トルコリラの特徴・今後の見通し|トルコリラを取り扱うおすすめのFX会社を紹介

トルコリラの特徴
FXは運用効率が高い投資の一つにあげられる。
「トレードを繰り返して得られる売買差益」の他に「異なる通貨同士の金利差によって得られるスワップポイント」を積み重ねることで資産を増やしていくことが可能である。
頻繁にチャートをチェックする必要がないことから、FX口座に預金をするような感覚で取り組めるため、サラリーマンや主婦といった日中頻繁にトレードができない方にもマッチした手法といえるだろう。
ただし日本円の預金とは異なり、為替変動によるリスクが生じることは理解しておきたい。
この記事では、スワップポイントが高い代表的な通貨として挙げられるトルコリラの特徴を解説していくので、今後の運用の参考にしてほしい。
代表的な高金利通貨の一つ
FX市場においてトルコリラは代表的な高金利通貨の一つにあげられており、現在の政策金利は19%という他の通貨とは一線を画した高水準となっている。
この背景としては、米国の長期金利上昇とトルコの政策不透明感によってトルコリラ安が起こっていた2018年初頭、トルコ安に歯止めをかけるために政策金利を引き上げていき、2018年9月には24%となった。
インフレ率低下や新政府の方針転換により一時は8.25%まで低下したが、トルコリラの下落圧力が継続していることから2021年12月現在で15%まで引き上げられている。
トルコはなぜ経済状況が悪いにもかかわらず政策金利を大幅に引き上げることがあるのか。
これはアメリカとの関係性が悪化すると資本流出が止まらず、トルコリラの下落が止まらない場合は、通貨安防衛のために政策金利を急激に引き上げることがある。
経済が悪化する中で政策金利を引き上げるという選択は先進国の場合にはおこなわれない選択肢だが、海外からの輸入に頼っているトルコは、トルコリラ安の影響がより経済に悪影響を与えるようになる。
上記のような理由から政策金利を引き上げ、トルコリラ高に操作するという意図がある。
足元は政策金利が引き下げ方向で政策運営されているため、政策金利は低下方向で進んでおり、スワップポイントは低下してきている。
トルコリラの政策金利の決定方法は先進国とは少し異なる
通常政策金利の決定は、各国の中央銀行が経済状況を判断して独自で設定している。
トルコはエルドアン大統領の強権政治の国であり、エルドアン大統領の意向というものが中央銀行の政策運営に影響を与えることがある。
そのため、トルコ中央銀行が金利を引き下げるべきと考えていたとしても、エルドアン大統領の圧力で中央銀行総裁が更迭されたり、辞任に追い込まれたりすることがある。
海外資金からの資金流入が重要な経常赤字国
トルコの主要輸出品目は自動車とその関連部品、次いで工業製品や貴金属であり、欧米を中心に一定以上のシェアを獲得している。
しかし、自国産業が比較的弱い傾向であることから、製造するための機械設備や燃料の大部分は他国から輸入するしかなく、結果的に輸出で得られる収入を輸入コストが上回っている慢性的な経常赤字国となってしまっている。
また、市場に流入する外資のフローの依存度も高い。
トルコリラをトレードする際は貴金属や原油といったコモディティ相場との相関関係に加えて、貿易赤字幅の増加、そして今般のコロナショックのような社会情勢の激変による観光客の減少等も通貨の下落要因として押さえておく必要があるだろう。
商品先物における金や銀、原油といった銘柄を指す言葉
先進国の経済情勢が強く影響する
トルコ経済は輸出貿易や観光事業の収入等、海外からの資金流入が主な収益ルートである性質上、先進国の金融政策方針や経済情勢の影響を受けやすい。
とくに関わりが強いEU圏の国々、米国の動向は大きな価格変動要因になり得るだろう。
それまでトルコから仕入れていた製品を自国生産に切り替える動きがあれば、経済的な先行き不透明感が増すことからトルコリラ安に繋がる可能性がある。
そして、先ほど解説した通りトルコは原油コストも経済を圧迫している要因であるため、世界的な好景気で原油価格が高騰すれば同じく下落要因になるだろう。
