マネースクエア(FX)の概要や評判、取引コストを解説
マネースクエアは国内FX業者の中で最も早く、2007年にリピート系自動売買の提供を始めた会社だ。株式会社マネースクエアHDの100%子会社で、2018年に「マネースクウェア・ジャパン」から「マネースクエア」に商号変更している。
マネースクエアの取り扱い通貨ペアは14種で、原則1,000通貨単位で取引できる。また、特許を取得したリピート系自動売買ツール「トラリピ」を提供している。
自動売買ツールでは評価を受けている一方、スワップポイントや取引コストの高さに対しては厳しい声もある。
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特許取得のリピート系注文「トラリピ」を提供
マネースクエアは「トラップリピートイフダン(トラリピ)」という特殊な注文方法で特許を取得しており、顧客に提供している。
トラリピは「トラップトレード」と「リピートイフダン」を組み合わせた注文方法だ。あらかじめ設定した条件で自動的に売買を行ってくれる。
トラップトレード | 設定したレンジ(トラップ値幅)で新規注文をまとめて出す取引 |
イフダン | あらかじめ決済価格を決めて新規注文を出す取引 (例)105.0円買い、105.5円決済 |
リピートイフダン | イフダン注文を繰り返す取引 |
トラップトレードイフダン (トラリピ) | トラップトレードとリピートイフダンを組み合わせた取引 |
トラリピを利用すると、同じ通貨ペアでも価格帯の違う複数のポジションを建てることができ、リスクの分散が期待できる。リピート系の自動売買なので、相場を常に監視する必要もない。
取り扱い通貨ペアは14種――1,000通貨からの取引
マネースクエアの取り扱い通貨ペアは14種で、うち対円通貨ペアは9種だ。具体的には以下の通りとなっている。

マネースクエアの取り扱い通貨ペアは多いとはいえない。参考に、矢野経済研究所「有力FX企業17社の月間データランキング(2019年11月調査)」で「口座数」「預かり資産」が5位までにランクインしたFX会社と比較すると、いずれも取り扱い通貨ペアは20種以上だ。対円通貨ペアでは「DMM FX」の8種を上回ったものの、分類すれば選択肢は少ない方だといえるだろう。

