペソと比較すると投資先として安定しているのでFXの長期投資先として知られていた。

しかし、2020年11月には米国の政策金利の0.25%を切り、0.10%まで金利が下がってしまったので先進国と比較してもスワップポイントのメリットがなくなってしまった。

豪ドル/円で取引するならインカムゲインを狙うよりも変動率の高さを活かしてキャピタルゲインを狙う方がメリットは大きいだろう。

また、豪ドルと円は米ドルとのクロス円取引によって購入できるので、ストレート通貨ではない。そのため、米ドルの動きに影響を受けやすい。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)

豪ドルと米ドルは世界で4番目に取引量が多い通貨ペアであり、世界でもメジャーな通貨ペアだ。

取引量の多い通貨ペアではあるが、豪ドルまたは米ドルの買い材料または売り材料が発生した場合は大きな値動きを見せることがある。
しかし、トレンドに沿った動きを見せやすく、トレンドが長期間継続しやすい特徴もあるので、長期投資向けの通貨ペアといえるだろう。

ストレート通貨であるため豪ドルと米ドル以外の要因を受けにくい。デイトレードは難しいが、長期でトレンドに沿った投資をするならある程度FXに慣れていれば難しくはないはずだ。

ユーロ/豪ドル(EUR/AUD)

ユーロと豪ドルは世界で2番目に取引量が多い通貨と5番目に取引量が多い通貨の組み合わせだ。

ユーロの値動きを読むためにはユーロ圏の経済指標の確認はもちろん、米ドルとの関係にも気をつける必要がある。
ユーロの買い材料は米ドルの売り材料であり、米ドルの買い材料はユーロの売り材料となる。米ドルとユーロは基本的に逆方向の動きをすることが多い。

また、ユーロを使用するEUは財政基盤の弱い国を内包しており、「ギリシャ債務危機 」は財政基盤の弱い国の問題が明らかになったことでユーロは暴落した。
基本的にはフランス・ドイツの経済指標とオーストラリアの経済指標をもとにユーロ/豪ドルは取引をおこなうが、財政基盤の弱い国を内包しているリスクがあることも理解しておこう。

英ポンド/豪ドル(GBP/AUD)

英ポンドと豪ドルは世界で4番目に取引量が多い通貨と5番目に取引量が多い通貨の組み合わせだが、シェア率は英ポンドが6.4%なので2倍近い差がある。

価格変動は非常に大きく、デイトレード向けの通貨ペアだ。スワップポイント投資による長期投資が難しくなったのであれば、豪ドルでデイトレードをするのも選択肢となるだろう。

豪ドル/NZドル(AUD/NZD)

豪ドルとNZドルは同じオセアニア通貨同士の通貨ペアだ。どちらの通貨も貿易依存度が高く、資源国通貨として知られているが、豪ドルは石炭や鉄鉱石、NZドルは酪農製品の輸出がメインであるため影響するコモディティが異なる。

多少の違いはあるが、豪ドルとNZドルの連動性は他の通貨ペアと比較しても高い。そのため、狭いレンジの中で上げ下げを繰り返すような相場が多く、上や下に突き抜けることが少ない。
このような動きをする通貨ペアは、売買基準を明確に定めて自動取引をおこなうシストレでの取引がしやすいといえる。

豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)

豪ドルとカナダドルはマイナーな通貨ペアではあるが、NZドルと同様にレンジになりやすい相場を形成しやすいのが特徴だ。

カナダドルは地理的な関係から米ドルとの連動制が高い通貨として知られているが、石油や鉱物といった資源が豊富であるため資源国通貨としての側面もある。

資源国通貨であることと経済状況から豪ドルとカナダドルには共通点が多いのでレンジ相場になりやすい。こちらもシストレ向きの通貨ペアだ。

豪ドル/スイスフラン(AUD/CHF)

スイスフランは2015年の「スイスショック」による暴落事例はあるものの日本円のように有事の際に購入されやすい安全といわれる通貨だ。
また、政策金利が11月時点で-1.25%であるため、高金利通貨とのスワップポイント投資では金利の差が発生しやすい

豪ドル/スイスフランは非常にマイナーな通貨ペアであるため取り扱っているFX会社が少ないので、取引できるFX会社を探す必要があるだろう。

豪ドル価格を予想する上で押さえるべき論点

中国経済の影響を受けやすい

オーストラリアの輸出の3分の1は中国であり、留学生、観光客ともに中国人の割合は多いので中国への依存度が高い。
そのため、中国の経済指標が悪化すると豪ドルの売り材料になる可能性が高くなる。豪ドルを取引するならオーストラリアの経済指標だけでなく中国の経済指標も確認しよう。

また、豪ドルが中国の影響を受けやすい理由には中国の人民元、株式の流動性が低く、豪ドルが中国資産の代替になっていることもある。
つまり、中国資産の代わりに豪ドルに投資をしている投資家もいるので、中国に問題があるなら豪ドルが売却されることになる。

オーストラリア政府の政策

オーストラリア政府の政策によってさらなる経済の成長が見込めるのなら豪ドルの買い材料になるだろう。2019年に続投が決まったモリソン政権の政策は大きく分けて3つある。

  • 所得税減税
  • 中小企業向け減税
  • インフラ投資

特に企業向けの政策の進展が注目されやすく、即時減価償却額の上限を2.5万豪ドルから3万豪ドルへ引き上げ、年間売上高5,000万豪ドル未満の中小企業の法人税を27.5%から2021年度に25%へ引き下げる予定だ。

資源価格の下落

オーストラリアは資源大国で鉄鉱石や石炭などの資源の輸出がメインで、全輸出の5割を占めている。そのため、鉱石などの資源価格の下落はオーストラリア経済に悪影響を与えると考えて売りが先行しやすくなる。

また、干ばつや洪水のような災害が起こると、農作物などに被害が発生し資源が減少する恐れがある。
異常気象が多発すれば安定した資源を確保できなくなり、輸出に影響が発生する可能性があるので、自然災害による資源へ影響も豪ドルの売り材料になるだろう。

人口増加による将来性

オーストラリアは今後も人口の増加が見込める国だ。国連の予想では2015年から2050年までに人口が約1.4倍になる見通しを立てている。

オーストラリアの人口は2020年時点で2,572万4千人 だ。人口増加の理由は移民政策であり、インドや中国を中心に技術を持っている人を積極的に受け入れているので、技術の向上も期待できるだろう。

人口が増えれば増えるほど消費が増えるので、小売売上高が増加しやすい。よって長期的な経済の成長が期待できる。
ただし、長期的な豪ドルの価格の上昇は期待できても短期や中期ではどのように推移するかは分からない。

長期投資を前提に投資をする場合でもFXにはロスカットが存在する。短期的な価格の下落で証拠金率が一定の割合まで減少してしまった場合は自動的に決済がおこなわれてしまう。長期投資であっても資金管理を考える必要があるだろう。

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