- KBWは、ブリッシュ(Bullish)の株式カバレッジを「マーケット・パフォーム」の格付けと55ドルの目標株価で開始した。その根拠に、強固な規制面での基盤と当面の米国での事業拡大を成長の原動力として挙げた。
- データ、インデックス、および流動性サービスが、2027年度までに収益の40%以上を占め、取引高への依存を減らす見込みである。
- KBWは、競争力のある手数料と潤沢な流動性によって、ブリッシュが機関投資家のシェアを獲得するのに有利な立場にあり、ビットライセンス(BitLicense)の取得が重要な起爆剤になると述べた。
投資銀行のKBWは、暗号資産(仮想通貨)取引所ブリッシュのカバレッジを「マーケット・パフォーム」の格付けと55ドルの目標株価で開始し、同社株を、高度に規制された、機関投資家ファーストの暗号資産取引所に投資できる珍しい公開株であると評した。
KBWは、差別化された技術基盤、競争力のある手数料、および潤沢な流動性によって、ブリッシュが市場シェア獲得に有利な立場にあることから、近い将来の米国での事業拡大が成長の起爆剤になると見ている。
アナリストのビル・パパナスタシオ(Bill Papanastasiou)氏は、ブリッシュのドイツ(MiCAR準拠)、香港、ジブラルタルでのライセンス取得という規制上の足場が、機関投資家を引き付け、アジアとヨーロッパ市場を結ぶグローバルなオーダーブックを可能にしたと指摘した。
KBWはまた、市場インフラ提供者としてのブリッシュの信頼性の証として、ジブラルタルの規制当局と完全に暗号通資産対応の清算機関について協力していることを強調した。
取引以外にも、ブリッシュはCoinDeskとCCDataの買収を通じて収益を多様化させ、データ、インデックス、および流動性サービスから経常的な収益源を構築した。
KBWは、これらが2027年度までに収益の40%以上を占めると予想している。CoinDeskプラットフォームはまた、より高いマージンを生む個人ユーザーにリーチするための選択肢も提供している。
KWBは、ブリッシュの低いテイクレート(1.6bpsに対し、コインベースは〜3bps)と潤沢な流動性のおかげで、米国の市場シェア獲得が今後見込まれると見ている。
ニューヨーク州のビットライセンス(BitLicense)の取得が依然として重要な課題であるものの、KBWはそれに関わらず米国全土での展開を予想している。
現時点では評価額が中立的な格付けを維持させているが、アナリストは、ブリッシュが事業拡大計画を実行し、個人投資家の関与を活用できれば、上振れの可能性があると指摘した。
当記事執筆時点で、ブリッシュ株は51.81ドル前後と横ばいで取引されている。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:CoinDesk/Nik De
|原文:Bullish Gets a New $55 Price Target from KBW With U.S. Entry Seen as Key Catalyst


