FXのデイトレードのやり方・注意点|トレードのポイントを解説

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FXにおけるデイトレードとは

FXにおけるデイトレードとは、新規注文を入れて保有した建玉(※1)を当日中に決済するスタイルのことだ。ここではまず、デイトレードの特徴について解説していく。

※1:建玉とは、新規注文を入れてから決済をおこなっていない取引を指しており、ポジションとも呼ばれる。

損失を限定できる

デイトレードは保有した建玉を翌日に持ち越さないのが基本であるため、損失を限定して運用することが可能となる。

たとえば、1月1日に注文を入れて20pips(※2)の含み損(※3)が発生していた場合、1月2日まで持ち越すことで30~40pipsまで膨らんでしまう可能性もあるが、デイトレードなら損失を最低限に抑えることができるのだ。

一方、含み益(※4)がでている状態の場合、翌日まで持ち越せばさらに増加する見込みがあるとしても当日中に決済しなくてはならないことから、一見するとデメリットのようにも見えるだろう。

しかし、為替市場は常に変動しており、翌日にはレートが反転して含み益がなくなってしまうリスクもあるため、やはりルール通りに決済をおこない、利益として確定することが重要である。

ちなみに「1日」の意味合いは24時間ではなく、為替市場のNYクローズ(※5)までに決済することを指している。

※2:pipsとはFX共通の単位であり、米ドル/日本円が100.123円とすれば、後ろから二桁目の2が1pipsにあたる。
※3:含み損とは建玉に発生している損失であり、決済で確定する見込みの損失である。
※4:含み益とは、含み損の反対で見込みの利益である。
※5:NYクローズとは、米国市場が終了する時間を指しており、日本時間午前7時、夏時間では午前6時がそれにあたる。ちなみに米国夏時間は3月第2日曜日~11月第1日曜日の間である。

取引の機会が多い

デイトレードは当日中に決済するのが基本だが、1日1度しか取引できないわけではなく、テクニカル分析(※6)によって利益が狙えそうであれば、当日中何度でも取引が可能である。

したがって、夜間の19~24時の間しか取引できない人であっても、一回あたりの取引が1時間ほどで済めば4~5回の利益チャンスを掴むことができるため、相場によっては多くの取引チャンスが掴めるだろう。

※6:テクニカル分析とは、過去のチャートから将来的な値動きを予測する分析手法である。

チャートを見る時間が確保できない人でも実践できる

デイトレードは、一回あたりの取引時間が数時間程度になるケースもあることから、チャートを見る時間が確保できない人でも、隙間時間で実践できるスタイルだ。

たとえば、前日の夜に分析をおこない、注文と決済をするレートをいくつか定めておけば、当日はそれに基づいて操作するだけで済むため、実際にチャートを見て取引する実働時間を最小限に抑えることが可能である。

デイトレードのやり方

ここからはデイトレードの具体的な実践方法について解説する。

通貨ペアを選ぶ

デイトレードの際は、以下のポイントを満たした通貨ペアを選定してほしい。

  • スプレッドが狭く設定されている
  • 流動性が高く、突発的な価格変動が少ない
  • 情報収集がしやすい

スプレッドとは、FX会社が設定する売値と買値の差額であり、トレーダーにとっては実質的な手数料である。

たとえば、スプレッドが1円の米ドル/日本円を100円で買った場合は、1円分の損失が発生している状態から始まることになり、101円にレートが上昇するまで利益を得ることができないため、狭く設定されているほど有利に取引ができる。

また、流動性が低い通貨ペアは大きな注文が入った場合の反対注文も少ないため、一方向に価格が動きやすくなり、突発的な価格変動が起きやすいリスクがある。

そのため、最大限流動性の高い通貨ペアを選ぶことが、安全な運用において重要なポイントである。

そして、通貨発行国の経済情勢を取り扱っている情報サイトが多ければ、相場のトレンド判断もしやすくなるため、こちらも押さえておこう。

以上を踏まえ、これからデイトレードに挑戦する人は、米ドル/日本円やユーロ/日本円からチャレンジすることをおすすめする。

長期時間足で分析をおこなう

通貨ペアを選定した後は、将来的な値動きの分析をしていこう。この際、短期ではなく長期時間足を使用するポイントに注意してほしい。

時間足とは、ローソク足(※7)を表示する時間軸を意味しており、5分足や4時間足といった時間毎にチャートが更新されていく。

1分や5分といった短期で分析すると長期的な相場の流れを掴むことができないため、数時間程度建玉を保有することもあるデイトレードにおいては、1時間、4時間、日足などの長期時間足を採用するのがおすすめだ。

※7:各時間の始値、終値、高値、安値といった値動きをローソクの形にしたものであり、その時間の最後の価格である終値が最初の価格である始値より高ければ陽線、逆なら陰線と呼ばれる。

