【FX】スイスフラン(CHF)特徴:今後の見通し・予想の為に

(公開日:

スイスフラン(CHF) 基本情報

特徴永世中立国スイスの法定通貨。積極的な為替介入を行う
使用国スイス連邦と一部の国・地域
通貨記号FrまたはCHF
開始日1850年
中央銀行スイス国立銀行(SNB)
中央銀行総裁トーマス・ジョルダン
供給量7,285.05億スイスフラン(マネタリーベース) ※2020年11月
政策金利▲0.75 % ※2019年6月~
10年国債金利▲0..503 % ※2020年12月24日
物価上昇率▲0.8% ※2020年予測 
GDP成長率▲5.3% ※2020年予測
公式サイトURLhttps://www.snb.ch/en/
公式Twitter URLhttps://twitter.com/SNB_BNS_en

スイスフラン(CHF):定期的なイベント

スイスフランの価格に影響を与える定期的なイベントは主に以下の4つだ。

  • SVME購買部協会景気指数
  • 消費者物価指数
  • 貿易収支
  • スイス中央銀行政策金利発表

SVME購買部協会景気指数 毎月初旬

スイス購買部協会(SVME:Schweizerischer Verband fur Materialwirtschaft und Einkauf)が企業経営者や購買担当者に新規受注や仕入れ価格などをアンケート調査し、毎月公表している指数。

一般的に、数値が大きいほどスイス経済が好調とされ、スイスフラン高の要因となる。

消費者物価指数 毎月6日前後

スイス連邦統計局(Swiss Federal Statistical Office)が毎月公表する物価指数。

物価の上昇(インフレ)自体は通貨安の要因だが、一般的に景気上昇局面では物価も上昇する。極端な上昇でない限り、物価上昇は基本的に好材料と受け止められるだろう。

貿易収支 毎月中旬

スイス連邦統計局(Federal Statistical office)が毎月公表する、スイスの輸出から輸入を差し引いた数値。前月分の数値を公表する遅行指数だ。

スイスは伝統的に貿易黒字国で、経常収支の黒字に貢献している。GDPの大部分を輸出が占める点からも、スイスフランにとって貿易収支は重要な指標だ。

一般的に、貿易黒字幅が大きいほどスイスフランの価格は上がりやすい。

スイス中央銀行政策金利発表 四半期毎

スイス中央銀行が四半期(3月、6月、9月、12月)ごとに公表する。政策金利のほか、為替介入の金額や方針など、通貨政策に対する全体的な考えを公表している。

スイスは中央銀行の影響力が他の通貨より強い。永世中立国として独立しているため、他国の金融政策と歩調を合わせる必要がない。国際的な批判を集めやすい為替介入にも積極的だ。

スイスフラン取引では、中央銀行の動向把握がより重要といえるだろう。

スイスフラン(CHF):代表的な通貨ペア

スイスフランの代表的な通貨ペアは以下のとおり。

  • ユーロ/スイスフラン
  • 米ドル/スイスフラン
  • スイスフラン/日本円
  • 英ポンド/スイスフラン
  • 豪ドル/スイスフラン

ユーロ/スイスフラン

スイスフランを取引する場合、「スイスがスイスフラン高を望んでいない」背景を理解しておきたい。通貨ペア「ユーロ/スイスフラン」を軸に解説する。

「ユーロ/スイスフラン」は、世界で2番目に取引が多い「ユーロ」と7番目に多いスイスフランを組み合わせた通貨ペアだ。買いは「スイスフラン売り―ユーロ買い」、売りは「ユーロ売り―スイスフラン買い」の取引となる。

スイスはGDPの66%を輸出が占め、輸出先の大半はユーロ圏だ。2019年は全輸出の43.3%をユーロ圏が占めた。国の収支が悪化するため、スイスは伝統的に、ユーロに対するスイスフラン高を望まない。

スイスは2015年まで1ユーロ=1.2スイスフランを上限とするよう、積極的な為替介入(スイスフラン売り―ユーロ買い。レートの上昇要因)を実施していた。

しかし、ユーロ圏で量的緩和(ユーロ安、スイスフラン高の要因)実施の観測が強まると、為替介入によるレートの維持を断念。1ユーロ=1.2スイスフランの上限撤廃を宣言し、レートが急落する「スイスショック」が起こった。

上限は撤廃されたが、スイスの為替介入は続いている。スイスフランを安くしたい思惑が働くが、安全資産とされるスイスフランはマーケットの不安定が高まると買われる傾向にある。

一般的な戦略として、マーケットの不安定を想定するなら売りを仕掛ける通貨ペアだ。ただし、レートが極端に下落する場面ではスイスの為替介入が連想されるため、レートの反発にも注意したい。

他のスイスフランを含んだ通貨ペアに関しても、「スイスはスイスフラン高を基本的に望んでいない」点に留意し、為替介入の可能性を前提に取引してほしい。

米ドル/スイスフラン

「米ドル/スイスフラン」は、世界で最も取引量の多い「米ドル」とスイスフランを組み合わせた通貨ペアだ。通貨ペアとしては世界で7番目に取引が多く、「スウィッシー」と呼ばれる。買いは「スイスフラン売り―米ドル買い」、売りは「米ドル売り―スイスフラン買い」の取引となる。

スイスフランは一般的に安全資産とされる。したがって、マーケットが正常な時期はあまり注目されない。値動きは比較的小さくなるだろう。

マーケットが不安定な時期はスイスフランの価値が上がりやすく、「米ドル/スイスフラン」レートは下落しやすい。

一般的な戦略として、マーケットの不安定を想定するなら売りを、マーケットの回復を想定するなら買いを仕掛ける通貨ペアだ。

スイスフラン/日本円

「スイスフラン/日本円」は、スイスフランと世界で3番目に取引の多い「日本円」を組み合わせた通貨ペアだ。買いは「日本円売り―スイスフラン買い」、売りは「スイスフラン売り―日本円買い」の取引となる。

