【FX】香港ドルの特徴・スワップポイント・今後の見通し|おすすめのFX会社を紹介

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FXで利益を重ねていくためには、自分が取引する通貨の特性や発行国の経済状況、政策などを把握して、相場の将来的な動向にマッチした売買をおこなうことが重要である。

一方、為替市場に存在する通貨は多いため、これからFXを始める人にとっては通貨を選ぶのも難しいのではないだろうか。

この記事では、香港ドルの特徴や取扱いのポイントを解説する。香港ドルは、中国に返還された1997年以降も独自の運用をおこなっている通貨だ。取引する通貨が決められていない人はぜひ参考にしてほしい。

使用国 香港
通貨記号 HK$
総預金残高 15兆1,835億5,400万HKドル(香港金融管理局7月30日発表)
政策金利 0.86% (2021年7月)
10年国債利回り 0.86% (2021年9月17日)
物価上昇率 +1.40%(IMFによる2021年4月時点の推計)
GDP成長率 5.5%~6.5%(香港特別行政区政府2021年8月13日発表)
中央銀行 香港金融管理局
中央銀行総裁 陳德霖

香港ドルの特徴

香港ドルは、文字通り香港で用いられている法定通貨であり、香港は中国の特別行政区という側面を持ちながら、独自の経済と政治体制の一国二制度によって成り立っている。

一般的に、通貨を発行する役割を担うのは、日本の日銀や米国のFRBといった中央銀行だが、香港ドルに関しては香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行、そして中国銀行の3行に分散されている。

中央銀行にあたる香港金融管理局(以下:HKMA)は10ドル紙幣と硬貨の発行、そして政策金利や為替レートの調整などがメインの役割となっていることを押さえておこう。

そして、香港ドル単体は、中国本土の広東省における一部地域やマカオでの流通に留まっているものの、通貨ペアである米ドル/香港ドルの取引量に関しては、近年の市場全体でトップ10に入るほど活発化している。

今後も同国の動きには注目しておくとよいだろう。

政策金利とは

中央銀行が一般銀行にお金を貸し付ける際の金利

ドルペッグ制を採用している

香港ドルは元々、日本円やユーロと同様に、通貨の取引量に値動きを委ねる「価格変動相場制」を採用していたが、1983年の金融危機における米ドル/香港ドルの暴落を受けて、「ドルペッグ制」を採用している。

これは、「自国が発行する通貨の為替レートを一定水準の中で米ドルレートに連動させる政策」を指しており、香港ドルは1USDあたり7.75~7.85HKDという狭い範囲の中で調整している。

そのため、世界の基軸通貨である米ドルと日々安定した為替レートで両替できることから、海外企業にとっては貿易取引をおこなう上で、利益の試算や確保が容易となる安心材料といえる。

ちなみに、香港が実施している「ドルペッグ制」は、「カレンシーボード制」という為替政策に分類されており、発行した香港ドルと同じだけ米ドルをHKMAが保有することで、香港ドルの信頼性を担保している。

また、基準としている範囲からレートが逸脱する値動きとなった場合は、「HKMAが適宜香港ドルを売買することで調整をおこなう」または「為替介入という措置を取る」ことから、基本的には急激な乱高下が発生しにくい通貨である。

乱高下とは

為替レートが短期的に急変動する現象

中国経済の影響を受ける

中国人民元は、原則として海外への資本移動や持ち出しが制限されていることから、中国企業は取引の自由度が高い香港ドルを利用して、海外企業に投資するケースが多い。

そのため、中国から香港へは恒常的に莫大な資金が流入しており、結果として中国企業全体の経済状況が香港の経済成長、そして香港ドルの値動きに影響を及ぼす。

また、中国も同じくドルペッグ制を採用していることも押さえておくべきポイントであり、基本的に1USDあたり8.6元に固定されている。これは両方を差し引きした金額となる「1香港ドル=1.1元」を維持しているということだ。