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析

デイトレードにおいては、適切な時間足の選定だけでなく、テクニカルとファンダメンタルズといった2つの分析も押さえておきたい。

テクニカル分析とは、過去の値動きから将来的な値動きを判断する手法を指しており、FX取引をする上では必須のスキルといえるだろう。

為替相場は世界中のトレーダーの売買によって作られるため、同じようなチャートの形となった場合は、その後も似た値動きとなる可能性が高い特徴を持っている。

そのため、テクニカル分析はそういったパターンを見つけだす作業と捉えてもよいだろう。

また、その際に役立つのがテクニカルチャートというツールであり、ほとんどのFX会社の取引ツールで無料提供されている。

たとえば、過去の値動きから算出したラインをチャート画面に描画する移動平均線は、価格が離れるとライン付近に戻ってくる特徴があり、触れた際は反発するケースが多いことから値動きの予測に役立つ。

したがって、デイトレードの分析では4時間や日足といった長期足でそれらのツールを活用し、相場の大きな流れを掴んでほしい。

一方、ファンダメンタルズ分析はチャートの形ではなく、情報サイトなどで発信している通貨発行国の経済状況から、その後のトレンド(※8)を判断していく手法だ。

具体的には、米ドル/日本円であれば米国と日本の国内総生産(GDP)、そして雇用統計や失業率などの経済指標発表(※9)から、その後通貨が長期的に売られるか買われていくかを予測するということである。

デイトレードにおいては、以上の2通りを長期時間足で実施して、新規注文と決済する価格に加えて、売買のいずれかを明確にしてから臨んでほしい。

※8:トレンドとは、相場の全体的な方向性を指しており、買いが強い場合は上昇トレンド、売りが強い場合は下落トレンドとなる。
※9:経済指標発表とは、各国の経済状況の数値を発表するものである。

新規注文を入れる

テクニカルとファンダメンタルズ分析の両方で相場のトレンドが掴めたら、自分が狙っている価格で注文していこう。

その際は短期的な流れを見るために、5~15分足の短期足を利用してほしい。

実は、為替相場は長期足と短期足でトレンドが異なる現象が比較的頻繁に発生するため、たとえば長期的に上昇トレンド、短期的に下落トレンドである場合に1時間以上の足だけを参照して買い注文を入れると、最終的に利益に転じる可能性はあっても、短期的に下落の流れに捕まってしまい、含み損を抱えてしまうのである。

したがって「長期足で分析・短期足で注文」という具合に切り替えていくことが重要といえるだろう。

決済

分析に基づいて設定した目標価格となった際は、保有している建玉を決済しよう。たとえ含み損が発生していてもNYクローズ時間までに損切り(※10)することが大切である。

これは冒頭で解説した通り、このルールを守らなければデイトレードの定義自体が崩れてしまうだけでなく、より含み損が膨らんでしまう可能性があることに起因している。

一方、「損切りしないで翌日まで持ち越せば利益に転じていた」というパターンもFXにおいては往々にして起こり得るが、その際は気持ちを切り替え、新たな気持ちで分析から始めるようにしてほしい。

※10:損切りとは、含み損がそれ以上拡大しないために決済して損失を確定する手法である。

デイトレードはどのような人に適したトレードなのか

FXの取引は、自分のライフスタイルや運用の目的にマッチしたスタイルを採用することが重要だ。そこで、ここからはデイトレードが適している人を解説していこう。

長期間建玉を保有していたくない人

為替相場は、国家的な経済状況の悪化によって価格が大きく変動することがあり、そういった場合は含み損が膨らんでロスカット(※11)になってしまうトレーダーも多い。

そして、当然建玉を保有する期間が長いほど確率は高まるため、そういったリスクを避けるために、短期間で取引を完結したい人はデイトレードが向いているといえるだろう。

※11:ロスカットとは、含み損が一定以上に到達した場合に、FX会社によって強制的に決済される仕組みである。

1日中チャートをチェックできない人

デイトレードは、分析をしっかりすれば、少しの操作で注文と決済ができるため、1日中チャートがチェックできない人にも向いているといえる。

たとえば、夜間の就寝前などに分析してトレンドや注文価格などを明確にしておき、日中の隙間時間を活用して取引するのがおすすめだ。

短期的に利益を得たい人

デイトレードは1日単位で取引するため、短期的に利益を得たい人にも向いているスタイルである。

ただし、損失が発生していても同様に決済しなければならないため、損失がでても動じないメンタルに加えて、しっかりルールを守る自制心の維持を心掛けてほしい。

デイトレードをメインに取引する場合のFX会社の選び方

ここからは、デイトレードをメインに取引する際のFX会社の選び方を解説していく。安定して利益を重ねるためには必要なポイントなので、しっかり押さえておこう。

スプレッドが狭い

1日に複数回取引することもあるデイトレードにおいては、スプレッドが狭いFX会社を選ぶことも重要なポイントとなる。

冒頭で解説した通り、実質的な取引コストとなってしまうため、少しでも利益をだしやすいように、米ドル/日本円なら0.3銭、ユーロ/日本円であれば0.5銭以下に設定されているFX会社がおすすめだ。

