- 米証券取引委員会は、規制策定の意向を示すためのパブリックアジェンダを公開しており、その中には暗号資産関連の取り組みが数多く含まれている。
- アトキンス委員長は、暗号資産規制の策定は自身の任期における「重要な優先事項」だと述べた。
4日に公開されたプログラムによると、米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長は、これまでに示していた通り、暗号資産(仮想通貨)関連の取り組みをSECの政策アジェンダに盛り込んでいる。これによって、委員長が業界にとっての「新しい日」と呼ぶ状況が明らかになった。
アトキンス委員長は声明で、「暗号資産の規制枠組みを明確化し、市場にさらなる確実性を与えられるよう、アジェンダには暗号資産の募集と販売に関して提案される可能性のある規則が含まれている」と指摘。「私の委員長としての重要な優先事項は、暗号資産の発行、保管、取引に関する明確な規則であり、同時に悪質な行為者による違法行為を抑止し続けることだ」と述べた。
アジェンダの残りは、証券会社に対する制約を緩和する取り組みや、アメリカの証券取引をリアルタイムで追跡する「統合監査証跡」システムを再考する取り組みに向けられている。アジェンダは、新規規則導入に慎重な姿勢を示しがちなSEC指導部内でデジタル資産が新規規制の主要分野となっていることを示している。
アジェンダでは、4月を目標に暗号資産の募集と販売に関する規則を提案するとされている。これには、免除やセーフハーバーが含まれる。同じく4月を目標に「代替取引システム(ATS)」や国内証券取引所においてデジタル資産取引を取り扱うためのSECの証券取引法規則の別の改正も勧告するとされている。
連邦規制当局は、こうしたアジェンダを定期的に公衆による精査のため提出しているが、設定されたスケジュールは信頼できない場合が多い。政策ウォッチャーの間では、これらはむしろその機関の方向性を示す大まかな指標と広く見なされている。
しかし、SECと関連する市場監視機関である米商品先物取引委員会(CFTC)は今週、つまり暗号資産規制策定のかなり前に共同声明を発表しており、両委員会が監督する登録プラットフォームは暗号資産の現物取引を取り扱うことができ、そのアプローチ方法についてより明確な説明を求めるべくSECに問い合わせるべきだと述べている。
SECは、民間セクターの暗号資産企業への助言経験があるアトキンス氏が「プロジェクト・クリプト(Project Crypto)」と呼ぶプロジェクトに着手し、業界の主流金融への参入を支援している。CFTCも、キャロライン・ファム(Caroline Pham)暫定委員長が「クリプト・スプリント(crypto sprint)」と呼ぶプロジェクトを同様の目的で進めている。両委員会は、この技術分野で世界的リーダーになるようアメリカが業界を十分に支援するというドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の期待に応えるべく、迅速に取り組んでいると繰り返し述べている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Jesse Hamilton/CoinDesk
|原文:U.S. SEC’s Atkins Posts Agency’s Near-Term Agenda Jammed With Crypto Efforts