取引単位は原則1,000通貨だが、「南アフリカランド/円」「メキシコペソ/円」の2通貨ペアは1万通貨単位の売買となっている。
「南アフリカランド/円」 「メキシコペソ/円」 | 1万通貨単位の売買 |
上記以外の通貨ペア | 1,000通貨単位の売買 |
ユーザー限定6つのプレミアムサービス
マネースクエアは、口座開設者が利用できる以下6つの「プレミアムサービス」を提供している。
トラリピを含む特許サービスの取得数は、ほかのどのFX会社よりも多く、オリジナルの機能やサービスへのこだわりが垣間見える。
トラリピ1クリック | アナリストは相場に合わせたトラリピを提案 クリックで選択するだけで設定が可能 |
トラリピ運用試算表 | トラリピの設定を入力すると事前にリスクをシミュレーションできる |
マーケット情報 | 市況やテクニカルレポートを毎日更新 |
M2TV | 市況やFX取引のテクニックを動画で解説 |
アカデミア | 基礎から実践までのテクニックを学べるコンテンツ |
マネースクエアポイント | 取引に応じて現金などに交換できるポイントがもらえる |
通常のトラリピの発注には、通貨ペア、売買の別、レンジ幅、仕掛ける注文数、注文金額、狙う利益金額など、複数の設定が必要だ。「トラリピ1クリック」なら1クリックで設定が完了し、自動売買を開始できるので、初心者にも易しい仕様となっている。
また「トラリピ1クリック」の設定は変更も可能で、モデルをベースにカスタマイズしても良い。
「トラリピ1クリック」で選べるモデルは3タイプで、様々な時間軸のチャートをもとに分析する「TIMEモデル」、緻密な計算式で分析する「LOGICモデル」、相場の上昇・下降を予測する「TRENDモデル」がある。
「TIMEモデル」は複数の時間軸を観察しながら値動きを分析する、マルチタイムフレーム手法を基にしている。相場のトレンドやレンジの観察指標としてボリンジャーバンドやパラボリックなどのテクニカル指標を使用した分析方法だ。
トラリピは、一定の値幅を価格が推移するレンジ相場と相性が良いとされる。「LOGICモデル」は、レンジ相場向きの通貨ペアをテクニカル指標で分析、選択し取引するモデルだ。
さらに、オプション市場の価格計算に使用される「ブラック・ショールズ方程式」を利用し、確率を算出したうえで、価格が推移するレンジを表示している。
「TRENDモデル」は、3つのテクニカル指標で相場の方向性を分析し、同時に売買どちらで取引するかを判定する。決済レートは、損失と利益が1:2になるように設定されるため、常に損小利大の運用を目指した取引となる。
またトラリピには「決済トレール」という決済レートの設定方法がある。トラリピによる利益の拡大を狙う機能だ。
「決済トレール」は値動きに追従して決済レートを移動させるため、一方向に価格が動き続けるトレンド相場で利益を拡大できる。「決済トレール」では価格が「トレール判定価格」に到達するごとに、決済レートを移動させる仕組みだ。
「トレール判定価格」とは、決済レートを移動させるきっかけとなる価格のことで、トラリピでは0.2円ごと、対米ドル等通貨の場合は0.0020ドルごとに自動設定される。
例えば、1ドル100円の米ドル/円の買い建玉を保有した場合、最初のトレール判定価格は100.200円となる。価格が上昇し、100.200円に達するとトレール判定価格も上昇し、100.400円となり、決済価格が100.200円となる。
トラリピにおいて、「決済トレール」の設定には、トレード画面の「トラリピ管理表」のON/OFF機能を利用する。フレキシブルに切り替えることで、レンジ相場に強いトラリピに加え、トレンド相場でも利益を拡大させる「トレール機能」
なお、「決済トレール」の仕組み上、トレンドによる値動きが進行しなかった場合、「決済トレール」を設定しないトラリピよりも、結果として収益性が悪化するケースもあることは留意しておきたい。
トラリピを稼働する前には、「トラリピ運用試算表」でリスクを把握できる。注文設定を7項目入力するだけで、ロスカットされるレートや損切りした場合の損失額を自動で計算してくれる。
なおロスカットとは建玉の評価損が一定水準を超えると強制的に保有建玉が決済される仕組みで、マネースクエアのロスカット水準は証拠金維持率100%となっている。
証拠金維持率とは、預け入れた証拠金に建玉の評価損益を加えた「有効証拠金」に占める、建玉の保有に必要な「必要証拠金額」の割合で、計算式は以下の通りだ。
有効証拠金÷必要証拠金×100=証拠金維持率%
マネースクエアの証拠金維持率判定は、毎営業日10秒ごとに行われ、判定時に証拠金維持率が100%を下回っていた場合、保有建玉を強制的に決済するロスカットが執行される。
ただし、相場に急激な変動が起きた場合、ロスカット水準を大きく下回ってロスカットされることがあり、想定以上の損失を被る可能性があるため、ロスカットに頼らず自分で損切り注文を出し、損失を最小限にコントロールすることをおすすめする。
マネースクエアは投資家教育にも力を入れており、その取り組みの代表格として、「アカデミア」が挙げられる。「アカデミア」ではマーケットの分析、戦略、リスク管理などを基礎から学べるため、投資家個人の資産運用における基本方針を構築するコンテンツと言えるだろう。
また定期的にセミナーも開催されている。オンラインで配信されることが多いため、地方にお住まいの方も気軽に参加できる。参加資格として、口座開設や口座に残高があることといった条件が付されることもあるが、誰でも参加可能なケースもある。
マネースクエアポイントは「ポイントステータス」に応じてポイント還元率が変動する。ポイントステータスは月の平均預託証拠金(マネースクエアの現金残高)に応じて決定し、口座開設から6ヶ月間は最上位の「トリプルスター」となる。
ポイントステータスの条件とポイントの還元率は以下の通り。
ポイントステータス | 1ヶ月の平均預託証拠金 | 1万通貨あたりのポイント (新規、決済それぞれ) |
トリプルスター | 1,000万円以上 | 20ポイント |
ダブルスター | 200万円以上~1,000万円未満 | 10ポイント |
シングルスター | 200万円未満 | 5ポイント |
マネースクエアポイントは1ポイント=0.9円で現金に交換できる。
その他、Amebaの「どっとマネー」や、Amazonギフト券など様々なポイントサービスやギフト券も交換対象だ。
また、マネースクエアのポイントステータスによっては、特定のイベントやセミナーへの優先案内や有料レポート・コンテンツの無料化といった優遇も受けられる。
スリーミリオン倶楽部 プライベートなコンサルティングやセミナー
スリーミリオン倶楽部は一定の条件を満たすと加入できるマネースクエア独自のコンシェルジュサービスで、主なサービス内容は以下の通りだ。
● プレミアムデスク:運用相談や電話取引
● オンラインコンサル&プライベートセミナー:取引戦略や個別セミナー開催
● 講師派遣プライベートセミナー:指定の日時、場所への出張セミナー
● トラリピ運用プラン提案サービス:資金や方針に沿ったトラリピ運用プラン提案
● スワップ優遇レート:期間限定の優遇スワップポイント
マネースクエアでは、以下のいずれかの条件を満たすと自動的にスリーミリオン倶楽部のメンバーとなる。
① 預託証拠金:2,000万円+前四半期取引高:600万通貨
または前四半期平均ポジション残高:200万通貨
② はじめて預託証拠金が2,000万円に達したお客様
マネースクエアの評判――トラリピは好評 取引コストとスワップに厳しい意見
マネースクエアは外部調査の「みんかぶFX 口座比較ランキング」および「価格.com FX口座人気ランキング」でランクインしている。特許取得のリピート注文機能が評価につながったようだ。