高機能な取引ツールを提供している

取引ツールの機能性も重要なポイントであり、たとえば利用できるテクニカルチャートが20種類以上、チャート画面にラインを引くことができる描画ツールは10種類程度が望ましい。

また、注文パネルがなるべく大きく表示されていれば、売りと買いの誤発注防止に繋がり、分析しながらマーケットニュースも同時にチェックできるような取引ツールが利用できれば、画面を切り替える手間を削減しながら取引できるだろう。

約定力が強い

約定力とは、トレーダーが注文した価格を成立させる能力を指しており、FX会社が利用しているサーバーのスペックによって、強弱が異なる特徴がある。

そして、もし約定力が弱いと、100円で入れたはずの売り注文がズレて100.5円で約定されてしまう可能性もあるため、デイトレードにおいてはなるべく約定力が強いFX会社を選ぶようにしてほしい。

デイトレードにおすすめのFX会社

ここからは、上記で解説した選び方のポイントをもとに、おすすめのFX会社を3社解説していく。

松井証券(MATSUI FX)

出典:MATSUI FX

創業から100年以上の歴史を持つ松井証券は、米ドル/日本円0.2銭、ユーロ/日本円0.5銭という業界最狭水準のスプレッドを提供していることに加えて、メインのPC取引ツールに搭載されたテクニカルチャートも30種類と大変豊富である。

また、約定力に関しても安定しているため、デイトレードをする上では大変おすすめといえるだろう。

外為どっとコム

出典:外為どっとコム

FX会社の中でもトップクラスの取引高を誇る外為どっとコムも、デイトレードに適したFX会社だ。

米ドル/日本円のスプレッドは0.2銭、ユーロ/日本円0.4銭と狭い設定であり、メイン取引ツールの外貨NEXTneoはワンクリックで注文できる機能だけでなく、画面レイアウトをカスタマイズして自分好みの仕様にアレンジできる利便性も備えている。

また、みらい予測チャートというサービスを利用すれば、将来的な値動きを3パターン自動表示してくれるため、分析が苦手な人にもおすすめである。

楽天証券(楽天FX)

出典:楽天FX

大手ECサイトを運営する楽天グループ傘下の楽天証券は、米ドル/日本円0.2銭、ユーロ/日本円0.5銭と水準の高いスプレッドを提供している。

そして、独自開発ツールのマーケットスピードFXは、39種類という多彩なテクニカルチャートを搭載しつつ、チャート画面自体をクリックして発注できる機能など、直感的な操作性も魅力といえる。

また、楽天証券は取引量に応じて楽天スーパーポイントを付与するサービスをおこなっているため、取引回数が比較的多くなるデイトレードであれば、効率的にポイントを貯めることも可能だ。

デイトレードをおこなう際の注意点

ここからは、デイトレードの注意点について解説していくため、現在チャレンジを検討している人はこちらを参考にしてから取引に臨んでほしい。

損切りを徹底する

デイトレードにおいては、NYクローズ時間までに必ず決済することを心掛けるようにしよう。

デイトレードは「翌日まで持ち越せば利益に転じるかもしれない」「損失を確定したくない」といった心境に陥ることも多くなる。

しかし、自分で定めたルールが守れなければ、トレードスタイルを確立させることはできず、長期保有すればその分価格変動に巻き込まれて損失が膨らんでしまう可能性も高まるだろう。

重要経済指標発表がある日は取引を控える

数ある経済指標発表の中でも、毎月第一金曜日の米雇用統計(※12)や、政策金利(※13)の発表は特に価格が急変動する可能性が高く、過去には100pips程度が一瞬で動いたこともあるほどだ。

したがって、そういった重要経済指標発表が予定されている日は取引自体を控えた方がよいため、事前にFX会社や無料サイトで提供されているスケジュールをチェックしてほしい。

※12:米雇用統計とは、米国全体の雇用者数の統計情報であり、数値の大小によって経済的な安定度を計ることができる。
※13:政策金利とは、日銀や米国のFRBといった中央銀行が一般金融機関にお金を貸し付ける際の金利である。

明確にトレンドが判断できないときは取引しない

注文する前には分析をするのが基本だが、その際に明確なトレンドが判断できない場合は取引を見送った方がよいだろう。

ボンヤリとした基準で取引すれば、当然損失が発生してしまうリスクが高まるため、たとえば相場の値動きが活発ではなく、将来的な予測が難しい相場であれば一度様子を見るのがおすすめである。

一方、そもそも分析が苦手という人は、先ほど解説した外為どっとコムのみらい予測チャートのようなサポートツールを利用してみよう。

(画像:Shutterstock)

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