- ウォール街の証券会社バーンスタイン(Bernstein)は、サークル(Circle)社の株式に「アウトパフォーム」の格付けをし、230ドルの目標株価を設定した。
- USDCの供給高は725億ドルに増加し、バーンスタインの2025年予測を25%上回っている。
- 米国でのGENIUS(ジーニアス)法の成立に伴い、新しいステーブルコインの参入は避けられないと、バーンスタインは述べた。
ハイパーリキッド(Hyperliquid)は、サークルが手がけるUSDコイン(USDC)に対する分散型取引所(DEX)の依存を減らす可能性のある動きとして、独自のステーブルコインを立ち上げる計画である。
このような懸念にもかかわらず、USDCの供給高は725億ドル(約11兆円、1ドル=147円換算)に急増し、ウォール街の証券会社バーンスタインの2025年の予測を25%上回るペースで進んでいる。バーンスタインは、年末までにUSDCの供給高が740億ドルに達すると予測していた。
USDCの市場シェアは「極めて好調である」と、ガウタム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏が率いるアナリストらはレポートで述べた。
世界最大のステーブルコインであるUSDTの発行元であるテザー(Tether)に対する市場シェアも、第2四半期に28%から30%に増加したと、バーンスタインは述べた。
ステーブルコインとは、米ドルや金などの伝統的な金融資産の価値に連動した暗号資産(仮想通貨)である。とりわけ決済インフラを提供することによって、暗号資産市場で主要な役割を果たしており、国際送金にも使用されている。
バーンスタインのレポートは、現在55億ドルのUSDC(供給高の約7.5%)がハイパーリキッドで担保として使用されていることを指摘した。
ハイパーリキッドの動きは競争をもたらすものの、執行の信頼性と規模が重要となるデリバティブ市場において、新しいステーブルコインに十分な流動性を確保することは困難であろうと、アナリストらは指摘した。
バーンスタインは、米国でジーニアス法が成立したことを受け、新しいステーブルコインの参入は避けられないと述べた。しかし、デリバティブの流動性確保は容易ではない。
利下げへのサークル社のエクスポージャーに関する懸念(金利収入の低下が収益に影響を与える可能性があるため)は、より大きな全体像を見逃していると、バーンスタインのアナリストらは述べた。なぜなら、サークル社はUSDC供給の拡大から利益を得ているためである。
利下げは、デジタル資産におけるリスクオンのセンチメントを支持し、USDCや関連する利回り戦略へのさらなる需要を刺激する可能性があると、レポートは付け加えた。
バーンスタインはサークル社の株式に「アウトパフォーム」の格付けを与え、230ドルの目標株価を設定した。サークル社の株は、当記事執筆時点で1.2%高の約116ドルで取引されている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:PJ McDonnell / Shutterstock.com
|原文:Circle’s USDC Market Share ‘On a Tear,’ Says Wall Street Broker Bernstein