また、トルコはロシアとアメリカとの関係に敏感な国である。
アメリカから見た場合、ロシアと関係性を深めると経済制裁を加えたりすることがあるため、このような外交から生じるリスクによって為替レートが影響することもトルコリラを取引する上で大切なポイントとなる。
トルコリラ取扱いの注意点
ここからは、トルコリラを取引する際の注意点について見ていこう。
長期的なトルコリラ安が継続している
トルコは経済だけでなく脆弱な財政状況が継続しており、資金流出が継続している中、長期的に下落基調が続いている点には注意が必要だろう。
トルコリラ円は2008年のリーマンショック前は100円を超える水準であったが、2019年以降は防空システム配備を巡る米国との関係悪化や、様々な国内の政治的な問題等の要因から右肩下がりの動きが長期的に続いている。
スワップポイントを得るには高金利のトルコリラを買い、低金利の日本円を売る必要がある。
しかし、為替レートがスワップポイントで得られる金額以上に大きく下落した際は、高金利通貨に投資するメリットがなくなってしまう。
リスクコントロールに慣れていない初心者は、相場の下落が起こった際に資産の大部分を失ってしまう危険もあるため、こまめにマーケットニュースをチェックして適切にポジションを決済するなど対策してほしい。
実際には過去、リーマンショック前から下落する度にポジションを増加させ、長期的にレバレッジを低くしながら取引していたFX投資家もロスカットに遭うということが発生している。
そのため、過去にトルコリラの取引で失敗した例も調べて、どのようなことが失敗に繋がるのか自身で勉強しておくといいだろう。
先進国通貨ペアに比べてスプレッドが広い
FX会社の設定するスプレッドの幅は通貨の流動性に影響される傾向があり、先進国通貨ペアに比べて取引量の少ないトルコリラはスプレッドが広く設定されている。
トルコリラは値動きの幅が大きい通貨ではあるが、スプレッドの広さから短期トレードには向いていない通貨と言える。
そのため、取引する場合はある程度の期間を考えたトレードが望ましいと言える。
スプレッドは実質的な取引コストになるため、FX会社の設定を事前に確認して可能な限り狭いところを選ぶのがおすすめである。
地政学リスクによる価格変動に注意が必要
地政学リスクとは特定の地域が内包する政治、あるいは軍事的な緊張の高まりが地理的な位置関係の関りが深い地域、あるいは世界経済の先行き不透明感を拡大させるものである。
そして、中東、ロシア、ヨーロッパに囲まれているトルコにおけるリスクはとくに大きい。
ロシアからミサイルを購入したことで生じたNATO同盟国である米国との対立問題や、海洋資源開発におけるギリシャとの衝突、そして2020年のシリア内戦等は直接的な通貨の下落要因に発展している。
また、こういった軍事的・政治的な問題は1度勃発するとすぐには収束せずに、動きがある度に価格に影響を与えるケースもある。
そのため、トルコリラを取引する際はトルコに関連したトピックスを洗い出して、ニュースがリリースされたらすぐに把握できるようにしてほしい。
政策金利引き下げによるスワップポイントの低下
トルコリラは高金利通貨として人気が高い通貨であるが、政策金利の引き下げが決まると、毎月コンスタントに政策金利を引き下げていくことが多い。
それに合わせてスワップポイントも徐々に低下していく。
そのためスワップポイント狙いで取引している人は、政策金利の動向がどのように推移するかをこまめにチェックしておく必要があるだろう。
トルコリラの今後の見通し
トルコはこれまで慢性的な経常赤字国であったものの、近年少しずつ経済が上向いている兆候がある。
したがって、短期的にはコロナショックによる海外流入資金の減少によって引き続き下落基調である一方、中長期的には比較的ポジティブに通貨の上昇が見込めるだろう。
背景としては、2018年の対米関係悪化に起因する通貨安(通称:トルコショック)をトリガーに自国産業が弱まり、設備輸入に伴う貿易赤字が縮小したことで暫定的な経常収支を18年ぶりに黒字に転換させたことが挙げられる。