したがって、2つの通貨はある程度の一体感をもって価格が調整されているともいえるだろう。

以上のことから、香港ドルはあくまでも中国から独立した法定通貨となっているが、中国の経済情勢が為替相場に影響を与える可能性がある点を考慮してほしい。

香港ドルのスワップポイント

トレーダーが利益として得られるスワップポイントは、通貨発行国が設定する政策金利によって決定される。

香港は現在0.86%に設定されており、先進国の中では高水準である一方、新興国との差は比較的大きいといえるだろう。

国名 政策金利(%)
香港 0.86
日本 -0.10
米国 0.25
トルコ 19
中国 4.35

※2021年9月13日時点

ちなみに現在、香港ドル/日本円のスワップポイントは、高水準なFX会社でも1万通貨あたり2円程度であり、トルコリラ/日本円などは40円を超えるケースもあることを考慮すれば、利益自体は少ないといえるだろう。

ドルペッグ制を採用している上に、経済的にも比較的安定しており乱高下が発生するリスクが低いため、スワップポイントが高いFX会社を起用すれば、少額でコツコツと運用していくことも可能であるが、基本的には短期から中期視点の、こまめな売買で利益を狙うことをおすすめする。

スワップポイントとは

2国間の金利差であり、トレーダーは毎日利益として受け取れる

香港ドルの今後の見通し予想

香港ドル相場を分析する上では「米ドルペッグ制が継続するかどうか」という点に注目する必要があるが、結論として当面の間は現状が維持される公算が高いだろう。

実際のところ、2019年に発生した抗議デモの際は、中国の規制圧力が強まることによる人民元ペッグへの強制的な移行、そして米国からの経済的制裁として香港ドルと米ドルの交換が禁止される懸念がされていた。

しかし、香港には米国企業も多数在籍している上に、HKMAも現在相当な量の米ドルを保有していたことから、突然為替政策を変更するのはいずれの国にとっても利益にはならない。

一方、そういった問題を危惧しての香港ドル売りが発生する可能性はゼロではないため、抜本的な体制の変更はないとしても、米中と香港の関係性については依然として注目しておいた方がよいだろう。

また、現在香港の政策金利は米国よりわずかに高く、FRBも2023年まではゼロ金利を推進する方向性であることから、長期的且つ緩やかに香港ドル買いが強い状況である。

ただし、現在米国経済はコロナウィルスによる景気低迷から徐々に持ち直している傾向であり、今後の方針転換によって政策金利が引き上がるタイミングが早まるケースも想定しておこう。

もしそうなれば、両国の金利差は縮小されることとなり、米ドル買い、香港ドル売りに繋がる可能性がある。

以上のことから、香港経済は安定しているため、通貨としての一定需要は確保できているものの、市場全体の投資家が米中との関係をネガティブに捉えた場合、そして米国がゼロ金利政策を取りやめて利上げに踏み切った際は、現在の高値推移から一転、下落に転じるシナリオも想定しながら取引してほしい。

香港ドルの取り扱いのポイント

香港ドルの特徴や今後の見通しがわかったところで、次に香港ドルを取引するポイントについて見ていこう。

米国と中国経済の両方をチェックする必要がある

香港ドルはドルペッグ制を採用していることから、米国経済と強い連動性を持っている特徴がある。

そのため、米雇用統計や失業率といった経済指標発表が低迷すれば、香港ドル相場の下落要因となる可能性が高いため、欠かさずチェックした方がよいだろう。

また、政策金利に関してはとくに注意してほしい。

米国が利上げをおこなた際に香港がそのまま現状を維持してしまうと、金利の高い米ドルが集中的に買われて香港ドルは売りが強まり、結果的に価格が下がってしまう。

したがって、香港の政策金利は米国に追随するほかないため、スワップポイントを狙っているトレーダーはもちろん、長期的に香港ドルを売買する上では欠かさず注目しなくてはならない。

