XRP、強気派に警戒シグナル──ビットコインはブレイク待ち、イーサリアムは上昇
  • XRPは依然として重要水準の3.65ドル(以前、弱気パターンが出現した水準)を下回って推移しており、オンチェーンデータは保有者による利益確定の可能性を示している。
  • ビットコインは反発局面で下降チャネル内にとどまり、上昇トレンド継続のブレイク待ち
  • イーサリアムは長期の対称三角形を上抜け、新たな上昇トレンドに突入し過去最高値を目指す構え

XRP:まだ安心できない局面

エックス・アール・ピー(XRP)は7日に11%上昇し、ブルフラッグ型のパターンを上抜けたと報じられ、上昇モメンタムの再燃が示唆された。しかし、依然として先月、「ツイーザートップ(tweezer top)」と呼ばれる弱気のローソク足パターンが形成された水準の3.65ドルを大きく下回っており、明確な上昇転換とは言い切れない。

ツイーザートップは同じ高値で終わる2本のローソク足からなる弱気反転パターンで、今回のケースでは3.65ドルが明確な売り圧力の壁となった。市場が2度試みても突破できず、上昇モメンタムが止まったことを意味する。

チャートが強気転換するには、まず3.65ドルの供給圧力を突破し、弱気反転パターンを無効化する必要がある。

〈XRPの週次チャート:TradingView〉

しかし、簡単なことではない。オンチェーンデータによると、XRP保有者はかなりの含み益を抱えており、現水準で売却する動機が強いことが示唆されている。

リサーチ会社AlphractalはXに「XRPのネット未実現損益(Net Unrealized Profit/Loss:NUPL)は、2021年のピーク以来見られなかった高水準にあり、2018年の水準にも近づいている。こうした高水準は、歴史的に見て分配や価格調整が起こりやすい局面となっている」と投稿した。

〈XRPのネット未実現損益:Alphractal〉
  • レジスタンス:3.38ドル、3.65ドル、4.00ドル
  • サポート:2.99ドル、2.72ドル、2.65ドル

ビットコイン:ブレイク待ち

ビットコイン(BTC)の直近の反落は、大きな上昇トレンド(黄色ライン)の中で下降チャネル(白色ライン)を形成しており、典型的な「強気の一服」パターンとなっている。これは直近の上昇を消化する調整局面を示す。

50日単純移動平均線(SMA)からの反発も、この調整局面の強さを裏付けている。短期トレンドは依然として調整的だが、中長期的には上方向への動きが優勢であることを意味する。

〈ビットコインの価格推移:TradingView〉

下降チャネルを明確に上抜けすれば、上昇トレンドの継続が確認され、12万3000ドル超の過去最高値更新が視野に入る。一方で、5月の高値である11万1965ドルを下回る動きとなれば、10万ドルまでの下落リスクが高まる。

  • レジスタンス:12万ドル、12万2056ドル、12万3181ドル
  • サポート:11万1965ドル、10万4562ドル、10万ドル

イーサリアム:大幅ブレイクアウト

イーサリアム(ETH)は4年ぶりの高水準となる4200ドル超まで上昇した。価格は2021年末の史上最高値以降続いていた長期の対称三角形パターンを上抜けており、これは強気派にとって重要なシグナルだ。

〈イーサリアムの価格推移:TradingView〉

長期のチャートでの明確なブレイクは、市場が新しく、強力な上昇トレンドに入ったことを意味し、4800ドル超の史上最高値を再テストする道を開く。

  • レジスタンス:4400ドル、4875ドル、5000ドル
  • サポート:4000ドル、3941ドル、3737ドル

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:XRP Charts Signal Caution to Bulls as Bitcoin Awaits Breakout and Ether Goes Bonkers