暗号資産の積立投資、メリットは?おすすめ通貨は?

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従来、流動性が高い投資先としては、株式や債券、外貨などがメジャーだったが、この10年ほどで「暗号資産」(仮想通貨)への投資もかなり根付いた。値上がりの幅が株式と比べても大きかったため、個人投資家の投資マネーの一部は暗号資産に向かった。

そんな暗号資産への投資は、チャートを分析しながらスポットで都度購入し、短期売買もしくは暗号資産の将来性を見込んで長期投資をするといったアプローチが主流だったが、ここ数年は「積立投資」にも注目が集まりつつある

暗号資産の積立投資にはどのようなメリットがあるのだろうか。ちなみに株式投資の世界では積立投資はすでに一般化しており、それは積立投資にはリスクを軽減できるという利点があるからだ。では、暗号資産の積立投資でも同じことが言えるのだろうか。

積立投資のメリットは?

まず、暗号資産での積立投資に関わらず、一般的に積立投資にはどのようなメリットがあるのかを説明していこう。積立投資のメリットは大きく分けて4つある。

極端な高値掴みをせずに済む

まず、結果的に極端な高値掴みを避けることができるのが、大きなメリットの1つであると言える。

投資の時期を分散すれば、価格が高いときに投資をすることもあれば、価格が安いときに投資をすることもあるため、長い目でみれば結果としてその投資対象の平均的な価値で投資を続けることができるというわけだ。

こうしたアプローチをとり、かつ一定金額と一定周期で購入する方法を「ドルコスト平均法」と呼ぶ。この方法では、価格が安くなったから大きな金額を投資したり、途中で利益を確定するために累計投資分を全て売却したり、といったことはしない。

投資の初期に大きな損失が出ない

積立投資では投資タイミングを分散させるため、1年目の投資金額は少なく済む。

例えば1,000万円を毎年1月に100万円ずつある金融商品に積立投資したとしよう。積立1年目の投資額は100万円で、仮にこの年に価値が5%下がったとしても、含み損は5万円にとどまる。しかし、1月に1,000万円を一括投資していたら、50万円の含み損が発生することになる。

もちろん投資額が少なくなれば、投資対象の価値が上がった場合、含み益も少ない水準にとどまるが、リスクを軽減するためには積立投資が有効であることは分かっていただけるかと思う。

感情に左右されずに投資を続けられる

ドルコスト平均法の方法で一定金額・一定周期で積立投資を粛々と続ける場合、そこに「人間の感情」が入り込む余地がない。

投資をしていると「もっと価値が上がりそうだ」「このまま下落が続いたらどうしよう」などと、さまざまな感情が生まれる。投資をしたことがある人なら分かるはずだ。特に価格が下落時には焦って「狼狽売り」をしてしまう人も少なくないが、そのタイミングが相場の底だった場合、ただ損失を出して投資を手仕舞いしたことになる。

しかし積立投資であれば、極端にいえばチャートを見なくてもいいため、こうした自分の感情に左右されずに投資を続けることができる。

チャートを見る手間などが必要ない

ここまで説明する中で気付いたと思うが、積立投資では最初に投資する金額・周期を決めてしまえば、日々チャートをチェックする必要がない。通常、チャートを分析するには一定の時間を要するため、積立投資は時間の節約にもなるわけだ。

暗号資産で積立投資を行うメリットは?

暗号資産でもこうした積立投資のメリットを同じように享受できる。特に、暗号資産は株式などに比べてボラティリティ(※価格の変動率)が大きめのため、価格の下落時に焦ってしまいやすい。こうしたことを避けられるのは大きな利点であると言える。

積立投資のデメリットは?

一方、積立投資にデメリットがないわけでもない。

大きな利益を逃すことがある

ある投資対象が10年という期間で100倍になった場合、1年目に全ての金額を投資していれば、自分の資産も100倍になる。しかし、10年間かけて自分の資産を徐々に投資をしていく場合、資産価値は増えるものの100倍よりは小さくなる。

長期で右肩下がりになる場合は損失を出す

投資対象の資産価値が結果として右肩下がりになる場合、結果的に積立投資で損失を出すことになる。

暗号資産で積立投資を行うデメリットは?

こうしたデメリットは暗号資産の積立投資にも当てはまる。特に暗号資産に対する評価はまだ市場で大きく揺れ動くこともあるため、長期的な将来性があるかないかは、日々のニュースをチェックするなどして、自分で分析をし続けるのがおすすめだ。

積立投資はどの通貨で行うのがオススメ?

前述の通り、積立投資では長期的に価値が下がっていく場合、損失を出すことになってしまう。そのため暗号資産の積立投資においても、なるべく価値が長い目でみて右肩上がりになっていきそうな暗号資産に投資するのがおすすめだ。

ビットコイン:特徴は「時価総額トップ」

ビットコインは仮想通貨の時価総額で首位であるため、投資先として選ばれやすい。つまり「買い」が増えやすいと予測することができ、将来に対する期待は大きい。

イーサリアム:実用性で将来性に期待感

イーサリアムには「スマートコントラクト」といった実用性が高い仕組みが設けられており、さまざまなシーンで導入されつつあり、今後も値上がりが期待される。

各取引所の自動積立サービスの概要

続いて、自動積立サービスを手数料無料で提供している暗号資産取引所を紹介していこう。

Coincheckの特徴

Coincheckは「Coincheckつみたて」の名称で自動積立サービスを提供している。対象通貨は16種類で、最低購入金額は1万円だ。1日1回や月1回という投資周期が選べる。

bitFlyerの特徴

bitFlyerでは「かんたん積立」という名称でサービスが提供されている。対象通貨は19種類で、1円から積立金額を任意で設定できる。積立周期は1日1回から細かく設定できる。

GMOコインの特徴

GOMコインは「つみたて暗号資産」というサービスを提供し、19種類の仮想通貨に投資することが可能だ。最低投資金額は500円で、以降、500円単位で金額を選べる。

暗号資産の積立投資に関するQ&A

暗号資産の積立投資のメリットは?

極端な高値掴みをせずに済むことや、感情に左右されずに投資を続けられることだ。

暗号資産の積立投資のデメリットは?

一括投資と比べると、短期間で大きな利益を狙いにくい。

暗号資産の積立投資が可能な主な取引所は?

CoincheckやbitFlyer、GMOコインなどが挙げられる。

暗号資産の積立投資で選びたい仮想通貨は?

長期で右肩上がりになりそうな暗号資産が適しており、ビットコインやイーサリアムなどが挙げられる。

しっかりとした分析で投資対象選びを

積立投資のメリットは暗号資産の投資においても享受できる。ただし、株式投資の場合と同様、どの銘柄(暗号資産)を選ぶかによって、リターンを出せるかは変わってくる。どのような金額をどのような周期で、といった検討のほか、この点についてもしっかりとした分析をしたいところだ。

参考文献

Coincheckつみたて|ビットコイン・暗号資産の積立投資ならCoincheck(コインチェック)
https://coincheck.com/ja/reserves_lp

bitFlyer かんたん積立|1円から暗号資産の積み立てができる!
https://bitflyer.com/ja-jp/static/recurring-buy

つみたて暗号資産|ビットコイン・暗号資産(仮想通貨)ならGMOコイン
https://coin.z.com/jp/corp/product/info/tsumitate/

(画像:Shutterstock)

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