LINEが発行する仮想通貨LINKとは? その特徴と将来性を解説

LINEグループが独自に開発したLINK(リンク、シンボル:LN)は、LINE内のサービスと連携することを特徴とした暗号資産(仮想通貨)である。この記事ではこのLINKについて解説する。
なお、ChainlinkというブロックチェーンにもLINK(リンク、シンボル:LN)という名の仮想通貨があるが、本記事で紹介するものとは一切関係のない、まったく別の仮想通貨である。
LINKとは?
LINKの概要
LINK(シンボルはLN)は、LINEグループのLINE TECH PLUS PTE. LTD.が2018年9月に開発した仮想通貨で、LINE Blockchainシステム上で利用できる独自のネイティブトークンである。発行上限が設けられており、発行開始初期の3年間は1億LN、2022年6月30日現在の流通量は598 万LN程度となっている。
全世界で1.7億人のユーザー数を誇るLINEが、LINEトークンエコノミー実現の為に開発したものがLINKだ。LINEサービスの成長に貢献したユーザーへの還元を目的に開発された。
その大きな特徴はLINE内のサービスとの連携である。例えば、LINE Blockchain上の様々なサービスで代金や手数料の支払いをLINKでできるほか、サービスを使ったユーザーにはその「貢献」への対価としてトークン発行という対価が与えられるプログラムも用意されている。
LINKのこれまでの価格動向
2022年6月30日現在、LINKの価格はおよそ4,520円。時価総額は約270億円。CoinMarketCapのランキングにおいて時価総額は229位にランクインしている。
総発行量は10億LN。うち、8億LNはユーザーへのインセンティブ。残りの2億LNをリザーブし、LINE TECH PLUS PTE. LTD.が管理している。
LINKのチャート
LINKは2021年年初は、1,567.32円程度で推移していたが、3月に一時37,552円の最高値を付けその後大きく後退。11月末に再度35,000円を超えたが、12月以降は調整傾向。2022年6月19日には3,900円台の安値 を付けている。
最高値から見れば値下がりしている状況ではあるが、2021年初比で2022年6月30日時点の価格は約3倍の上昇となっている。

仮想通貨LINKのメリット
現在のところ、LINKは数ある草コインの1つに過ぎないが、LINEが提供していることもあり、信頼度が他の暗号資産と比べて高いのが特徴だ。LINKのメリットは以下のようなものだ。
- LINEトークンエコノミーの基軸通貨でありLINEとの連携が強い。
- 既存LINEユーザーにとって身近に感じやすい仮想通貨になり得る。
- NFTマーケットもリリースしたので将来性もある
マーケットプレイス「LINE NFT」
2021年6月30日、ブロックチェーン上のデジタル資産管理ウォレットLINE BITMAX Walletを運営しているLINEグループのLVC社がNFT(非代替性トークン)の販売と取引を総合的に行えるマーケットプレイス「LINE NFT」を2022年春を目途にサービス提供を発表した。
LINE NFTは8月からβ版が運営を開始しており、LINE独自のブロックチェーンを基盤としたNFTアイテムを取引することが可能だ。ここで利用できる仮想通貨こそ、LINE独自開発のネイティブトークンであるLINKである。
日本でも米国に少し遅れてNFTの開発や販売量が増加傾向にある。国内8900万人というLINEユーザーが自由にNFTを取引できるようになれば、国内でもNFTの取引がより活発になると期待されている。
NFTとは
NFTとは「Non-Fungible Token(ノン-ファンジャブル トークン)」の略であり、「非代替性トークン」とも訳される。代替性がない唯一無二のトークンのことで、他のトークンとは明確に区別できる。この特徴から所有者を客観的に証明できるため、デジタルアートにひも付ける「所有証明書」のような利用がなされてきた。
DappsやNFTの開発・提供が今後さらに加速していく
国内屈指のユーザー数を誇るLINEをバックにしているとはいえ、最終的にLINKの普及の決め手となるのは、ユーザーを惹きつける魅力的なサービスや、どうしても入手したいブロックチェーン上のゲームアイテムなどのコンテンツを用意できるか否かであろう。
