ベース、トークン発行数でソラナ抜く──コインベースの「SocialFi」シフトが後押し
  • ベースは、Dune Analyticsによると、1日あたりのトークン発行数でソラナを超えた。Zoraの「クリエーター・コイン(Creator Coins)」人気がその要因だ。
  • コインベースが7月に「Base App」をリブランディングしたことが、ベースの新規ユーザー増加とトークン発行を後押しした。
  • Zoraは、約300万人のトレーダーと4億7000万ドルの取引高を記録、クリエイター・エコノミーにおけるベースのポジションが拡大している。

ベース(Base)──米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が手掛けるイーサリアム・レイヤー2ネットワーク──は、Dune Analyticsのデータによると、1日あたりのトークン発行数でソラナを抜いた。

背景には、すべての投稿が金融資産となる新興のオンチェーン・ソーシャル・ネットワーク「Zora」人気がある。コインベースは7月、Base Appをオンチェーン・ソーシャルファイナンス、いわゆる「SocialFi」のための消費者向けゲートウェイにリブランディングしていた。

リニューアルされたBase Appは、ソーシャル・フィードとトークン発行を融合させ、ユーザーが投稿から直接トークンを発行できるようになっている。これにより、ベース上で動作する、あまり知られていなかった暗号資産ZORAが急騰。最近はやや落ち着いたものの、CoinMarketCapのデータによると当記事執筆時点、過去1カ月では500%を超える上昇を維持している。

Base Appのリブランディング以来、Zoraは過去最高の動きを見せている。Duneによると、Zoraの「クリエーター・コイン」の発行枚数は160万枚を超え、ユニーク・トレーダー数は約300万人、総取引高は4億7000万ドル(約690億円、1ドル147円換算)を超えている。

「クリエーターコイン・モデルはシンプルだが強力だ」とDuneは述べた。

「各コインの供給量は10億枚で固定されており、半分は5年をかけてクリエーターに分配され、残りの半分は市場に公開される。すべての取引でZORA価格の1%がコンテンツのオリジナル作成者に還元され、エンゲージメントと収益がダイレクトにリンクしている」

「クリエーター・コイン」モデルは、トークン発行を従来のソーシャルメディアのようにシンプルにし、投稿が即座に取引可能になる点で注目されているが、批判もある。

TK Researchによると、Zoraのトークン作成と新規ユーザーの勢いは力強い。だが、Zoraユーザーの多くはトレーダーであり、短期的な投機に傾いている可能性があるという。一方でユースケースが乏しい点では、ミームコインと同様だという声もある。

Zoraのガバナンス(あるいは、その欠如)も、ソーシャルメディアで批判を集めている。

議論は続いているが、現時点では「クリエーター・エコノミー」が個人投資家主導の動きにつながっているようだ。Duneは次のように記している。

「コンテンツ・コインが一時的な流行か、未来なのかについての議論は続いているが、確かなことは、ベースのミームコインとクリエイター・エコノミーは急成長しており、その中心にZoraがあることだ」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock
|原文:Base Takes Solana’s Crown in Token Creation as Coinbase’s ‘SocialFi’ Ignites Zora Boom