【FX】トルコリラ(TRY)特徴:スワップポイント、見通しの為に

(公開日:

トルコリラ(TRY)の基本情報

特徴中東に位置するトルコの法定通貨。
新興国の中でも高い金利が設定されているため、FX取引では高いスワップポイントが期待できる。
中央銀行新総裁によるインフレ対策から、価格の上昇が期待される。
使用国トルコ共和国
通貨記号TRY、または₺
開始日2009年
中央銀行トルコ共和国中央銀行(TCMB)
中央銀行総裁ナージ・アーバル
供給量3兆4,696.81億トルコリラ(M3)
※2020年12月25日時点
政策金利17%(1週間物レポ金利)
※2020年12月24日~
10年国債金利12.63%
※2021年1月4日時点
物価上昇率+11.9%
※2021年IMF予測
GDP成長率+5.0%
※2021年IMF予測
公式サイトURLhttps://www.tcmb.gov.tr/wps/wcm/connect/EN/TCMB+EN
公式Twitter URLhttps://twitter.com/merkez_bankasi

新興国の中でも高い金利

トルコの政策金利は17%だ。一般的に新興国は金利が高い傾向があるが、その中でも金利が高い。

FX取引では高金利通貨を買うと、金利相当を「スワップポイント」として受け取れる。トルコリラ買いの取引を行えば、比較的大きなスワップポイントを受け取れるだろう。

高止まりするインフレ率

トルコはインフレ率が高い国としても知られる。IMFによると、2020年のインフレ率は11.9%だった。

一般的に高いインフレは通貨安の要因だ。インフレを押さえ込むには金利を高く設定する政策が一般的で、トルコの高い金利の背景には高いインフレ率がある。

恒常的な経常赤字

トルコの貿易収支は恒常的に赤字だ。エネルギー資源や機械設備を輸入に頼っているため、貿易赤字になりやすい構造となっている。夏季の観光収入がトルコの経常収支を支えてはいるが、貿易赤字を埋めるほどではない。

経常赤字は国からの資金流出を意味し、一般的に通貨安の要因だ。

トルコリラ(TRY):定期的なイベント


トルコリラの価格に影響を与える主な定期的なイベントは以下の3つだ。

  • 消費者物価指数
  • 経常収支
  • 政策金利

消費者物価指数 原則毎月初旬に公表

トルコ統計機構が毎月公表する物価指数。

通常の範囲内の物価上昇は景気拡大と見なされるが、高いインフレに悩まされるトルコにとって、物価上昇はマイナス要因が大きい。物価の上昇幅が増加すればトルコリラの下落要因となり、減少すればトルコリラ上昇要因となる。

経常収支 原則毎月中旬に公表

トルコ中央銀行が毎月公表する指数。貿易収支に加え、サービス収支や所得収支を加味し、トルコの資金流出入を表す。

トルコは恒常的に経常赤字国だ。経常赤字幅が拡大すればトルコリラの価格を押し下げる要因となり、縮小すればトルコリラの上昇要因となる。

政策金利 年8回公表

トルコ中央銀行が年8回の金融政策決定会合で決定する政策金利。

トルコリラの大きな魅力は高い金利にある。またインフレを抑える意味からも、政策金利の引き上げはトルコリラの上昇要因となるだろう。逆に、インフレが充分落ち着く前に政策金利の引き下げが行われた場合、トルコリラの価格を押し下げる可能性が高いだろう。

トルコリラ(TRY):代表的な通貨ペア


トルコリラの代表的な通貨ペアは以下の5種だ。

  • トルコリラ/日本円
  • 米ドル/トルコリラ
  • ユーロ/トルコリラ
  • 英ポンド/トルコリラ
  • 豪ドル/トルコリラ

トルコリラ/円

通貨ペア「トルコリラ/日本円」は、トルコリラと世界で3番目に取引されている「日本円」を組み合わせた通貨ペアだ。この通貨ペアを買う場合、「日本円売り‐トルコリラ買い」、売りでは「トルコリラ売り‐日本円買い」の取引となる。