そのため、LINE Blockchainでは、事業者向けの開発ツールを公開し、自社サービスでの独自トークンが簡単にできる仕組みを構築している。Dapps(分散型アプリケーション)やNFTの開発・提供の加速化が期待されている。開発者向けのプラットフォームを2020年8月にリリース後、100社超の利用申請が届くなど、企業側・開発者側からの関心の高さが伺える。
Yahoo!との経営統合による影響
2021年3月1日、Yahoo!を傘下に持つZHDとLINEの経営統合が発表され、現在LINEは新制ZHDのグループ会社となっている。ZHDはYahoo!オークション(「ヤフオク!」)など、200以上のサービス展開及び1500万クライアントを誇るインターネットサービス企業グループのため、経営統合によるシナジーが期待されています。
日本最大級のネットオークション・サービスである「ヤフオク!」とLINE BITMAX Walletの連携は既に予定されており、LINE Blockchain上で発行されたNFTについて、ヤフオク!での出品や落札が可能になるという。
仮想通貨LINKのデメリット
LINKのデメリットとして考えられるのは2点。
- 現在は上場先が少ない
- dApps(分散型アプリ)のラインナップが少ない
LINKの取扱いは現状「BITFRONT(ビットフロント)」、「Bithumb(ビッサム)」、「LINE BITMAX(ライン ビットマックス)」の3社しかない。このうち「BITFRONT」と「Bithumb」とは海外仮想通貨取引所となっており、日本国内向けのサービスは行っていない。「LINE BITMAX」がLINKを取り扱う日本国内唯一の仮想通貨取引所となる。
また、注目されているdApps(分散型アプリ)であるが、そのラインナップは数える程しかなく、キラーコンテンツは現状ほぼない。
仮想通貨LINKの将来性
仮想通貨LINKの将来性としては、以下の点が注目されている。
新規取引所追加上場がされるか
現状日本居住者が取引可能な仮想通貨取引所はLINE BITMAXのみだ。今後、他の仮想通貨取引所での新規取引追加上場されるかが、LINKの将来性、LINEトークンエコノミーの普及を決めるポイントとなるだろう。
決済事業者との提携ができ、決済としての利用が増えるかどうか
経営統合により、国内8900万人のLINEのユーザーとヤフオク!の1500万クライアントを抱えることになり、LINEトークンエコノミーの基盤は作られつつあるといえる。
しかし、現状LINE Blockchain上で入手できるLINKは使用用途が限られており、LINE BITMAX WalletのNFTマーケットβでのNFTコンテンツ購入か、LINKを売却しLINE Payで通常の買い物で使用するくらいしかない。
今後、LINKでの決済を認める決済事業者が増え、LINKを決済で利用するユーザーが増えるかが重要である。LINKを活用した経済圏が拡大すれば、需要の増加から価格上昇にも期待できるだろう。
NFT関連サービスの拡張により需要が増えるかどうか
2021年12月23日現在、公式ページにて開示されているNFT関連サービスは以下の通り。
- モバイルRPGゲーム「Knight Story(ナイトストーリー)」
- ソーシャルメディア「aFan」
- MMO戦略ゲーム「リーグオブキングダム for LINE Blockchain」
- コインプッシュゲーム「CryptoDozer」
- コインプッシュゲーム「DozerBird(ドーザーバード)」
- ソーシャルカラオケアプリ「SOMESING」
- ビデオストリーミングプラットフォーム「THETA」
LVC社が運営する「LINE NFT」のマーケットプレイスにおいて、LINKがより活発に取引される為には、NFT関連のサービス拡張が必要不可欠である。NFT関連サービスの拡張及び拡充により、ユーザーの需要が増えるか否かが注目されている。
dAppsの拡大による価値向上が見込めるか
2021年3月にLINKが高騰した要因として、ビデオストリーミングプラットフォーム「THETA」の日本向けサービスをリリースしたことが挙げられる。「THETA」は既に海外で人気のサービスであり、LINKの価値が向上したと市場が受け取った形になる。
今後、「THETA]のような人気のサービスをいかに拡大できるか、dAppsの拡大によるキラーコンテンツを拡充できるかが、更なる価値向上につながるのは間違いない。
