リップル社、ステーブルコイン決済企業レイルを2億ドルで買収へ──RLUSDの強化目指す
  • レイルの買収は、リップル社がステーブルコイン「RLUSD」をローンチしたことを受けて急成長中のステーブルコイン・エコシステムへのさらなる進出を図るためのものだ。
  • レイルの機能には仮想口座と自動化されたバックオフィスシステムが含まれ、顧客は専用の暗号資産銀行口座や取引所のウォレットを開設することなくデジタル資産の取引を行うことができる。
  • 買収は今年第4四半期に完了する見込みだ。

リップル社(Ripple)は7日、ステーブルコイン決済プラットフォームであるレイル(Rail)を2億ドル(約290億円、1ドル145円換算)で買収すると発表した。

声明によると、買収は今年第4四半期に完了する見込みだ。レイルはトロントに拠点を置く決済プラットフォームで、ギャラクシー・ベンチャーズ(Galaxy Ventures)とアコンプリス(Accomplice)が支援している。

レイルの買収は、リップル社が昨年12月にステーブルコイン「RLUSD」をローンチしたことを受けて急成長中のステーブルコイン・エコシステムへのさらなる進出を図るためのものだ。

CoinMarketCapが追跡したデータによれば、RLUSDの時価総額は6億ドル(約870億円)を超え、ステーブルコインの中でも上位に位置している。

リップル社は以前、40億~50億ドル(約5800億~7250億円)でステーブルコイン大手サークル(Circle)社の買収を提案していたが、サークルは数週間前に上場を果たした。サークル社はそれ以来、IPO(新規株式公開)投資家に驚くべきリターンをもたらしている。

リップル社は4月にマルチアセット・プライムブローカーであるヒドゥン・ロード(Hidden Road)を12億5000万ドル(約1813億円)で買収しており、清算・融資業務を拡大して世界最大のノンバンク・プライムブローカーを生み出すことを目指している。

リップル社は今回の発表で、レイルの買収によってリップル社がより包括的なステーブルコイン決済サービスを提供することが可能になるだろうと述べた。レイルの機能には仮想口座と自動化されたバックオフィスシステムが含まれ、顧客は専用の暗号資産(仮想通貨)銀行口座や取引所のウォレットを開設することなくデジタル資産の取引を行うことができる。

リップルのモニカ・ロング(Monica Long)社長は、「ステーブルコインは急速に現代金融の基盤となりつつある。レイルがあることで、我々はグローバルな決済におけるステーブルコインとブロックチェーンのイノベーションや普及の次の段階を推進する唯一無二の立場にある」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Parikshit Mishra/CoinDesk
|原文:Ripple to Buy Stablecoin Payments Firm Rail for $200M to Boost RLUSD