イーサリアム財団、UXの最優先課題として相互運用性に取り組む

イーサリアム財団は8月29日、増加するイーサリアムのレイヤー2ネットワーク間の障壁を取り除くことを目的とした、主要なイニシアチブを詳述した新しいブログ記事を公開した。

このイニシアチブは戦略的な方向転換を示している。長年にわたりスループットの拡大とコスト削減に取り組んできたプロトコルチームは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の鍵として、相互運用性に焦点を絞っている。

チームはブログ記事で、「我々は、パブリックなコアイーサリアム研究開発グループとしての立場から、相互運用性および本稿で紹介する関連プロジェクトを、今後6~12カ月間の広範なUX領域において最大のレバレッジ効果を発揮する機会と捉えている」」と書いた。

その核心において、このアップデートは相互運用性、スピード、ファイナリティという3つの目標に焦点を当てている。

直近の動きは、イーサリアムのベースレイヤーとそのデータ可用性ソリューションを拡張する以前の取り組みに基づいた、「UX改善」ロードマップからもたらされている。

開発者たちは現在、乱雑に広がったレイヤー2ロールアップの領域全体で、ネットワークをより速く、よりシンプルに、そしてより統一されたものに感じさせることに特に注意を向けている。

この取り組みの中心は、計画されているイーサリアム相互運用性レイヤー( Ethereum Interoperability Layer:EIL)である。イーサリアム財団によるとこれは、クロスチェーンのインターアクションを「単一チェーンでの実行のように感じさせる」ように設計された、トラストレスで検閲耐性のあるメッセージングシステムである。

パブリックデザイン文書は10月にリリースされる予定であり、ロールアップ間で資産とデータをブリッジするための標準的なアプローチの舞台を整える。

EILを補完するのが「オープン・インテント・フレームワーク(Open Intents Framework)」である。これは、「インテント」、つまり資金移動や資産取引といったユーザーが宣言する目標に対して、開発者がカスタムブリッジやリレーヤーをつなぎ合わせることを強制する断片化されたツールを抽象化できる共有インフラストラクチャである。

このフレームワークは、2025年2月にエコシステムの開発者によって初めて導入され、とりわけ有名なイーサリアムプロジェクトのいくつかで人気を得た。その目標は、ユーザーがどのネットワークにいるかを気にする必要がない、チェーンをまたいで統一されたUXである。

同時に、標準化の作業も並行して進んでおり、ERC-7828やERC-7683といった提案は、ロールアップ全体でウォレットの挙動とトランザクションフローを調和させることを目的としている。

これらの努力が合わさることで、セキュリティやコンポーザビリティを犠牲にすることなく、アプリケーションが複数のチェーンにまたがることができるイーサリアムへの方向性を示している。

スピードの改善もロードマップにあり、2026年初頭までには「Fast L1 Confirmation Rule」が、イーサリアムの確認時間を15〜30秒に短縮すると期待されている。

より高速なレイヤー2決済と、ブロックタイムを12秒から6秒に半減させるためのリサーチは、クロスチェーンのインターアクションにおける遅延をさらに軽減する可能性がある。

これらの改善がもたらす影響は、ロールアップだけでなく、アプリケーションやDeFiにとっても重要である。もし開発者たちがロールアップを一つのネットワークのように感じさせることに成功すれば、流動性と資本効率が急増し、現存するブリッジングソリューションの摩擦とリスクなしに、新しい種類の製品を解き放つことができるだろう。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Ethereum Foundation Targets Interoperability as Top UX Priority

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