ネイルサロン「FASTNAIL」を運営するコンヴァノは8月27日、円連動ステーブルコインのための企画・開発事業を開始すると発表した。当面はプラットフォームの開発とネットワーク構築に注力し、将来的には自社が発行主体となることを目指す。
同社の発表によると、本事業はステーブルコインの基盤となるシステムの構築を主眼とする。
日本の資金決済法では発行主体が銀行、信託会社、または資金移動業者に限定されている。この規制環境を踏まえ、同社はまず、既存の資金移動業者と連携して「送金・決済ネットワーク」を確保することから着手するとしている。
その上で、長期的な目標として2027年12月末を目途に自社で資金移動業の免許を取得し、発行主体としての法的要件を満たす計画を明らかにした。
プラットフォームの開発においては、同日業務提携を発表した暗号資産(仮想通貨)交換業者であるFINX JCryptoと連携。準備資産に日本国債などを充当し1対1の償還を保証する設計や、AML/CFT(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)といった規制に準拠した体制を構築する方針だ。
ステーブルコインの企画・開発事業の開始は2025年9月1日を予定しており、立ち上げに伴う初期投資として2026年3月期に5000万円を支出するとのこと。
同社は事業開始の背景として、国内の制度動向を挙げている。JPYC社が資金移動業者としての登録を完了し、円建てステーブルコインの発行が法的に可能となり、市場が本格化する環境が整ったと指摘している。
コンヴァノは「21,000BTC 財務補完計画」と題した戦略を掲げており、ビットコインの保有量を急速に増やしている。現在、購入総額約64億円で約365BTCを保有している。
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|文:栃山直樹
|画像:FASTNAILウェブサイトから(キャプチャ)