トルコは高金利通過だ。低金利の日本円と組み合わせた「トルコリラ/日本円」の買いでは比較的大きな「スワップポイント」が期待できるだろう。

ただし、「トルコリラ/日本円」レートは長期的に下落傾向だ。これまでのトレンドを踏まえると、スワップポイント狙いの中長期トレードには向かない通貨ペアといえる。

トレンドの反転に期待しない限り、比較的短期トレードでキャピタルゲインを狙う通貨ペアといえるだろう。

米ドル/トルコリラ

「米ドル/トルコリラ」は、世界で最も取引されている通貨「米ドル」とトルコリラを組み合わせた通貨ペアだ。この通貨ペアの買いは「トルコリラ売り‐米ドル買い」、売りでは「米ドル売り‐トルコリラ買い」の取引となる。

トルコはこれまでどの主要通貨に対しても下落傾向だったため、「米ドル/トルコリラ」レートも上昇傾向だった。ただし、他の主要通貨ペアと比較すると上昇幅は緩やかだ。米国は新型コロナウイルス感染拡大対策のために金利を引き下げた経緯があり、相対的に米ドルの価値が上がりにくかった可能性がある。

上昇トレンドに追従するなら買いで入るべきだが、高金利通貨のトルコリラを売る取引のため、スワップポイントがマイナスになる点に注意したい。

ユーロ/トルコリラ

「ユーロ/トルコリラ」は、世界で2番目に取引されている「ユーロ」とトルコリラを組み合わせた通貨ペアだ。この通貨ペアの買いは「トルコリラ売り‐ユーロ買い」、売りでは「ユーロ売り‐トルコリラ買い」の取引となる。

「ユーロ/トルコリラ」レートの上昇幅は、トルコリラの他の主要通貨ペアと比較し大きい。元々0金利を導入していたユーロは、コロナ禍でも金利を引き下げなかった。金利を引き下げた米ドルと比較し、相対的にユーロの価値が上昇しやすかった可能性がある。

またユーロ圏は恒常的に貿易黒字でもある。恒常的な貿易赤字国のトルコや米国と比較し優位性があるため、「ユーロ/トルコリラ」レートの上昇が相対的に大きくなったとも考えられる。

英ポンド/トルコリラ

「英ポンド/トルコリラ」は、世界で4番目に取引される「英ポンド」とトルコリラを組み合わせた通貨ペアだ。この通貨ペアの買いは「トルコリラ売り‐英ポンド買い」、売りでは「英ポンド売り‐トルコリラ買い」となる。

英ポンドも米ドル同様、新型コロナウイルス対策のために金利を引き下げた通貨だ。「米ドル/トルコリラ」レートよりは上昇傾向が強かったが、「ユーロ/トルコリラ」レートより上昇傾向は弱かった。

豪ドル/トルコリラ

「豪ドル/トルコリラ」は、世界で5番目に取引される「豪ドル」とトルコリラを組み合わせた通貨ペアだ。この通貨ペアの買いは「トルコリラ売り‐豪ドル買い」、売りでは「豪ドル売り‐トルコリラ買い」の取引となる。

豪ドルも新型コロナ禍で金利を引き下げた通貨だが、レートの上昇幅は比較的大きい。オーストラリアは新型コロナウイルス感染者の数が他国と比較し少ないため、影響が大きいトルコに対し優位に推移した可能性がある。

トルコリラ(TRY):価格予想の論点

新総裁アーバル氏によるインフレ収束期待

トルコ中央銀行の総裁は2020年11月7日、ナージ・アーバル元財務相が就任した。市場は利上げなどのインフレ対策が期待されるとして、トルコリラは上昇した。

事実、アーバル氏は同月19日、初めての金融政策評議会前で政策金利を10.25%から15%まで引き上げ、12月24日には17%まで政策金利を引き上げた。市場の予想を上回る利上げペースから、トルコリラは上昇傾向を強めている。

前ウイサル中銀総裁は、16ヶ月間の任期中に24%の政策金利を8.25%まで引き下げていた。トルコのインフレに歯止めが掛からない懸念から、トルコリラは値下がりの傾向にあった。アーバル新総裁が市場予想を上回るペースで利上げを実施した点は、トルコのインフレ収束に期待ができる。

インフレ収束がマーケットで期待されれば、トルコリラの上昇要因になろう。

対米関係の悪化

トルコと米国の関係は悪化している。トルコは「NATO(北大西洋条約機構)」の同盟国だが、2019年にロシア製ミサイル「S400」を導入した。米国は反発し、2020年12月14日、「敵対者に対する制裁処置法(CAATSA)」に基づく制裁を発動した。

