- JPモルガン(JPMorgan)は、ロビンフッド(Robinhood)の2026年の目標株価を、2025年の47ドルの約2倍となる98ドルに設定した。
- ロビンフッドは7月30日、株式市場閉場後に第2四半期の決算を発表する予定で、1株当たり純利益(EPS)は31セントと予想されている。
- ロビンフッドの株価は、年初から170%上昇している。
JPモルガンは、取引プラットフォーム、ロビンフッドの2026年の目標株価を98ドルに設定した。これは2025年の47ドルから上昇したもので、新たな製品リリースと欧州の暗号資産(仮想通貨)取引所ビットスタンプ(Bitstamp)の買収をその理由に挙げている。
ロビンフッドは7月30日、第2四半期の決算を発表する予定だ。
JPモルガンはロビンフッドの株式に対して「ニュートラル」の評価を維持しており、1株当たり純利益(EPS)は前年同期の21セントから31セントに増加すると予想している。これはFactSetの予想と一致するもので、取引ベースの収益は5億1500万ドル(約760億円、1ドル=148円換算)に達すると予想されている。
FactSetの推定によると、暗号資産取引による収益は前年同期の8100万ドルから1億6930万ドルに倍増すると見込まれている。
それでも、これは第1四半期の2億4700万ドルを大幅に下回る水準で、デジタル資産市場のボラティリティと取引高にロビンフッドも影響を受けることを示している。
カリフォルニア州メンローパークに本社を置くロビンフッドの株式は、今年に入って170%上昇している。当記事執筆時点では0.7%下落し、105.95ドルで取引されている。
JPモルガンは、ロビンフッドの暗号資産とトークン化金融分野への進出が営業レバレッジを強化し、長期的な成長可能性を創出すると指摘している。
これには、6月に完了した暗号資産取引所ビットスタンプの2億ドルの買収や、最近の一連の新製品リリースが含まれる。
その中でも最も注目すべきは、ロビンフッドが欧州連合(EU)でトークン化された株式取引に参入したことだ。これは今月、EUのMiCA規制枠組みの下で開始された。
投資会社コンパス・ポイント(Compass Point)によると、欧州のロビンフッドユーザーは現在、200銘柄を超えるトークン化された株式とETFをほぼ24時間体制で取引できる。ビットスタンプのオーダーブックが統合されれば、完全な年中無休アクセスが実現する見込みだ。
ロビンフッドは、オーダーフローに対する支払いが禁止されている管轄区域において、ドル換算に0.1%の手数料を課している。
ロビンフッドは、オープンAI(OpenAI)やスペースX(SpaceX)のような非公開企業のトークン化された株式という、EUユーザーが従来は投資できなかった商品へのアクセスの提供によって、将来の分散型金融(DeFi)のユースケースも可能にする計画だ。
このような収益源は依然として初期段階にあるが、コンパス・ポイントによると、米国規制当局はトークン化のコンセプトに前向きな兆候を示している。
米証券取引委員会(SEC)は最近、トークン化された株式取引に特化したスタートアップのディナリ(Dinari)にブローカー・ディーラーライセンスを付与し、ロビンフッドを含む同様のプラットフォームが米国内で浸透する可能性を示唆している。
ロビンフッドの決算報告ではある程度の成長が見込まれる中、ウォール街はロビンフッドの将来に一段と大きく賭け始めているようだ。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Ink Drop / Shutterstock.com
|原文:Robinhood Price Target Doubled by JPMorgan on Crypto and Tokenization Bets