そして、先ほど解説した通り、多くの中国企業は香港ドルを介して海外展開をおこなっているため、中国経済の指標となるGDPや、PMI(中国製造業購買担当者景気指数)に関しても同様にチェックする必要がある。

経済指標発表とは

各国の経済状況の数値であり、失業率や貿易収支があげられる

対円以外を取り扱っているFX会社が少ない

香港ドルは、ユーロや米ドルに比べると比較的需要が小さいことから、マイナー通貨に分類されているが、香港ドル/日本円に関しては人気が高く、取り扱っているFX会社も多い。

ただし、米ドル/香港ドルやユーロ/香港ドルといった、対円以外の通貨ペアが取引できるFX会社は少ないため、香港ドルで多彩なトレードスタイルを実践したい人は、口座開設の前に通貨ペアを確認しておくことをおすすめする。

香港ドルはどのような人におすすめの通貨か

香港ドルは次のような特徴があり、複数の為替相場をチェックする必要がある一方、様々な分析で取引の経験を積んでいくことができる。

  • 米国市場と連動性がある
  • 中国経済の影響も受ける
  • スワップポイントは低い

これらの内容から、米ドル/日本円や人民元をメインにしているトレーダーは、普段の情報収集を香港ドルの取引に活かすことが可能だ。

香港ドルの取引をおすすめできる人

先ほど触れた通り、香港ドルは米ドルと連動性が強いことから、米ドル/日本円はもちろん、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルを取引している人は、米国の経済政策や指標発表などをそのまま香港ドルに活かして、効率の良い運用ができるだろう。

また、中国経済の影響も受けやすい特徴があるため、人民元/日本円や米ドル/人民元ももちろん相性が良い。

そして、香港ドルはスワップポイントの水準が全体的に低いことから、長期的に建玉を保有するのではなく、短中期的に売買を繰り返すようなトレードスタイルをメインにしている人におすすめといえるだろう。

建玉とは

注文をおこなってから決済をしていない取引(FX会社によってはポジションと呼ばれる)

香港ドルの取引をおすすめできない人

通貨の特性上、米ドルや人民元が絡む通貨ペアを取引していない人は、香港ドルを採用することで逆にピックアップするべき情報が増えてしまうため、おすすめはできない。

また、香港市場だけでなく複数の国における経済情報をキャッチして整理できるスキルに自信のない人は、まず米ドル/日本円などに限定して取引をして、経験を積んでからチャレンジしてほしい。

香港ドルを取り扱っているFX会社

ここからは、香港ドルを対円だけでなく、対ドルや対ユーロに関しても取り扱っているFX会社を厳選して紹介する。

香港ドルの取り扱いを検討している人はぜひ参考にしてほしい。

ヒロセ通商(LION FX)

出典:ヒロセ通商(LION FX)

ヒロセ通商で取引できるのは日本円/香港ドルと米ドル/香港ドルの2種類だが、10種類を超える取引ツールは自身のレベルにあわせて切り替えることが可能だ。

為替相場のコラムや学習コーナーといった情報コンテンツも豊富なため、初心者にもおすすめのFX会社である。

また、牛肉や中華料理プレゼントといった個性的なキャンペーンも魅力的であることに加えて、全50種類の通貨ペアを取り扱っているため、様々な相場を経験できる利便性も備えている。

OANDA JAPAN

出典:OANDA JAPAN

アメリカを始めとする9ヵ国でサービスを展開しているOANDA JAPANは、71種類の通貨ペアを取り扱っており、香港ドルも全8種類と大変豊富に揃っている。

また、先ほど解説したMT4も利用できる上に、本来1日単位で付与されるスワップポイントが「1秒単位」で加算されているシステムも他社にはない特徴だ。

そして、為替相場における売り買いのバランスがチェックできるOANDAラボは、将来的な値動きの予想に役立つため、初心者から中上級者まで利便性が高いツールである。

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(画像:Shutterstock)

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