トルコは近年、米国からたびたび制裁を受けている。2018年にはトルコ在住米国人牧師拘束で、2019年にはトルコのシリア北東部への侵攻による制裁を受けた。

トルコへの制裁は、バイデン政権へ交代した後も緩和される見込みは低い。バイデン氏は2019年12月末、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでエルドアントルコ大統領を独裁者と批判している。融和的なムードは期待しにくい。

米国によるトルコ制裁が続く場合、トルコリラ価格を押し下げるだろう。

カタール問題の解消

2017年6月、サウジアラビアなどの中東4カ国はカタールとの国交を断絶した。トルコは仲裁役として名乗り出たが、サウジアラビアからの不信を買い、トルコの対サウジ輸出は急減した。

2021年1月4日、サウジアラビアは約3年半続いたカタール国境と空域の開放を明らかにした。イラン包囲網を強めたい米国が仲介したと見られる。カタール問題解決が前進すれば、板ばさみになっていたトルコ経済にはプラスになろう。

ただし、より孤立が進むイランの地政学的なリスクには留意したい。

EU加盟に向けた動き

トルコはEU加盟に向け動いてきた経緯がある。欧州委員会は2004年10月、トルコに対しEU加盟交渉開始を勧告した。しかし2021年1月現在、未だトルコはEU加盟を実現できていない。

むしろ近年ではトルコのEU加盟は遠のいている。欧州委員会は2019年5月、トルコのEU加盟に向けた報告書の中で、加盟国候補の地位は凍結されているとした。

トルコがEU加盟を実現できるかは不透明だが、仮に実現されればトルコ経済への恩恵は大きい。トルコリラの価格上昇が期待できるだろう。

2023年(トルコ共和国建国100周年)に向けた経済目標

トルコ国会2018年、建国100周年となる2023年に向けた「第11次開発計画(5カ年計画)」を採択した。2018年と比較し、2023年に向けて主に以下のような経済目標を掲げている。

  • 名目GDP:7,840億米ドル→1兆800億米ドル
  • 1人あたりGDP:9,632米ドル→1万2,484米ドル
  • 経常赤字:▲271億米ドル→▲99億米ドル
  • インフレ率:20.3%→5.0%

上記目標は、一般的に通貨の上昇要因だ。新型コロナウイルス感染拡大や米国からの経済制裁が影を落としているため、実現は不透明であるものの、マーケットで期待されればトルコリラ価格の上昇要因となるだろう。

X会社の組み合わせはこちら(特化記事)

FX会社名 ポイント
DMM FX 口座開設数は国内最大級
SBI FXトレード 最小1通貨から取引可能、積立FXも対応
LIGHT FX スワップポイントに定評、実践的な情報コンテンツ
外為ジャパン 1,000通貨単位、クイック入金や24時間サポート体制
楽天FX 楽天ポイント・グループのシナジーで若者が流入
マネックス証券 リスク管理しやすい仕様、外貨出金が可能
LINE FX シンプル設計や通知機能がライトユーザーに便利
ゴールデンウェイジャパン スプレッド業界最狭水準、MT4利用可
FXブロードネット 豊富な取引コースや自動売買が好評
LION FX(ヒロセ通商) 最高水準の取扱通貨ペア数、多様なキャンペーン
ネオモバFX Tポイント利用可、少額からの投資にも強み
トライオートFX 自分で自由度高く作成可能な「設定型」の自動売買
JFX 約定力に定評、スキャルピングも
セントラル短資FX 値動きを予測する「みらいチャート」が好評
OANDA Japan 豊富なテクニカル指標・描画オブジェクト標準装備
アヴァトレード・ジャパン 日本初MT5に対応
アイネットFX 裁量取引も、自動売買取引も可能
更新日:2021/01/25

動画でもFXを勉強(松井証券によるFX動画の例)

たとえば「MATSUI FX」(通貨ペアの追加や主要ネット証券初の1通貨単位取引導入など、2021年2月にサービス内容がリニューアルされた)を運営する松井証券は以下のように動画でFXについて解説するシリーズを用意している。

(画像:Shutterstock)

この記事をシェアする