大井川鐵道、NFTを活用したデジタル会員サービス「大鐵members」開始

大井川鐵道は10月7日、LINE上で展開するデジタル会員サービス「大鐵members」を開始。NFTを活用し、限定コレクションや旅のクーポンを提供する。

サービス構築には、Marbull Xが提供するソリューション「Marbullコネクト」を活用。Marbull Xが10月2日に発表したリリースには「LINE上で気軽に参加できる会員体験に、コレクションやクエストなどのゲーム要素を掛け合わせ、大井川鐵道沿線への繰り返し来訪と、消費促進を後押しします」と記されている。

さらにリリースによると、大井川鐵道は次の3つの課題を抱えていたという。

1.CRM(顧客との関係構築)
2.社内に眠る「潜在資産」の活用
3.沿線回遊による地域経済への貢献の可視化

具体的には「鉄道ファンが存在することは分かっているが、どんな人が来ているのかが見えない」といった課題だ。そのほか、歴代車両の画像や駅名標などの社内資産を活かしきれていないこと、沿線回遊による地域経済への効果を可視化できていないことも課題となっている。

「大鐵members」は、これらの課題を解決することが狙いという。

大井川鐵道のウェブサイトによると、「大鐵members」には、2つのメイン体験が用意されている。

1.駅訪問と連動したデジタルコレクション「NFTガチャ」:月に一度、対象駅でチェックインすることで「マイル」を獲得。マイルを貯めると、歴代の車両画像や駅名標などをNFTカードとしてコレクションできる「NFTガチャ」を回すことができる。

2.お得に旅を楽しめるクーポン:大井川鐵道をよりお得に楽しめるクーポンを配布予定。

一方で、数年前にセンセーショナルに伝えられた高額なデジタルアート、あるいは投資対象としてのNFTは、低迷状況にある。報道によると、大手オークションハウスのクリスティーズ(Christie’s)は、デジタルアート部門を閉鎖し、NFT作品を美術品販売に組み入れた。

関連記事:NFT市場の停滞を受け、クリスティーズがデジタルアート部門を閉鎖

だが、国内ではNFTをファンや顧客との関係性強化に活用する取り組みが続いている。まだ必ずしも顕著な成功例が存在するとは言い難いものの、各社が意欲的な挑戦を行っている。

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|文:増田隆幸
|画像:Marbull Xのリリースより

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