- ドイツ取引所とサークルは、ヨーロッパの金融市場におけるUSDCとEURCの導入を検討する。
- このプロジェクトは、世界初の枠組みとなるEUの暗号資産市場規制のMiCARによって実現される。
- ステーブルコインは、ドイツ取引所の360Tとクリプト・ファイナンスを通じて上場・取引される。
ドイツ取引所グループ(Deutsche Börse Group)はサークル・インターネット・グループ(Circle Internet Group)と覚書を交わし、規制対象のステーブルコインをヨーロッパの金融市場インフラに導入する。
両社は9月30日の声明で、この合意によりサークルのユーロペッグ型トークン「EURコイン(EURC)」とドルペッグ型トークン「USDコイン(USDC)」をドイツ取引所が運営するプラットフォーム全体の取引・決済・保管サービスに統合する方針だと発表した。
ヨーロッパを焦点としたステーブルコインの動きが最近活発化しており、ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)の暗号資産子会社SG-FORGEが同地域でのステーブルコイン拡大を発表したほか、ヨーロッパのn銀行グループがユーロ建てステーブルコインを発行している。
サークルは欧州連合(EU)の暗号資産市場規制(MiCAR)に準拠した初の主要グローバル発行体で、ヨーロッパにおける規制上の足場を築いた。ステーブルコイン規制は2024年6月に発効し、完全な法制化は12月末に始まった。
この取り組みは、ドイツ取引所傘下の為替トレーディング・プラッ トホームの360Tのデジタル取引所「3DX」および同じく傘下の機関投資家向け暗号資産ブローカーのクリプト・ファイナンス(Crypto Finance)を通じたステーブルコインの上場・取引から開始される。保管業務は同グループのポストトレード部門であるクリアストリーム(Clearstream)が担当し、クリプト・ファイナンスのドイツ法人をサブカストディアンとして活用する。
サークルの共同創業者で会長兼CEOのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は「ドイツ取引所グループと協力し、ヨーロッパの市場インフラ全体で規制対象のステーブルコイン利用を推進する計画だ。決済リスクの低減、コスト削減、銀行と資産運用会社など市場全体の効率化を図る」と述べた。
この提携により、銀行や資産運用会社などの機関投資家は、従来の決済システムに依存せず、トークン化されたユーロやドルで取引決済を行うことが可能になる。ヨーロッパ資本市場にとって、ステーブルコインが規制された金融インフラの信頼できる一部となり得るかどうかの最初の試金石となるだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock modified by CoinDesk
|原文:Deutsche Börse, Circle to Integrate Stablecoins Into European Market Infrastructure