ただし、トルコの現政府は政策金利の引き上げに消極的な姿勢である。今後の中央銀行による政策金利発表に注意し、地政学リスクに関してもこまめに動向をチェックしてほしい。
足元のトルコリラは国内の物価上昇が止まらない中、金融政策の方向性がインフレを止めるには難しい政策金利の引き下げ方向で進めている。
今後、インフレ動向がどのように推移するか、そしてエルドアン政権がどのように対応するかチェックしておく必要があるだろう。
また世界経済の大きな動向にも影響を受ける国でもあるため、世界経済が持ち直しトルコ経済も観光業を中心に持ち直す状況となった場合は、トルコリラの上昇が期待できるということは頭に入れておくといいだろう。
トルコはエルドアン大統領の意見一つで中央銀行の金融政策が変わる国である。
このような独裁的な国家も珍しいため急変は必ずあると考えてトレードしてほしい。
トルコリラの取り引きをおすすめできる人・適していない人
- スワップポイントが高い
- 先進国の経済情勢が価格変動要因になる
- 流動性が低い
以上の通り、流動性が低いことからスプレッドが先進国通貨と比較しても広いため、頻繁にトレードを繰り返すには不向きである。
したがって、短期的に大きな利益を狙う手法よりも、中長期的にポジションを積み増していくような運用がマッチしており、経済的に繋がりのある国の通貨も並行取引することで効率良く相関分析ができるだろう。
トルコリラの取引をおすすめできる人
トルコリラはデイトレードやスキャルピングのような頻度で売買差益を狙うのではなく、数か月から数年単位ポジションを保有し続けるスワップトレードが適切である。
したがって、日中チャートをチェックできないFX投資家や、売買差益を積み重ねるよりも中長期的にじっくり運用していきたい方はトルコリラがおすすめといえるだろう。
また、経済的に影響力の強いドルやユーロ、人民元をメインにしている場合は相関分析をして効率的に運用することが可能であり、原油等のコモディティ価格との相関分析も有効である。
トルコリラの取引に適していない人
トルコリラは先進国通貨に比べて値動きが少ない特徴があるため、売買差益で短期的に資産を増やしたい方には適していないだろう。
また、経済情勢や地政学リスクをキャッチするためのファンダメンタルズ分析に自身のない方も、急落のリスクに対応しきれない可能性があることから、一定以上のスキルを身につけた上でチャレンジしてほしい。
トルコリラの取り扱いのあるFX会社
トルコリラを取引する際は、最大限有利な環境で運用できるFX会社を選定することも重要であり、スワップポイントの水準はもちろん取引ツールやサポート体制といった全体的なスペックも押さえる必要がある。
ここではトルコリラの取引におすすめのFX会社を解説する。
みんなのFX
出典:みんなのFX
みんなのFXでは、トルコリラ/円の2021年11月26日時点のスプレッドは1.6銭、買いスワップポイントは25円となっている。
業界最狭水準のスプレッド、高水準のスワップポイントとなっておりトルコリラなど高金利通貨の取引を行うには魅力的である。
また、自社開発した高速のシステムは社内バックテストで99.9%という約定率を記録している。そのためスリッページのリスクも極めて低く、安定した取引が可能である。
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MATSUI FX
出典:MATSUI FX
MATSUI FXのトルコリラ/円の2021年11月26日時点のスプレッドは2.9銭、買いスワップポイントは25円となっている。
スプレッドは業界最狭水準となっており、取引手数料も0円なので取引コストを抑えられるのが魅力だ。
また、取扱全通貨ペアで1通貨単位から取引可能であり、レバレッジは1倍、5倍、10倍、25倍の4種類のコースから自身の投資スタイルにあわせて選ぶことができる。
取引ツールは2つ用意されており、パソコンやタブレットで利用できる「FXトレーダー・プラス」はMATSUI FXのLINE公式アカウントと一部機能の連携が可能である。