SEC、流動性ステーキングプロトコルは証券ではないと明言──DeFiは歓喜

- SECが5日の声明で流動性ステーキングプロトコルが証券法に抵触しないと明言したことを受け、LDOとRPLがそれぞれ4.5%と10.5%上昇した。
- DeFiLlamaによると、流動性ステーキングの総TVLは670億ドルで横ばいであり、Lidoは支配的な317億ドル(47%)のシェアを維持している。
- 法的明確化によって機関投資家の資金流入が促進される可能性があり、業界のリーダーらはこの決定を分散型ノンカストディアルステーキングインフラの正当性を示すものとして歓迎している。
米証券取引委員会(SEC)企業金融局(Division of Corporation Finance)は5日にスタッフ声明を発表。適切な構造を持つ流動性ステーキングプロトコルとそのレシートトークンが、一般的には米国法上の証券を構成しないと宣言した。
この明確化によって、トークン価格とプロトコル活動は緩やかに上昇している。Lido(リド)のガバナンストークンであるLDOは、0.88ドルから0.92ドル(約130円、1ドル145円換算)まで約4.5%上昇した後、サポートラインまで反落した。同様に、Rocket Pool(ロケットプール)のRPLトークンは6.59ドルから10.5%上昇して7.28ドル(約1060円)に達した後、上げ幅を縮小した。
DeFiLlamaのデータでは、流動性ステーキングの預かり資産(Total Value Locked:TVL)合計は約670億ドル(約9兆7150億円)。リドが317億ドルで支配的な地位にあり、市場シェアの47%を維持している。トークン価格の値動きにもかかわらず、ステーキングプロトコルへの資金流入は依然として安定しており、資金ローテーションに大きな変化は見られていない。
流動性ステーキングトークンおよび分散型ステーキングプラットフォームに関連するガバナンストークンに対しては、控えめなプラスの反応が示された。CoinGeckoおよびDeFiLlamaのデータでは、緩やかな上昇傾向が見られ、一部トークンは5%から10%上昇した。
SECによる明確化は、資金流入の急増につながったというより、基本的な信頼感を確立させたと捉える方が正確だろう。この判断は、これまで規制のグレーゾーンにあった分散型ステーキングモデルへの信頼を高める結果となった。
SECの明確化は、暗号資産(仮想通貨)法務界隈全体で即座に称賛された。ジト(Jito)法務チームの一員であるレベッカ・レッティグ(Rebecca Rettig)氏はXの記事で、これについて「エコシステム全体にわたる真のチームの取り組み」と評し、リキッドステーキングトークンがETF(上場投資信託)に導入される可能性を示唆した。
リドの最高法務責任者(CLO)であるサム・キム(Sam Kim)氏は、「ステーカーにとって大きな勝利だ。ステーカーは今や、ステーキングに参加して流動性のメリットを享受しながら、ステーキング資産の所有権を維持できるようになるからだ」と指摘した。
規制の明確化は、特に分散型金融(DeFi)による高利回り競争が激化する中で機関投資家の資金流入につながる可能性がある。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:DeFi Cheers as SEC Affirms Liquid Staking Protocols Aren’t Securities