今後の価格予想
LINKの価格は、LINEトークンエコノミー構想の浸透に命運が掛かっていると言っても過言ではない。
2022年末には約2倍になる想定
LINE Blockchain 2021 Plansでは、4つの事業プランが公表されている。
- 新規仮想通貨取引所への上場
- 決済事業者との提携
- NFT関連サービスの拡張
- dAppsの拡大
これらのリリースタイミングで大きな変動は想定されるが、2022年末には約2倍程度になると想定されている。
2026年には8万円手前の数値が見える可能性もある
LINEの想定通りにLINEトークンエコノミーが普及するか懐疑的な意見も見られるが、国内屈指のネットワークインフラであるLINEが手掛けるこの構想への期待値は高い。LINE Blockchain 2021 Plansが着実に実行されていけば、2026年には8万円手前までの価値になるのではと期待されている。
LINKを買いたいならLINE BITMAX
2022年6月30日現在、日本国内のユーザーがLINKを購入したい場合、LINE BITMAXを利用するしかない。
LINEアプリと一体化し、直感的に使えるUIがLINE BITMAXの魅力的だ。初心者にとって仮想通貨取引を始めるまでのハードルは高く感じられるだろうが、LINE BITMAXであれば、使い慣れたLINE以外のアプリは不要で、シンプルかつスピーディーに始めることが可能である。また、LINE Pay経由で入金ができるなど、LINEならではの特徴を有している。
LINE BITMAXの取扱銘柄
- リンク(LN)
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
LINE BITMAXの手数料
LINE BITMAXでは取引手数料が発生しない 。これは「販売所方式」による取引のためだ。販売所方式とは取引所が相手方となって取引を行う方法で、LINE BITMAXが提示するレートで売買を行う。スプレッド(取引コスト)を加味したレートが提示されるため、別途取引手数料は無料だ。
対して「取引所方式」は投資家同士で取引を行う方法で、買い手と売り手の双方が提示したレートで売買を行う。レートが合致すれば取引が成立するが、一般的に取引手数料が別途かかる。ただしLINE BITMAXでは取引所方式による売買には対応していない。
その他の手数料情報は以下のとおり。
【入金手数料】
LINE Pay:無料
銀行口座:無料(振込元金融機関の手数料がかかる)
【出金手数料】
LINE Pay:110円
銀行口座:400円
【出庫手数料】
- リンク(LN):取り扱いなし
- ビットコイン(BTC):0.001BTC
- イーサリアム(ETH):0.005ETH
- リップル(XRP):0.15XRP
- ビットコインキャッシュ(BCH):0.001BCH
- ライトコイン(LTC):0.001LTC
※入庫はいずれも無料
※LINE BITMAXユーザー間の入出庫はいずれも無料
LINKの買い方
LINKを購入するためにはLINE BITMAXで口座開設を行う必要がある。口座開設は以下の手順で行う。
LINE BITMAX 口座開設の手順
- アプリ「LINE」を起ち上げ、ウォレット→LINE BITMAX と遷移
- 「口座開設へ進む」をタップし、規約等に同意し個人情報を入力
- 本人確認
本人確認はスマートフォンのカメラで本人確認書類と自身の顔を撮影して提出する。利用できる本人確認書類は以下の6種類だ。
【提出できる本人確認書類】
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 在留カード
- 運転経歴証明書
- 特別永住者証明書
- パスポート(2020年2月4日以降に申請されたものは不可)
口座開設後、入金して取引を行う。リンクの最低取引金額は1円で、取引単位は0.000001 LN だ。無理のない範囲での取引をおすすめする。
まとめ
LINKはLINEグループが開発した暗号資産で、LINEサービスへの貢献度が高いユーザーへの還元を目的に開発された 。LINE経済圏の拡大を期待するなら投資を検討すべき銘柄といえるだろう。
LINKは2022年6月30日現在、LINE BITMAX以外の取引所に取り扱いがない。LINKを購入するならLINE BITMAXで口座を開設してほしい。
(画像:Shutterstock)