一方で、口コミでは取引コストが高い点や「スワップポイント」の条件に厳しい意見があった。
スワップポイントは、通貨ペア間の金利差に相当する数値だ。「金利が高い通貨/金利が低い通貨」ペアを買うと利益になり、逆に売るとコストになる仕組みだ。スワップポイントは日割りで計算されるが、数値はFX会社によって異なる。
FX取引で取り扱われている高金利通貨ペアとしては、トルコリラ/円、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円などが挙げられる。
例えばマネースクエアでは、2020年11月17日時点のトルコリラ円1万通貨の買い建玉を1日保有した際に付与されるスワップポイントは、2円だ。同条件下で、「みんかぶFX口座比較ランキングスワップポイント部門」で1位を獲得したLIGHT FXのスワップポイントは25円となっている。
マネースクエアのスプレッド――非公開だが、比較的高めか
マネースクエアは取引コストとなるスプレッドを公開していないため、直接レートから確認する必要がある。参考までに、2020年10月14日12:30時点で、対円通貨ペア9種の取引コストは以下の通りだった。
米ドル/円 | 3.0銭 | カナダドル/円 | 5.0銭 |
ユーロ/円 | 5.0銭 | 南アフリカランド/円 | 2.4銭 |
豪ドル/円 | 6.0銭 | トルコリラ/円 | 6.0銭 |
英ポンド/円 | 8.0銭 | メキシコペソ/円 | 2.5銭 |
NZドル/円 | 8.5銭 |
主要3通貨ペアを市場シェアの高いFX各社と比較すると、いずれの通貨ペアでも10倍近いコストが設定されていた。
なおスプレッドとは初めから設定されている買値と売値の差のことで、ドル円のスプレッドが3.0銭の場合、買値が100円なら売値は99.970円となる。
国内FXではスプレッドを原則固定としているFX会社が多いが、市場の流動性により常にスプレッドが変化する変動制のスプレッドを採用している会社もある。
いずれにしても、極端に流動性が乏しくなる日本時間の早朝や、世界的に重要な経済指標の発表などのタイミングでは、一時的にスプレッドが大きく拡大する傾向にあるため十分注意したい。

マネースクエアは取引コストを公開していない。上記コストはあくまで一時的なもので、一概に上記の通りになるというわけではない点に留意してほしい。
マネースクエアの取引ツール――トラリピに対応した取引ツール
マネースクエアはPC版とスマホ版の取引ツールを提供している。いずれも「トラリピ」を活用しやすいよう、レンジ幅をチャートに表示させることができる。ポジションの管理もツールから可能だ。
PC版取引ツールは、ブラウザ版なのでPCにインストールする必要がない。公式サイトからログインして利用できる。
PC版、スマホ版共に利用できる「トラリピレンジマップ」は、トラリピユーザーのオーダー状況を一目で確認できる。
通貨ペア別にオーダーが集中している価格帯を確認し、自分のトラリピ設定と比較するなどして、取引戦略を組み立てる際の参考にしても良いだろう。
スマホ用トレードアプリ「マネースクエアFX」は、iPhone、Androidに対応している。スマホにインストール、ログインして利用しよう。
「マネースクエアFX」のトラリピ専用注文画面では、実際の値動きとトラリピの戦略が俯瞰的に眺められる。チャートと設定値が連動し、勘に頼らない視覚的な投資判断をサポートする。
スマホでも使えるトラリピ管理表は、現在レートと稼働させているトラリピの設定レンジが一覧で表示される。想定通りに稼働していないトラリピを見つけやすく、戦略の立て直しに一役買う機能だ。
またチャート上にもトラリピの設定値が表示されるため、値動きと設定の位置関係がわかりやすい。
なおマネースクエアの取引ツールはすべて無料で利用できる。
マネースクエアのクチコミ(口コミ)・評判は?
チャート分析ツールは使いにくいが、スマホアプリは使いやすい

★★★★★5点
30代・男性自動売買してくれるシステムがありがたい

★★★★4点
40代・男性操作はスマホでしています。特段不満はありませんが、始めたばかりなのでチャートが気になってちょこちょこ見てしまうので、ワンタップでチャートが見れるようになればいいなと思います(今は3タップ必要)。なので機能・ツールは☆4です。
まだマイナスのスワップが大きく影響する取引はしていないので、スワップの評価はしていません。
仕事をしているとずっとチャートを見ていることはできないので、自動で売買してくれるシステムはありがたいです。
学習コンテンツが豊富

★★★★4点
30代・男性注目の有力FXサービス
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