スイスフランと日本円はどちらも安全資産とされる。マーケットの不安定な時期は両方が買われる傾向にあるため、極端な値動きは起こりにくい。スイスショックの例外はあるが、基本的にはレンジ相場が想定されるだろう。

一般的な戦略として、レンジ上限では売りを、下限では買いを仕掛ける。

英ポンド/スイスフラン

「英ポンド/スイスフラン」は、世界で4番目に取引が多い「英ポンド」とスイスフランを組み合わせた通貨ペアだ。買いは「スイスフラン売り―英ポンド買い」、売りは「英ポンド売り―スイスフラン買い」の取引となる。

英ポンドは比較的値動きが大きい通貨だ。一般的な戦略として、マーケットの不安定を想定するなら売りを、マーケットの回復を想定するなら買い仕掛けるが、「米ドル/スイスフラン」と比較し、値動きが大きくなる点に注意したい。

豪ドル/スイスフラン

「豪ドル/スイスフラン」は、世界で5番目に取引が多い「豪ドル」とスイスフランを組み合わせた通貨ペアだ。買いは「スイスフラン売り―豪ドル買い」、売りは「豪ドル売り―スイスフラン買い」の取引となる。

豪ドルは資源国オーストラリアの通貨だ。世界経済が成長する局面では資源需要の高まりからオーストラリア経済の上昇が想定されるため、豪ドルの価値が高まりやすい。

一般的な戦略として、マーケットの不安定を想定するなら売りを、マーケットの回復を想定するなら買いを仕掛ける通貨ペアだ。

スイスフラン(CHF):価格予想の論点

長期的に上昇トレンド 単なる資金の逃避先ではない

スイスフランを長期的にみると、主要通貨に対し基本的に上昇している。参考に「ユーロ/スイスフラン」「米ドル/スイスフラン」「スイスフラン/日本円」の3通貨ペアのレートを10年前と比較すると以下のようになる。

2010年11月の レート2020年11月の レートスイスフランの 上昇率
ユーロ/スイスフラン1.30341.0843+16.8%
米ドル/スイスフラン1.00430.9090+9.49%
スイスフラン/日本円83.34114.67+37.59%

安全資産とされるスイスフランは、マーケットが不安定な時期に価値が上昇しやすい傾向がある。しかし、それだけでは長期的に上昇している事実を説明できない。確かにマーケットが不安定な時期もあったが、概ね一時的な影響にとどまった。特に、同じく安全資産とされる日本円で最も上昇率が高い点は、「スイスフランが安全資産だから」という理由では説明できないだろう。

スイスフラン取引を行う場合、スイスの実力を冷静に考える必要がある。スイスの人口は増加傾向で、1人あたりGDPは世界3位だ(2018年)。 GDPの大半を占める輸出も、約半数は医薬品・化学品が占め、需要は安定している。スイスが経常黒字国である点もプラス要因だ。

マイナス金利はスイスフラン安の要因だが、ユーロもマイナス金利を導入しており、米ドルもゼロ金利だ。マイナス金利の影響は相対的に薄れている。

スイスフランはマーケットが不安定な時期に上昇しやすい傾向にあるが、スイスの健全な経済を考えると、マーケットが安定している時期も上昇して不思議はない。安易な「スイスフラン売り」には注意したい。

積極的な為替介入 「ユーロ/スイスフラン」レートを注視

スイスフランは長期的に上昇傾向にあるが、スイス中央銀行の為替介入には注意が必要だ。上述したが、スイスは輸出依存度が高いため、スイスフラン高は経常収支を悪化させる。これを防ぐため、スイス中央銀行は積極的な為替介入を行っている。

2020年12月、米国はスイスを「為替操作国」に指定したが、スイス中央銀行は今後も積極的な為替介入を行う旨を表明した。どの程度行うかは不透明だが、中央銀行が為替介入の実施を表明する以上、スイスフランの上昇局面では為替介入を警戒した方がよいだろう。

特に「ユーロ/スイスフラン」レートは注視した方がよい。ユーロ圏はスイス輸出の大半を占めるため、特に対ユーロでのスイスフラン高は容認しがたいと思われる。

スイスフラン安政策は限界も

スイス中央銀行が実施する為替介入やマイナス金利は、いずれもスイスフラン安を促す政策だ。しかし、上述の通り、スイスフランは長期的に上昇してきた。スイス中央銀行の政策は、確かにスイスフラン安を促す一定の効果はあろうが、実現できているとはいいがたい。

より強力なスイスフラン安政策を打ち出す可能性もあるが、手持ちのカードは多くない。スイスのマイナス金利幅は0.75%で、すでに世界的に高い。マイナス金利幅の更なる拡大は実施しにくい。

為替介入も、米国に「為替操作国」に指定されたことで実施が難しくなった。スイス中央銀行は為替介入の継続を表明したが、米国はスイスの輸出相手国の2位で、全輸出の17.33%を占める。米国を無視したくないのが本音だろう。

マイナス金利や為替介入にも関わらずスイスフランが上昇してきたこと、またより積極的なスイスフラン安政策の実施が難しい点を考えると、スイス中央銀行の限界が垣間見える。

仮にマーケットで「スイス中央銀行が限界」と受け止められればスイスフラン高に拍車がかかる可能性はある。

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更新日:2021/01/25

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(画像:Shutterstock)

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