LN Trends 2025年9月(vol.11)

暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営するビットバンクが公開した「LN Trends」最新号を転載してお届けします(LN:Lightning Network)。

LN市場の概況

参照:amboss

概要:今月はノード・チャンネル・キャパシティのすべてで増加傾向を示し、ネットワークの活動が再び活発化しています。

ノードの増加は、新規参加者や運用者の参入を示し、ネットワーク全体の分散度合いが向上していると考えられる一方で、接続の広がりに比べてチャンネル数の伸びは緩やかであり、参加者の多くが少数のチャネルのみを保有する小規模ノードである可能性が高いです。

これは、ライトニングネットワークの利用が一部のルーティングノードやサービス事業者に依存する構造を保ちつつも、周辺参加者が増えている過渡期を示唆しています。

キャパシティの増加は、既存ノードによるチャネルの拡充や、より大きな金額を扱う決済需要の高まりを反映していると考えられます。

日付ノード数キャパシティ数(BTC)チャネル数
9/3014,847(+2.56%)3,985(+4.13%)  46,034(+1.05%)
8/1514,476(+3.56%)3,827(-0.31%)45,555(+0.57%)
7/1513,9783,83945,295

用語説明

  • ノードとは
    ・ネットワークに接続しているライトニングノードソフトウェアの数を指しています。
    ・決済の中継や決済チャネルの開設・維持を行う、ネットワークの基本単位です。
    ・ネットワークの広がりと分散度合いを示す指標です。
  • キャパシティとは
    ・ライトニングネットワーク全体で送金に利用できるビットコインの総量を指しています。
    ・資金の厚み・流動性・経済的規模を示す指標です。
  • チャンネルとは
    ・2つのノード間で開設される、オフチェーン上の決済通路の数を指しています。
    ・このチャネルを通じて、ビットコインを即時かつ低コストで送受信できます。
    ・接続性・経路の多様性・ネットワーク密度を示す指標です。

Chipper Cashがライトニングネットワークを導入へ

参照:bitcoinmagazine

概要:Chipper Cashは2018年に設立されたP2P送金プラットフォームで、現在はフルライセンスのフィンテック企業として国際送金、Visaバーチャルカード、株式投資、ステーブルコイン決済など幅広いサービスを提供しています。同社は、ビットコイン取引の50%以上をライトニングネットワーク経由で処理していると発表しました。インフラにはVoltageを採用しており、複雑さを軽減しつつスケーラブルで高信頼な決済を実現しています。

説明:Chipper Cashは、ライトニングネットワークの導入によって国際送金や国内決済を高速かつ円滑に行える環境を整備しました。これにより、法定通貨レールに比べて高い耐障害性を確保し、ユーザーの利便性を大きく向上させています。

さらに、StrikeやCash Appなど他のライトニングネットワーク対応サービスとの相互運用性も実現しており、エコシステム全体の接続性を高めています。

新たに立ち上げたサービス「Chessa」では、暗号資産を経由して25種類以上の現地通貨へ即時送金が可能となりました。これらの取り組みにより、Chipper Cashはアフリカ大陸におけるビットコイン決済のリーダー的地位を確立しています。顧客同士の紹介を通じた自然な利用拡大も進んでおり、ライトニングネットワークを活用した実用的な金融インフラの成功事例として注目されています。

ビットコインによるサブスクリプション決済の拡大

参照:Alby

概要:ビットコインを活用したサブスクリプション(定期支払い)モデルが世界的に普及しつつあります。従来のクレジットカードや銀行口座に依存せず、ライトニングネットワークを利用することで、低コストかつ即時の決済が可能となっています。この仕組みにより、企業は安定した定期収益を得ることができ、利用者は個人情報を開示せずに安全な支払いを行うことができます。特に、Nostr Wallet Connect(NWC)を用いたウォレット連携により、自動課金の導入が容易になっている点が特徴です。

説明:ライトニングネットワークを利用したサブスクリプション決済は、手数料がクレジットカードに比べて大幅に低く(約0〜0.5%程度)、チャージバック(支払い取り消し)も存在しないため、取引の安全性が高い仕組みです。また、国境を越えたグローバル決済や、少額・都度課金(マイクロペイメント)にも対応しており、柔軟な料金モデルの構築が可能です。

利用者はウォレットを接続するだけで簡単に定期支払いを設定できるため、導入や利用のハードルが非常に低いことも特徴です。

代表的なユースケースとして、映像配信サービスのIndeeHub、クラウド型SaaSのAlby、クリエイター支援プラットフォームのZapPlanner、サーバーホスティングサービスのLNVPSなどが挙げられます。

これらの事例から、ビットコインによるサブスクリプション決済は、コスト効率・プライバシー保護・即時性を兼ね備えた新たなグローバル決済手段として注目を集めています。

Wapu Pay、Alby Hubを活用したローカル決済ブリッジを構築

参照:Alby

概要:Wapu Payは、外国人旅行者・留学生・駐在員などがアルゼンチン国内で現地通貨による支払いを容易に行えるよう支援するフィンテック企業です。従来の国際送金では、5〜7%の高額な手数料や数時間〜数日に及ぶ決済時間が課題となっていましたが、Alby Hub(セルフカストディ型ライトニングウォレット)を導入することで、これらの問題を大幅に解消しました。

説明:Wapu Payは、ライトニングネットワークを活用することで、数秒以内の即時決済を実現し、取引手数料をほぼゼロに抑えています。これにより、国際送金コストを大幅に削減しつつ、安全かつ効率的な送金体験を提供しています。さらに、セルフカストディ型ウォレットを採用することで、第三者への依存を排除し、ユーザー自身が資産を完全に管理できる仕組みを整えています。

技術面では、AlbyのSDKおよびAPIを活用してわずか1週間で統合を完了し、QRコードや銀行振込を通じて外国人利用者がアルゼンチン・ペソ建てで簡単に支払いを行える環境を構築しました。創業者のアンドレス・チャポ氏は「外国人にとってWapu Payは唯一実用的な現地送金手段」と述べており、今後はユーザーごとにライトニングアドレスを付与し、直接受け取り型の分散型送金ネットワークの実現を目指しています。

このように、Wapu PayはAlby Hubの技術を活用することで、国際送金と現地決済を融合させた新たなフィンテックモデルとして注目を集めています。

Macadamia Wallet、iMessage拡張でecash送金を実現

参照:ATLAS21

概要:Macadamia Walletは、Cashuプロトコルを基盤とするライトニングウォレットであり、バージョン0.4.0のリリースにより、iMessage上でecashを送受信できる拡張機能を実装しました。これにより、Appleユーザーはメッセージアプリ内から直接ビットコインを送金できるようになり、暗号資産決済の利便性が大幅に向上しています。

説明:Macadamia Walletでは、iMessage拡張機能を通じて、複雑な文字列やアドレスを入力することなく、シームレスにecashを送受信することができます。基盤となるCashuプロトコルは、ライトニングネットワークを活用しつつも、プライバシー保護を重視した電子現金(ecash)システムであり、取引の匿名性と安全性を両立しています。

主な機能として、トークンの発行(minting)、送受信、およびmelting(ライトニング請求書の支払い)が完全にサポートされており、さらに12語のシードフレーズによるウォレット復元にも対応しています。

これらの特徴により、Macadamia Walletは、Appleユーザー同士が直感的な操作でP2P送金を行えるだけでなく、日常的なメッセージ体験とビットコイン取引を融合させた、プライバシー重視型の新世代ライトニングウォレットとして注目を集めています。

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