- クラーケン(Kraken)とBackedは、ERC-20トークンとして、xStocksと呼ばれるトークン化された株式をイーサリアムに導入する。
- この動きは、ソラナ(Solana)、BNBチェーン(BNB Chain)、トロン(TRON)での、xStocksの35億ドルの取引高を基盤にしている。
- このイニシアチブは、伝統的な金融商品をブロックチェーンレールにもたらすという、より広範なトレンドの一環である。
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンと、スイスのトークン化企業Backedは9月2日、株式を分散型金融(DeFi)インフラに統合することを目指し、トークン化された株式「xStocks」をイーサリアムネットワークで提供すると述べた。
このイニシアチブにより、対象となるクラーケンの顧客は、イーサリアム上で直接xStocksを預け入れ、引き出すことができるようになった。
xStocksは、原資産である株式によって1対1で完全に担保されたERC-20トークンとして存在する。これは、投資家が取引所とセルフカストディ型ウォレットの間でトークン化された株式やETF(上場投資信託)を移動させたり、イーサリアムベースの分散型金融(DeFi)プロトコルにアクセスできることを意味する。
イーサリアムでの展開は、ソラナ、BNBチェーン、トロンでのxStocksのローンチに続くものである。xStocksは6月のデビュー以来、中央集権型および分散型取引所を合わせて35億ドル(約5200億円、1ドル=148円換算)以上の取引高を生んでいる。
イーサリアムが最大のスマートコントラクトネットワークとしての地位を確立していることから、xStocksは数千もの分散型アプリケーションに即座にリーチできる。
「我々のマルチチェーン戦略は熟慮を経たものである」と、クラーケンの共同CEOであるアルジュン・セティ(Arjun Sethi)氏は声明で述べ、次のように続けた。
「それは、トークン化された株式がエコシステムを横断してアクセス可能であり、ウォレットやプロトコル間でポータブルであり、ユーザーがすでに信頼しているアプリケーション内で構成可能であることを保証する。イーサリアムは、次に来るべき当然なステップである」。
今回の動きは、現実資産(RWA)のトークン化と呼ばれる、株式を含む伝統的な金融商品をブロックチェーンレールに乗せる機運が高まる中でのものだ。
ジェミナイ(Gemini)やロビンフッド(Robinhood)などは、すでにEUのユーザー向けにトークン化された米国株を導入した。しかし、トークン化された株式の提供は、限定された株主権利や断片化された規制といった懸念も引き起こしている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:PiggyBank/ Unsplash
|原文:Kraken, Backed Bring Tokenized Equities Offering to Ethereum Mainnet


