FSB議長、G20会合を前にステーブルコインを優先事項に

- FSBのアンドリュー・ベイリー議長は、支払いや決済におけるステーブルコインの役割の評価がFSBの優先事項となると述べた。
- アメリカ上院がステーブルコイン法案「ジーニアス」を可決したことを受け、ステーブルコインは世界各地の規制当局にとってますます優先事項となっている。
金融安定理事会(FSB)議長に就任したばかりのイングランド銀行(Bank of England)総裁、アンドリュー・ベイリー(Andrew Bailey)氏は14日、G20に宛てた書簡の中で、支払いや決済におけるステーブルコインの役割の評価がFSBの優先事項になると述べた。
7月に議長に就任したベイリー氏は、17日から始まる2日間のG20会合を前に、FSBは合意されたステーブルコインに関する勧告の実施を継続し、各国の法域にまたがってこの分野の動向を監視すべきだと述べた。
世界的な金融安定を促進するFSBは2021年、ステーブルコインの台頭による世界経済への混乱を防止する目的で、ステーブルコインを監視するための規則を提案した。昨年には、普及率の高い新興国や発展途上国においてステーブルコインが引き起こす課題に関する取り組みを強化すると表明していた。
また、ベイリー氏は最近タイムズ(The Times)のインタビューで、世界的な投資銀行が独自のステーブルコインを開発することに警鐘を鳴らした。同氏は、ステーブルコインが信用創造や金融政策の管理を弱める可能性があると主張した。
ステーブルコインはますます世界各地の規制当局にとって優先事項になっている。アメリカ上院は最近、ステーブルコインに関する法案「ジーニアス(GENIUS)」を可決しており、ステーブルコイン市場は過去最高の規模に達している。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:FSB Chair Makes Stablecoins a Priority Ahead of G20 Meeting