新会社オルタナ信託、初受託案件「川崎・商業施設ST」登場──地域の「生活インフラ」に10万円から投資可能
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栃山直樹

三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)は7月23日、子会社であるオルタナ信託の初受託案件となる、新たなセキュリティ・トークン(ST)の募集をデジタル証券プラットフォーム「ALTERNA」上で開始したと発表した。
今回発表されたSTは「三井物産グループのデジタル証券〜川崎・商業〜(譲渡制限付)」。投資対象は神奈川県川崎市宮前区の商業施設「宮前ショッピングセンター」で、不動産鑑定価格は約60億円(2025年5月31日時点)に上るという。

本STは受益証券発行信託の受益権をトークン化したもので、想定利回りは年率4.5%(税引前)、運用期間は約5年2カ月が予定されている。最低投資単位は10万円からで、ブロックチェーン基盤にはBOOSTRYが提供する「ibet for Fin」が採用された。
裏付け資産である商業施設は、スーパーマーケット「マルエツ」とホームセンター「ビバホーム」が長期の固定賃料契約で入居している。
施設の商圏人口(半径5km圏内)は約82.6万人であり、近隣エリアでは大規模な再開発も計画されていることから、安定した事業基盤を持つとリリースに記されている。
オルタナ信託は、MDMと三井住友信託銀行が共同で設立したデジタル証券専門の信託会社である。MDMのAI技術と三井住友信託の信託業務ノウハウを融合させ、ST組成プロセスを効率化することを目的としている。7月3日より営業を開始していた。
|文:栃山直樹
|画像:リリースから